アニメ『パタリロ!』の『クックロビン音頭』、知ってます?
あれで殺されちゃうクックロビンて一体何なのか、というお話。
クックロビン音頭
『クックロビン音頭』はアニメ『ぼくパタリロ!』のエンディングテーマとして使われた曲です。『パタリロ!』の放送時間が変わり、『ぼくパタリロ!』と改題されたのに伴ってエンディングとして使用されました。
もともとあった劇中のギャグに詩と曲が付けられてます。
どんな場面でも全員を巻き込んでしまうパタリロのギャグがアニメ化で曲が付けられ、さらに詩も追加されて曲になったということで原作ファンも大喜び(ホンマか?)
クックロビンとは
ロビン(robin)って辞書を引けば分かりますが、英語で駒鳥のことです。
ではそれの頭に「クック」がついたクックロビンとは一体何なのか。
これはイギリスを中心に英語圏で親しまれている伝承童謡『マザー・グース』の詩の一篇から来ているようです。
『マザー・グース』の中に「Who Killed Cock Robin」という14連の詩がありますが、訳詩なんかをみると、「誰が駒鳥を殺した」となってます。その14連のうち、最初の詩がこんなカンジなのです。
Who killed Cock Robin?
I, said the Sparrow,
With my bow and arrow,
I killed Cock Robin.
誰が駒鳥を殺した?
わたしです、とスズメが言った。
わたしの弓矢で
駒鳥を殺した
それはさておき、じゃあクックって何だ?ってハナシになりますが、ニワトリって英語でオンドリをクック、メンドリをヘンと呼びわけたりしますね。それに倣って、オスの駒鳥をクックロビンというようです。
ただし、駒鳥はオスもメスも見た目が変わらず見分けがつかないため、かつてはオスしかいないと考えられていたそうで、だからコマドリがクックロビン。ちなみに、メスの駒鳥をヘンロビンと言ったりはしないようです。
まぁとにかく、クックロビンとはコマドリのことです。
萩尾望都のマンガ『ポーの一族』
じゃあなんで『パタリロ!』の中に『マザー・グース』の詩の一篇がパタリロの必殺ギャグのように登場することになったのか。
これは、萩尾望都さんの傑作漫画『ポーの一族』にルーツがあるようです。
この中に、『マザー・グース』の「Who Killed Cock Robin」を題材にした『小鳥の巣』という一篇があるのですが、『パタリロ!』の作者魔夜峰央さんはその耽美なBLの世界観を揶揄して茶化そうとしたらしい。『パタリロ!』のバンコランとマライヒもBLバリバリですからねぇ。
そしてさらに、「だ~れがこっろしったクックロービン!」というあの独特のモブみたいなものは、魔夜峰央さんのアシスタントさんが所属していた劇団で『ポーの一族』のパロディ劇をやっている際にネタがスベった時に劇団員全員でおこなう一発ギャグのようなものだったみたいです。
加藤諒さんの舞台『パタリロ!』もかくや…!
最後に
調べてみたら割と奥深かったクックロビン。『マザー・グース』の一篇がめぐりめぐって日本のアニメになり、日本の小学生に影響を与える(割と学校で真似してましたw)とは!
そして、どこからでもネタを取り入れて自分の世界観にマッチさせてしまう魔夜峰央さんの才能に割と本気で驚愕しました。
マリネラ行きたい。