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『風雲児たち』幕末編29巻をやっと読んだ。丸々一冊寺田屋騒動!

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『風雲児たち』幕末編の第29巻をやっと読みました。

風雲児たち 幕末編 29 (SPコミックス)

読みたい読みたい読みたいいいいいい!と思いつつ、発売されてから半年以上経っちゃって何やってんの、というカンジですが。

『風雲児たち』とは

は?『風雲児たち』とはなんぞや?という人もいるかも知れないんですが、そんな人には僭越ながらこのブログの記事を。

“大河ギャグロマン”と銘打たれたこの漫画は、コミックトム(希望の友、少年ワールドという前身漫画雑誌あり)という漫画雑誌で連載していました。コミックトムと言っても、知ってる人はそうそういませんが(僕のまわりではゼロ)、なんと、あの横山光輝先生の『三国志』が連載されていた雑誌です。そして、この『風雲児たち』も同時期に連載されていたのです。なんかスゴい。

さて、この『風雲児たち』、作者のみなもと太郎氏によれば、もともと幕末を描きたかったとのこと。だから、関ヶ原から始まります。大変正しいですね。関ヶ原前後における、薩摩、長州、土佐を知らなければ、幕末なんぞ到底分からないですから。

連載が始まったのが1979年、もうすぐ40年になります。幕末を描くために関ヶ原から描くという大変正しいことをしたため、やっと40年かけて幕末に入ってきました。

ギャグ満載なれど江戸時代を知るには絶対に教科書よりも役に立つ、ぼくはもうこれは“歴史書”だと思ってます。

ぼくが歴史好きになったのは、『信長の野望』とこの『風雲児たち』のおかげです(ゲームとマンガかよ)。

ちなみに、三谷幸喜さんの脚本でドラマ化され、2018年のお正月に放送されるので、それで知ったという人も多いみたいですね。

『風雲児たち』幕末編 29巻

さて、関ケ原から始まった『風雲児たち』、そののち坂本龍馬を主人公にした『雲竜奔馬』を挟んで2001年から始まった幕末編と長く長く描かれてきた江戸時代。この29巻に至ってやっと寺田屋騒動まで来ました。

ちなみに寺田屋騒動とは、文久2年4月23日(1862年5月21日)薩摩藩尊皇派が薩摩藩主の父で事実上の指導者・島津久光によって鎮撫された事件です。結果的に薩摩藩士同志で斬り合いになっちゃって薩摩の凄まじさが際立つ出来事ではあります。ここでは詳しく書きませんが、幕末史を知るには重要な出来事のひとつです。

そしてこの寺田屋騒動を描くのに丸々一冊使っちゃってるのがこの29巻なのです。

有馬新七たちが寺田屋に行く1862年4月下旬から島津久光が江戸へ下向する5月下旬までを詳細に描き切る一冊。

なので、ものすごい血生臭い。

感想など

とにかく寺田屋騒動で一冊なので、血生臭い殺戮が繰り返されることとなります。読んで思うのは「薩摩人怖ええええ」ということのみかも。

オノレの志のために暴発しようとする志士たちと、それを“主命”で慰留しに来た鎮撫使。話し合いでの解決を最優先だとみんなわかっててもだんだんみんなの闘志がフツフツと沸き上がっていくのです。両方とも薩摩人だから。

片方は志のために、もう片方は主命のために。お互いの言うことが分かっていても、現状の自分の拠り所の違いで相いれない両者。命を軽んじ潔く死ぬことが誇りの薩摩人が自分以外のもののために激突してしまいます。

作者のみなもと太郎さんが描きたかったのはきっとそういった薩摩人の“気質”なんだろうと思います。『風雲児たち』を最初から読んでいればみなもと太郎さんの薩摩好きは感じ取れますからね。

そして、この29巻はその薩摩の凄まじさ、狂気を感じ取ればいいんじゃないかな。え?それだけ?と言われるかも知れませんが、これを読んで薩摩の気風に思いを馳せれば、どっと疲れが出て頭が回らないのです。

最後に

それにしても、やっと『風雲児たち』も寺田屋騒動まで来ました。このあとは、もしかしたらみなもと太郎さんがもっともっと詳しく描きたくなる出来事が目白押しなんですが、最後まで描ききれるんでしょうか。

今年御年確か70歳。お体に気をつけて描き続けて欲しいものです。