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鼠小僧は本当に義賊だったのか。へっぽこギャンブラーが庶民のヒーローになった理由

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大名屋敷から大金を盗み出し、貧しい人に分け与えた義賊として知られる鼠小僧。

講談名作文庫7 鼠小僧次郎吉

しかしその実情を知れば「どこが義賊やねん!」とツッコミを入れたくなるような男だったようで。

鼠小僧(ねずみこぞう)とは

鼠小僧(ねずみこぞう、寛政9年(1797年) - 天保3年8月19日(1832年9月13日))は、江戸時代後期(化政期)に大名屋敷を専門に荒らした窃盗犯。本名は次郎吉(じろきち)。鼠小僧次郎吉として知られる。

本業は鳶職であったといわれ、義賊の伝承で知られる。

引用元:鼠小僧 - Wikipedia

大名屋敷に忍び込んで大金を盗み、貧乏長屋の障子戸を少し開けてチャリンチャリーンと小判を投げ入れてまわる義賊、鼠小僧についてのこんな話を何となくみなさん知っているんじゃないでしょうか。

その逸話は、庶民のヒーローとして語り継がれるものとして申し分ありませんよね。

鼠小僧が盗みを働いたわけ

鼠小僧が盗んだお金の額は、現在に換算すると20億以上ともいわれています。

そのお金をどうしたかというと、実は鼠小僧が盗みを働いたのは、貧しい庶民に分け与えるためではありません。

では一体何のために盗人なんてリスクの高いことをしでかしたんでしょう。

ズバリ言うと、博打の資金またはその借金の返済のため、です。

 『鼠賊白状記』という鼠小僧自身による自覚調書がありますが、それによると鼠小僧は、日ごろの行いが悪いため25歳で親に勘当され、その後博打にのめり込んだようです。そしてその資金稼ぎのために盗みに手を染めるようになりました。

「ギャンブルしたいわぁ。せや!金持ちの家から盗んだったらええねん!」

鼠小僧が盗みをしたのはただ単にそれだけのことでした。どうしようもない男ですね。

しかも、初めて捕まって南町奉行所に尋問を受けたときは、「すんません、ホンマすんません。初めてですねん堪忍してぇや」とか言って嘘をついてます、この男。そして、入れ墨を入れられて追放処分となりました。

その後も何だかんだで盗みを働き、10年間で95ヶ所の武家屋敷を計839回荒らし、盗んだ金は3000両にのぼったといいます。正確にはわからないところですが、すごい額です。

しかし、2回目に捕まった時に「盗んだ金は飲み食い博打、そして女に全部使った」と自供したという話もあり、実際に家財道具も金も持ってなかったそうです。どんだけ博打好きやねん。しかし勝てないへっぽこギャンブラー。まったくどうしようもないやつ。

義賊伝説が生まれたわけ

ではなぜ、ギャンブルで身を崩し泥棒になったというどうしようもないクズが義賊として伝承されるようになったんでしょうか。

「貧しい人にきたねえ大名から盗んだ金を分け与える」という噂は、実は鼠小僧が捕まる前から流れていました。

大名屋敷ばかりを狙っていたから

鼠小僧は大名屋敷ばかりを狙っていて、しかも、当時絶対的な武家の屋敷にたったひとりで盗みに入り、反権力の象徴みたいに扱われたようです。

しかし、大名屋敷に盗みに入ったのは反権力ってわけじゃなく、実は大名屋敷は広いわりに警護が手薄だったからです。あまり警護のために大人数を用意すると幕府から謀反を疑われるため、大名は警備を増やしたくてもあまり増やせなかったんですね。また、万が一発覚しても面子や対面を気にして公にされにくいだろうという事情もありました。

実際にお金があった商人の家は警備が厳重でしたし、町人の家なんて盗み入っても実入りが少ない、だからそういった大名屋敷は非常に都合がよかったんでしょう。

質素な生活をしていたと思われたから

鼠小僧が捕まってからの家宅捜索で、鼠小僧の家から全然盗まれた大量のお金は発見されませんでした。

そして、傍からみると鼠小僧は質素な生活をしていたとみられていたようです。

「えっ。あのひとが鼠小僧!?いやーそんな大金を盗みまくった男には見えませんでしたわ。なんか慎ましく暮らしてはったのに」と近所の人はビックリしたようですが、鼠小僧は博打でスってスッカラカンなんですからそりゃ慎ましやかにもなるってもんです。

でも、「大金を盗んだのにあんなに質素に暮らしてるなんて、きっと貧しい人に分け与えていたに違いない」なんて人のいい庶民が思っちゃったってことでしょうね。

最後に

さて、どうですか、鼠小僧次郎吉さん。

義賊どころか、博打で身を崩して盗っ人になったただのどうしようもない悪党なんですね。

しかし彼は、「武家ばっかりウマい汁吸いやがって」と悶々と貧しい生活をしていた多くの庶民にとっては、正にヒーローだったのかもしれません。

「いばりくさってる○○という大名が鼠小僧にゴッソリやられたらしい。ざまあねぇや」とみんなスカッとしたんでしょうねぇ。