さて、節分ですね。節分と言えば豆まきですが、今ではそれ以上に恵方巻だったりします。
いつのまにやら定着しちゃった恵方巻。
恵方を向いてかぶりつけとは言うけども、今年2023年の恵方はどちらやら?
恵方巻とは
恵方巻というのは、節分に食べると縁起がいいとかいう太巻き寿司のことで、その年の恵方に向かって無言でかぶりついて食べるとされています。元々は大阪周辺の風習ですけどね。
恵方巻の起源
これはもう信憑性のない諸説が乱れ飛んでいます。
一番言われているのは、豊臣秀吉の家臣・堀尾吉晴が節分の日にたまたま巻き寿司を食べて出陣したらたまたま大勝をあげ、その縁起担ぎ、という説ですが、そもそも板海苔が江戸時代にならないとないわけで、堀尾吉晴が食べたのは「巻き寿司のようなもの」であって巻き寿司じゃないです。
そのほか、江戸時代に大阪の商人が商売繁盛を願って「幸運巻き寿司」なるものを食ってただの、節分の日にたまたま巻き寿司を大勢で食べようとした団体が切るのがメンドくさいから丸かぶりしただの、色々ありますが、立証する史料があるわけではなく、信憑性はありません。
戦後の展開
戦後になると、1949年に大阪の鮮商組合が戦前の風習「節分の丸かぶり寿司」の風習を、土用の丑の日の鰻に対抗して販売促進のために復活させようとしたり、1973年に大阪海苔問屋協同組合が寿司屋で「幸運巻き寿司」を販促キャンペーンし、ポスターを寿司屋に貼ったりして海苔屋さんたちの涙ぐましい努力によって徐々に知名度が上がってきます。それはあくまでも関西で。
全国的に知名度が上がったのは、やはりコンビニですね。セブンイレブンが1989年に全国で初めて仕掛けました。1月、2月はどうしても売り上げが落ちるらしいのですが、その時期の販売イベントとして注目されたわけです。
恵方ロールっていったい…
現在は、恵方巻はすっかり定着し、便乗商品もいろいろ生まれてきています。まったく、たくましい商魂です。
中華や洋風の巻き寿司はまだ寿司の体を保っているからまだしも、ロールケーキとかトルティーヤとか、さらにはポッキー、プリッツ、コロンまで、なんでもござれな便乗商品。意味わかんない。
もっとどうしようもないものとして、普通のチョコバーの包装だけ「節分」「丸かぶり」とか印刷して売り出してるヤツもあります。
もう節分関係なくなっちゃってる!だいぶ前から節分関係なくなっちゃってる!
長いポッキーを恵方に向かってかじってるなんて、微笑ましいというか、阿呆というか。
2024年の恵方
まぁそれでも、みんなと同調して足並みがそろうのは日本のいいところ。
というわけで、今年も恵方を向いて恵方巻を食いましょう。さて、今年2023年の恵方はどちらかと言いますと!
2024年の恵方は、ズバリ「東北東のやや東」!全然ズバリじゃないけど!「東北東のやや東」です!東北東のやや東!?つまり、ほぼ東です!
お間違えのないようにお願いします。
最後に
ステキな風習ですよ、ハイ
クリスマスとはバレンタインとか、この恵方巻とか。こういうのにすぐ乗っかっちゃう微笑ましい日本人の特性によって、商売は成り立っているのです。
まぁまぁ、わざわざ「そんなん違う!」とか目くじら立てずに、こういうのは乗っかっちゃって皆と一緒に踊っちゃえばいいんじゃないの。ほれほれ。