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『ドラゴンクエスト』は“逆風の中に生まれた”のではない

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ぼくのTwitterのタイムラインには、レトロパソコンゲームに関しての話題が多い。もちろん、レトロパソコンゲームを愛する人たちを多数フォローしてるからです。

上手に正確にレトロパソコンゲームを語れる人たちばっかりで、ぼくなんか足元にも及ばないステキな人たちばっかりなんですけども、そのタイムラインが、ある話題で持ちきりでした。

「初代ドラクエはRPGへの逆風の中に生まれた」とかいう記事

「国産RPGの黎明期」のハナシ

きっかけはこの記事です。

news.denfaminicogamer.jp

ゲームライターの多根清史さんが書いた記事で、「RPGの歴史をドラクエ以前から整理する」とあります。

言うまでもなく、『ドラゴンクエスト』はRPGというゲームジャンルを一気に一般レベルに普及させた偉大なゲームです。

その『ドラゴンクエスト』がリリースされるまでは、RPGというのはパソコンで遊ばれていたわけです。なのでこの記事でもテーブルトークの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』からコンピュータRPGの祖『ウィザードリィ』、『ウルティマ』を経由して国産のRPGが遊ばれ続けてからの『ドラゴンクエスト』の登場、という流れで書かれています。

『ドラゴンクエスト』以前の国産RPGの書かれ方が…

そこに書かれている「国産RPGの黎明期の流れ」が間違ってるってわけではないんですけども、ドラクエ以前からパソコンでRPGを遊んでいたぼくらにはちょっと「!?」となってしまう書かれ方をしているんですよね。「ちょっと待って」ってなる。

それがちょっとネットの一部で騒ぎになっていたカンジです。

最たるものがこれですかね。

jiraygyo.com

「ドラクエ史観」という病が日本のゲームマスコミにはある。

『ドラゴンクエスト』シリーズがあまりに偉大な国民的ゲームになってしまったため、「ドラゴンクエストが日本のRPGを作った」とか言い出す病の事である。

前にも書いたが、海外RPGで『ウルティマ』シリーズや『ウィザードリィ』シリーズがあって、そこからいきなり『ドラゴンクエスト』が現れてヒットし、日本のRPGの夜明けがきた!

こう思い込んでいる人がやたら多いんである。

わかる。

ぼくらは幸せなことにパソコンを手元に持っていて、『ウィザードリィ』、『ウルティマ』の存在を知りそして憧れて『ブラックオニキス』や『夢幻の心臓』や『ファンタジアン』を遊んでいたんです。

そうやって必死に遊んでいたゲームたちをおざなりに語られるのは、そりゃ許しがたいところです。

しかし、ぼくらはマイナーだった

だがしかし、ぼくらはマイナーでした。

みんながファミコンで必死に『スーパーマリオブラザーズ』で遊んでるときに『ザナドゥ』やら『夢幻の心臓Ⅱ』やらを遊んでいたわけですから。

ありがたいことにクラスにパソコン野郎が数人いて、そいつらと集まってパソコンゲームを遊んでいたので「パソコンでゲームする」ということは当たり前のことでしたけど、ブームが到来したファミコンで遊ぶことから見ると、それは全然当たり前のことじゃなかったんじゃないでしょうか。

「え?パソコンでゲームできるの?え?それ面白いの?マリオある?」みたいなことも何度か言われましたし。

そういう人から見ると『ドラゴンクエスト』は、やっぱり「いきなり現れた新しいシステムのイカしたゲーム」になるんでしょうねぇ。だから、ある程度一般に向けた記事が「ドラクエ史観」にハマってしまうのは仕方がないのかなぁと思います。

初代ドラクエはRPGへの逆風の中に生まれた?は?

だからこの件は静観してたんですけども、地雷魚さんの記事を読んでぼくの心もゆっくりとフツフツと煮えてきました。だから、どうしても看過できないことをひとつだけ言っておきます。地雷魚さんの記事と重複するんですけどね。

ハッキリ言って記事タイトルが気に食わない。

「初代ドラクエはRPGへの逆風の中に生まれた」だと?「ドラクエ以前”の国内RPG史に見る「苦闘」の歴史」だと?

なんだRPGへの逆風って。なんだ国内RPG史に見る「苦闘」の歴史って。

ぼくの個人的なハナシを言うと、中学1年生になると同時に親父がPC-88011markⅡSRを買ってきてから色々とゲームを遊んでましたけど、『ハイドライド』と『ファンタジアン』で知ったRPGという新しいゲームの概念の衝撃は大きかったです。そして経験値というシステムを遊びながら租借して飲み込んでいって病みつきになりました。おそらく当時パソコンゲームで遊んでいた人はほとんどの人がそうだったんじゃないでしょうか。

なので、ずっと「次は何を遊ぼうどんなRPGがあるんだろう新しいRPGを寄越せ」と言いながらサルのようにRPGばかり遊んでいたのです。ちなみにぼくの場合『信長の野望・全国版』で歴史シミュレーションにハマるまでその状態が続きました。

当時の日本はRPGが「苦戦」や「苦闘」しているどころか、完全に供給不足であり、ゲーム業界は猫も杓子もRPGに浮かれ踊っていた時期なんである。

これは誇張でも何でもない。ホントにその通りで、メーカーもジャカジャカとRPGを作り、移植してました。おかげでとんでもないクソも掴みましたけど。

あの頃の熱気を知っているならば、「PRGへの逆風」とか「国内RPGの苦闘の歴史」なんて言葉は絶対に出てこないはずです。出てくるとしたら、知らないんだとしか思えず、知らないんだったらしょうがないのかもしれませんけど。

とりあえず、記事タイトルを修正して欲しいくらいには思ってます。

最後に

『ドラゴンクエスト』は間違いなく偉大なゲームです。しかしそれ以前に数々の国産RPGの傑作があり、それらを取り巻いたぼくらの熱気があり、それゆえに『ドラゴンクエスト』は誕生したのだ、ということは分かっておいてもらいたい。

『ドラゴンクエスト』以前にRPGという世界の幕は上がっていたのです。