先日、ミスタープロ野球でスーパースターの長嶋茂雄さんが亡くなりました。
この訃報に伴って、ネットではどこからともなく「背番号3を全球団永久欠番にすべきでは?」なんて話が上がってきてました。
「まぁ、それにふさわしいっちゃふさわしい」とは思うものの、個人的には「そんなことせんでも…」と思ってます。
それ、必要ですかね?
永久欠番
そもそも永久欠番とは何かと言いますと。
永久欠番(えいきゅうけつばん、英語:retired number)とは、背番号などを使用するスポーツにおいて、多大な功績を残した人物の使用した背番号を、その人物の栄誉と栄光の歴史を末永く称えるために、団体内で対象となった人物のみが使用できるように欠番にした番号をいう。
引用元:永久欠番 - Wikipedia
まぁ大活躍したスターの背番号をつけるなんて畏れ多いですから、欠番にしちゃえ!というのが本音のような気がしますけども。
その辺、日本プロ野球の永久欠番についてはかつてまとめてみました。
そんなわけで、読売ジャイアンツにおいては長嶋茂雄さんの背番号3はすでに永久欠番となっています。
MLB全球団永久欠番42
各球団で永久欠番を設けてその栄光を残すことは当然として、それを全球団共通にする必要はあるんでしょうか。
ご存知の方も多いかと思いますが、MLBでは全球団永久欠番の背番号があります。
それは、42。
かつてドジャースのジャッキー・ロビンソンという選手がつけていた番号です。
ロビンソンは有色人種排除の方針が確立されていたMLBで、アフリカ系アメリカ人選手としてデビューし活躍し、その後の有色人種(特に黒人)のメジャーリーグ参加への道を切り開きました。
それはただのいち野球選手としての価値だけでなく、アメリカの歴史において非常に価値があるということで42は全球団永久欠番となっています。
背番号3の全球団永久欠番は必要か
そんな話があるから、今回の長嶋茂雄さんの背番号も全球団永久欠番とすべきでは?と思う人がいることも当然っちゃあ当然でしょう。
長嶋さんはプロ野球界へ多大なる貢献をしただけでなく、日本の戦後の経済成長のシンボルとなったのもまた事実だからです。
しかし、ロビンソンの背番号が永久欠番だからって、長嶋さんの背番号もそうします?全球団永久欠番って必要?
だって、だいたいの球団においてその番号を背負った選手はいるわけで、例えば広島東洋カープの背番号3といえば絶対に衣笠さんでもちろん永久欠番になっています。それを押しのけてそういう風にするのはどうなんでしょう。
そもそも、ロビンソンの背番号42だって現代の白人アメリカ人のマッチポンプみたいなもんじゃないですか。「我々は有色人種をもはや差別しないのだ。その道を苦労して歩んだロビンソンはすごい」とか自画自賛したいだけじゃないの後ろめたいから。だって42が全球団永久欠番になったのって割と最近ですよ。42をつけてたヤンキースのクローザー、マリアーノ・リベラが引退してからです。
つまり、最近の風潮でもって全球団永久欠番というのは出来ました。そのことによる何かの計算がうっすら見えて、なんかイヤなんですよねぇ。
最後に
だから、ぼくは全球団永久欠番というのはいらない派です。
もちろんこれは、ジャッキー・ロビンソンさんや長嶋茂雄さんの功績にケチをつけるものではありませんし、長嶋さんの背番号の重さは全球団永久欠番にしてもいいほどの重みがあるとは思ってます。思ってますけど、いらないなぁ。