『ファイナルファンタジー』と言えば『ドラゴンクエスト』と並び大人気のRPGです。そりゃもうすごいモンです。
作ったのは言わずと知れたスクウェアです。現在は、エニックスと一緒になってますます飛ぶ鳥をおとす勢い(お世辞)です。
そのスクウェアが設立されたのは1983年。『ファイナルファンタジー』の発売が1987年。今回は、その間のスクウェアにスポットを当てまーす。
PCゲーム制作時代
スクウェアは徳島県の電友社という会社のソフト開発部門として設立されましたが、パソコン関連の販売も兼ねた業務形態でした。最終的には1986年に独立。
さて、産声を上げたスクウェア、はじめはアドベンチャーゲームをリリースしました。
デストラップ&WILL ~デストラップⅡ~
処女作『デストラップ』はシナリオでもちょっとは評価され、そのまま真面目にゲーム開発に取り組めばよかったのに、その続編『WILL ~デストラップⅡ~』でいきなりグイーンと舵を切っちゃいます。
タイトルで女型のアンドロイドに瞬きさせるアニメーションを施し、それが大好評。中身はまったく評価されなかったのに、そこは見ずにこれでスクウェアは勘違いします。その後のラインナップを見ると勘違いしたとしか言いようがない。あるいは、これでいいやと妥協したか。
クルーズチェイサー・ブラスティー
そして、おそらくスクウェアが多大な宣伝費をかけた『クルーズチェイサー・ブラスティー』が発売されます。
前述の勘違いあるいは妥協のもと、グラフィックとアニメーションに無茶苦茶力を入れるために何と日本サンライズと組みました。
そのお蔭で戦闘時のアニメーションはそりゃあスゴいものになり、雑誌の広告はもちろん、店頭でのデモでのプロモーションも宣伝効果はバッチリ。スクウェアのパソコンゲーム開発時代では最大の、そして唯一の大ヒットを飛ばしました。
しかし、ハッキリ言おうか、ゲームはクソです。
宇宙なのに壁があり、階差がある。それを無理矢理な「階差閉宇宙」という設定で誤魔化してるのには、当時中学1年ながらビックリしました。
ただただロボットのアニメーションをウリにして、そしてただそれだけでした。
アルファ、そして移植三昧
そしてまたアドベンチャーゲームを開発するスクウェア、『アルファ』をリリースします。
今度はイラストレーターいのまたむつみさんを起用してビキニアーマーを来た女性を主人公に据え、アニメーションをウリにしました。もはやハナっからアニメーションをウリにしました。ゲームちゃうのん?
『アルファ』がそんなに売れなかったんでしょうか、「オリジナル厳しくね?」と思ったかどうか知りませんが、何故かスクウェアは他社のヒットゲームの移植をするようになります。
ゲームアーツの超名作アクションシューティング『テグザー』をX1に、日本ファルコムのアクションRPGの先駆け『ドラゴンスレイヤー』をMSXに移植しました。
そして自社の『キングスナイト』を『キングスナイト スペシャル』とタイトリングしてファミコンからパソコンに移植しました。市場が拡大しているファミコンから縮小しているパソコンへの移植って何だったんでしょう。困ってたのかな。
そして、パソコンゲームとしての最終作品『ジェネシス』をリリース。これは「誇大広告&アニメーション」というスクウェアのお家芸を封印したのに、相変わらずサッパリの内容でした。ご苦労様!
パソコンゲームの世界で散々な目にあったスクウェアはファミコンの世界へと逃げていきます。さようなら!スクウェア!
ファミコンゲーム制作時代
こんにちは!スクウェア!
意気揚々とやってきたファミコンの世界、何か知らんけどリリースしたゲームは何でもバカバカ売れてるファミコン世界、スクウェアは参入第一弾に『テグザー』を持ってきました。
ファミコン版『テグザー』
ファミコンに参入するのにオリジナル作品を用意しなかったできなかったスクウェア、まずはゲームアーツの超名作『テグザー』を移植します。
かつてはX1への移植を担当した『テグザー』、勝手知ったるテグザー、あれ容量足んねぇな、レーザー削ろう!
『テグザー』の醍醐味、敵を薙ぎ払う全方向レーザー、そのレーザーこそが『テグザー』の楽しみ。それを丸々カットするセンスは何なんだろう?
とにかく、オリジナルを知るパソコンゲーマーは激怒しました。当然、売れませんでした。
DOG設立
その後も『キングスナイト』と『水晶の龍』でズッコケたスクウェアは、他のパソコンゲームメーカーを巻き込んでDOGというブランドを立ち上げ、ディスクシステム用のゲームをリリースしていくことになります。
DOG名義で比較的名前が残ってるゲームに『ディープダンジョン』や『アップルタウン物語』がありますが、それぞれ制作はハミングバードソフト、アクティビジョンです。あれ?スクウェアは?
ファミコンに来てもどうやらスクウェアはウマくいかなかった模様。
ファイナルファンタジー登場
そして『ファイナルファンタジー』が登場。
『ドラクエ』でPRGを知り、勉強したファミコンユーザーが次に遊ぶRPGとしてはうってつけでした。良かったね。
大ヒットとなった『ファイナルファンタジー』はスクウェアのそれまでの悪評(主にパソコンゲーマーからの)と負債を吹き飛ばし、スクウェアをトップメーカーに押し上げました。
その後の展開は皆さん知っているとおり。
むしろぼくは『ファイナルファンタジー』シリーズにより完全にスクウェアからソッポを向いたので良く知りません。
その後も迷走していたような…?
ソッポを向いても、トップメーカー様だからスクウェアやそのゲームについては色々と耳に入ってきました。相変わらず迷走してるなー、という感触でしたね。
なんだ『トバルNo.1』?『チョコボレーシング』?『チョコボの不思議なダンジョン』?オリジナルで作る気なしか?
あぁ、『トバル』はオリジナルですねぇ。もちろん、他にもオリジナルはありますよ。
そして『ファイナルファンタジー』については「動画ばっかり見せられる」「無駄な戦闘シーンばっかり」「見た目重視」「女キャラで目を引こうとしている」と言う声がぼくのまわりでも一部聞かれました。だからねぇ、言ってやりましたよ。
「え?そんなん元々の元々からだけど?スクウェア全然ブレてないやん」