今年も7月に土用の丑の日がやってきますね。例の土用の丑の日が。
ウナギ食べなきゃね。ところで土用の丑の日って何です?何でウナギを食べるんです?という疑問は脇に置いといて。
とか言いつつ、ここではそれを脇に置かないで書いてみようと思います。
土用の丑の日って?
土用?
まずは土用って何かってところからいきましょう。
土用ってのは元は中国の五行思想です。木、火、土、金、水でこの世の全ては成り立っているというヤツですね。
その昔、季節を五行思想で考えるのに、春=木、夏=火、秋=金、冬=水と当てはめたのですが、土があまっちゃいました。
おい土どうすんだ?というところですが、別にコジツケも何もなく、ただ単にじゃあ季節の変わり目に当てはめちゃおう、とか言ってそれを土用と名付け、さらにそれは18日間ということにしました。重ねて言いますが、理由はないようです。
だから、季節の変わり目18日間を土用と今日も言っているってわけです。夏から秋の季節の変わり目は当然立秋ですから、立秋の前の18日間を土用といいます。
丑の日?
言うまでもなく、丑とは干支の丑です。
今でこそ干支なんて年賀状を書くときに思い出す程度ですが、ご存知のように、昔は時間や日にちや方角を表すのに干支を使っていました。
土用の18日間のうち、丑の日に当たる日がすなわち“土用の丑の日”になるわけですね。
土用の丑の日にウナギを食べるわけ
江戸時代、夏になるとウナギ屋さんは「このクソ暑いのにあんなにコッテリギラギラしたモンが食えるか!」と言われて困っていました。
そもそもうなぎの旬は冬ですし、みんなが言うように夏はサッパリしたものが食べたいもんですよね。
「うーん困った困った。どうしよう」と悩んだウナギ屋さんは、有名なイカれた発明野郎、平賀源内に助けを求めます。
「どうにかなんねぇ?」と言われた源内は考えます。
“う”が付く食べ物をたべたら夏負けしない!
「丑の日に“う”の字がつく物を食べると夏負けしないって言うよな。ウナギも“う”がつくよな」と考えた源内は、「『本日丑の日』ってかいた大看板を店の前に出しとけ。デカいやつだぞ。何か聞かれたら『“う”のつくもん食ったら夏負けしねぇっていうだろ』ってだけ言っとけ」とウナギ屋に言い、店に帰ったウナギ屋は言われたとおりにしました。
そのとおりにしたウナギ屋は「そういえばそうだ」と入ってきた客で大繁盛をして、それを見たほかのウナギ屋も真似をして土用の丑の日にウナギを食うという風習が広まったとのことです。
以上の話は青山白峰という人が著した『明和誌』という書物の中で紹介されています。
あと何日?カウントダウン!
他にもうひとつ説があって、「土用丑の日まであと○日」とカウントダウンをしたというものです。
「おい店主。『土用の丑の日まであと何日』って張り紙出して、毎日張り替えとけ。それだけでいい」
いぶかしんだウナギ屋ですが、言う通りにすると店の前を通る人が言うのです。
「なんでぇこの張り紙は。土用の丑の日まであと5日だぁ?わかってらいそんなこと」
「おいおいまだ貼ってるのか。あと4日?わかってるっての」
「……まだ貼ってる。あと3日…。何かあるのか…??」
「いよいよ明日だ。何だろう。ワクワクしてきた」
「おーい!来たよー今日だぜー何何!?ウナギ!?食べる食べるー!!!」
ってなったかどうか知りませんが、そのほうがより大衆心理が働いて当日にウナギ屋を目指す人が増えたかもしれませんね。
最後に
つまりは、平賀源内の考えたキャッチコピーにみんな踊らされて夏のクソ暑いときにコッテリしたうな丼とかをいまだに食べてるんですねぇ。
江戸時代のキャッチコピーがまだに生きてるのはすごいことですが、うなぎが高くなる、食えなくなるかもというとかわりに豚の蒲焼だ、いやナスだ、とか言ってましたし、コンビニとかでは夏以外の土用の丑の日にもウナギを販促しようと言う動きもあるそうです。
いつまで平賀源内に踊らされてるんでしょうねぇ。商魂たくましいのは結構ですけどね。
埼玉県川越市の『いちのや』で極上のうなぎを食ってきたった! - コバろぐ