ぼくの好きな映画に『ブラック・レイン』があります。
リドリー・スコットがメガホンをとった、大阪を舞台としたクライムアクション映画です。
この映画は本当にイイ。何もかもがいいんですけど、まぁ、大阪人としてあの頃の大阪が見られるってのが特にイイ。
ブラック・レイン
『ブラック・レイン』とは
『ブラック・レイン』は1989年に公開されたアメリカ映画です。監督はリドリー・スコット、出演はマイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作など。その他若山富三郎や安岡力也、ガッツ石松、島木譲二など豪華。
大阪を舞台に、日米の刑事とヤクザとの戦いを描かれています。
うーん、イイ。
ぼくにとっては、最初から最後まで魅力が詰まった間違いない名画です。
あらすじ
良く知られた映画ですので、あらすじは他から流用させていただきます。
レストランで偶然にヤクザの殺人に出くわしたニック（ダグラス）とチャーリー（ガルシア）両刑事は、その犯人佐藤（松田）を日本に護送するが、大阪空港で逃げられてしまう。府警の松本（高倉）の監視下、警官としての権限の無いまま捜査を見守る彼らだったが、佐藤はそれを嘲笑うかの如く、自ら刺客となって二人の前に現れるのだった。
タイトルの意味
この映画のタイトルにもなっているブラックレインとは、原爆投下後や空襲後に発生する煤まじりの雨のこと。
作中、菅井（若山富三郎）がニック（マイケル・ダグラス）にアメリカが戦後日本にもたらした個人主義が佐藤（松田優作）のような人間を生んだと、その個人主義を象徴して「黒い雨」という言葉を用いてアメリカを非難しています。
これを、リドリー・スコット監督が思いついたのだとしたら、これまたスゴくイイと痺れちゃうところです。
『ブラック・レイン』の見どころ
見どころ満載
さて、この『ブラック・レイン』は本当に見どころ満載です。
まぁまず、その豪華俳優陣ですよね。マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作とか、ションベンちびっちゃいます。
そして、日本でまずこの映画を語るときに必ず言われるのは、「松田優作の遺作」だということ。松田優作はこの映画の撮影時に既にガンに侵されていて公開後に急死したことからそのインパクトはスゴい。そうやってみると、その迫真の演技も納得だし、圧倒されます。
脇を固める俳優陣もスゴい。安岡力也やガッツ石松、吉本新喜劇の島木譲二師匠のほか、内田裕也、國村隼、小野みゆきなど個性派がズラリ。ドラマなど俳優を数々やっているガッツ石松は、やっぱりなぜか演技がウマい。
吉本からは島木師匠の他、木村祐一、今田耕司なんかもオーディションは受けたらしいです。今田なんか委縮しちゃって「キミはチャンスを掴まないのか？」なんてことをいわれたらしい。
ぼく的には、ラストのマイケル・ダグラスのサムズアップも忘れられない。日米の価値観の違いから何かとぶつかってきた松本正博を、相棒として認めてるよと示すロング・グッドバイ。カッコよすぎる。
あと、ぼくの場合、この映画といえば“うどん”なんです。
中盤の市場とラストの空港でニックとマサがうどんを食べてるシーンがあるんですが、これ見ると大阪のクタクタのうどんが食べたくなっちゃうんですよね。うどんはコシじゃない！
最後の空港はソバかもしれん。だとしたら、『ブレードランナー』のセルフオマージュか？
その他、いろいろ見どころはあります。もうこれは人によってそれぞれでもありますので見ていただく他ない。
リドリー・スコットが描く大阪
さて、色々書いてきましたが、この映画の一番の見どころは、やはりリドリー・スコットが描く大阪でしょう。ぼくにとっては懐かしい懐かしすぎる1980年代後半の大阪が、リドリー・スコットによってリドリー・スコットしてるんですよね。ネオンギラギラで『ブレードランナー』のようでありながら、あんな風な「トンデモニッポン」ではないところがいいんです。でもちゃんとリドリー・スコット。
このスモークが、リドリー・スコット。みたいな。
十三（じゅうそう）なんかも、リドリー・スコットな十三。これがあの十三！？になっちゃう。
阪急梅田のあたりとか、懐かしい。梅田ダンジョンの入口もしくは出口もあったよね。
ここなんて、何回歩いたかわからんもの。
『ブラック・レイン』のロケが行われているときは、大阪はなんだかフワついていて、夕方のニュース番組とかで「今日はどこどこで撮影してました」とか毎日報道してましたもんね。なんて呑気でステキな時代だったんでしょう。
まぁとにかく、今は高画質で楽しめるので見てない人も見た人も一度見てみたらいかがでしょう。ていうか見ましょう。見ろ。ぼくはアマプラで見てます。
最後に
最後にひとつ。ぼくはこの映画が大好きなんですが、実はこの映画ぼくの黒歴史の一角でもありまして。
この映画公開されたとき高校2年生だったんですけど、待望の初の彼女がぼくにできましてね、最初のデートに誘ったのがこの映画だったんです。なにそのゲンナリするセンス！思い出すたびに穴があったら出たい（出てどうする）。
まぁそんなこんなで色んな意味でぼくにとってはベストの部類に入る映画『ブラック・レイン』でした！
