さぁ、クリスマスですよ。
みんなアレでしょ、プレゼントを贈りあったりクリスマスケーキ食べたりフライドチキン食べたりするんでしょ。
んんん?フライドチキン?なんでフライドチキンなんか食べるの?七面鳥を食え七面鳥を!
とか思っちゃうんですよねぇ。でもわからなくもないんですよねぇ。
なんでクリスマスに七面鳥を食べるの?
クリスマスに七面鳥を食べるのは元々アメリカの風習です。
17世紀に自由を求めてアメリカ大陸に渡った移住民たちは、当然食べるために農業を始めたわけですが、最初の収穫まではなんとかして飢えをしのがなくてはなりませんでした。
そんなときに彼らが捕まえたりネイティブアメリカンからもらったりして食べたのが七面鳥であり、それでなんとか収穫まで食いつないでいたといいます。そして、最初の収穫が終わったあと、お礼としてネイティブアメリカンに収穫した食べ物を差し出し、その中には七面鳥もあったということです。
大げさに言えば、七面鳥があったからこそ移住民たちが生きながらえ、アメリカという国ができたんですね。
そんなわけで、アメリカでは七面鳥は感謝祭や結婚式、クリスマスなどのお祝いの席には欠かせないものとなったそうです。
だからクリスマスは七面鳥食おうよ。でも高ぇよ。
クリスマスにフライドチキン
じゃあ何で日本ではクリスマスにフライドチキンを食べることが定着したのか。
一説によると、日本に住む外国人が「日本ではクリスマスにターキーが手に入らないからかわりにケンタッキーのチキンで祝おう」とケンタッキフライドチキンの店に訪れ、それをヒントにケンタッキー側がキャンペーンをしようと考えたとか言われてたりします。
そんなもんか商売やなーと思ってたら、ケンタッキーフライドチキン(KFC)のホームページではもうちょっといい話が載ってました。イメージ大事。
ある日、店舗近くのミッション系の幼稚園から、「フライドチキン」を買ってパーティーをしたい。サンタクロースに扮装してクリスマス会に来てもらえませんか?との相談を受けました。サンタクロースに扮した店長が会場に入り「メリークリスマス!」の掛け声と、慣れない踊りで場が盛り上がり子供たちは大喜び。次第にいろいろな学校からご注文が入るようになりました。これにヒントを得た営業担当者が『クリスマスにはケンタッキー』を広くアピールしようと考えたのです。
なんかいい話やなーと思ったらやっぱり商魂たくましい。イメージ大事。
まぁつまり、クリスマスにフライドチキンを食べるのは、ケンタッキーのマーケティング戦略にまんまとのってるだけなんです。今じゃクリスマスにはケンタッキーは予約殺到、ファストフード店やコンビニもフライドチキンをアッピールといったザマになってます。
でも、多分要因はそれだけじゃない。
八百万の神々がいるニッポン
どうも日本は宗教や思想が古来以来入ってきやすい。
日本人ってあらゆるものに神を宿してきました。山にだってその山の神がいるし、海には海の神がいる。そのへんに転がってる石ころにすら神を感じる。つまり、色んな神様と親しんでいたんです。
だから、仏さんやキリストさんも容易に日本に入ってこれました。どんな神でもユーアーウェルカム。布教が熱心だったらクトゥルフの神だって迎え入れたことでしょう。
しかも、日本人はやってきた宗教や神様を日本人が咀嚼しやすいように(畏れ多いことに)勝手にアレンジして吸収します。仏教とは何の関係もない「墓」なんてものを勝手に仏教と結びつけてるのがいい例です(これはまた書きたい)。
だから、クリスマスにチキンを食うなんてへっちゃらだし、それ以前に日本の年末年始は神様仏様孔子様などなどの乱れ打ち。クリスマスも除夜の鐘も初詣もお年玉も全部違う宗教や思想からきてますからね。
そこは日本人のいいところですよ。
そんな日本人の気質が、クリスマスにフライドチキンを食べることへの抵抗を皆無にしているといったら大げさでしょうか。
最後に
そんなわけで、日本でクリスマスにフライドチキンが食べられるようになったのはケンタッキーフライドチキンさんの商魂キャンペーンに日本人の気質がウマくのったからだと思うんです。
楽しければいいじゃない!
さて、ケンタッキー行ってチキン買ってこようっと。