三国志に登場する人物の中で、ぼくが好きなのはめっちゃくちゃ強い呂布のような武将や、めっちゃ頭が切れる賈詡のような謀将だったりするんですが、クズなやつもめっちゃ好きです。
その中の代表格と言っていいのが、今回ご紹介したい潘璋(はんしょう)。
ゲームの中ではちょこっと武力が高いけど使いようがないような能力だったりする彼ですが、なかなかどうして、もしかしたら呉では最強なんじゃないかというくらい強い武将だったんですよね。そしてかなり人となりに問題があった。
ぼくはどうにも彼の悪くて強いところが大好きで、『三國志 覇道』では自分のアイコンにしていたりします。
見てこの悪くて強くて悪そうな顔!何なんその鎖!?
クズで強い潘璋
潘璋は、孫権がまだ15歳のときに仕えました。
孫策がまだ健在で勢いを増していて4年後に暗殺されるとはだれも思ってない頃ですから孫策に仕官を願っても良さそうなのに、あえて孫権のところに行ったのが面白いですよね。もしかしたら先見の明の持ち主だったのかもしれません。
割とクズな潘璋
潘璋は孫権のもとでメキメキと出世していったんですが、それは孫権に非常に愛されたからなんですが、孫権が彼のどこを愛したかというと、その豪胆な性格を愛したそうです。
潘璋はかなり気ままな性格で酒が大好きで、貧しかった若いころは悪びれもなくつけで酒を飲み、出世したら返すと豪語していたそうです。そういうところを孫権は愛したというんですが、こんなの豪胆じゃなくてただのクソですやん。
出世してからもその性格は治らず強欲で金に執着するところがあり、豊かな役人や兵士を平気で殺して金品を没収するとかやってます。ひどい。
役人はこのことを何度も上奏しましたが、彼を愛する孫権はその功績もあっていつも罪を問わなかったと言います。潘璋も潘璋なら孫権も孫権です。クソ主従。ひどい。
かなり強い潘璋
しかし実際に、孫権が遠慮するほど潘璋の功績は大きいのです。だから出世できたんですけど。
その功績を順を追って見てみましょう。
対山越、対劉表
まず、潘璋は孫権に募兵を命じられるんですが、そしたら兵はみるみるうちに集まったそうです。やっぱり潘璋には人を惹きつける何かがあるんでしょう。
募兵に成功した潘璋はそのまま募兵に応じた兵たちの部将となり山越征伐で功績を挙げます。
これが皮切りとなり、劉表との戦争に勝利してさらに反乱を鎮めて潘璋は出世していきます。反乱制圧のときなんかは逃げた人民を呼び戻して制圧に出かける前よりも大人数で凱旋してきたといいますから、潘璋はやっぱり人を惹きつけるものをもってるんですよね。
この功で潘璋は武猛校尉に出世します。
合肥の戦い
次に潘璋が活躍するのは合肥の戦い。
張遼を大将とする魏軍に見事に呉が負けた戦いでしたが、潘璋は軍の一番後ろに居て張遼に怯えて後退してくる兵を叱咤鼓舞し命令に従わない兵は斬り殺しました。そして、そのお蔭で呉軍は体制を立て直すことができましたのです。
この功で潘璋は偏将軍になります。
蜀との戦い
そして219年、関羽討伐。
呂蒙のもとで関羽の退路を断つ任務を請けた潘璋は、部下の馬忠が関羽・関平・趙累を生け捕りにする功績を挙げたため、振威将軍に任命されます。
さらに潘璋は、関羽の弔いのために劉備が襲撃してきた夷陵の戦いでも活躍して陸遜とともに劉備を破り、この功で平北将軍・襄陽太守になります。
呉の最強武将?
いかがでしょう潘璋の戦績と出世っぷりは。張遼や関羽、劉備と渡り合ってしかも勝ってるんですから、出世するのも当たり前ですが。戦に負けたって記録が全然ないのもスゴい。
その、名だたる名将に引けをまったくとらない戦運び、呉に黄蓋や甘寧などの名将軍は数々居れど、潘璋ほどの功績を上げた武将は他にはいないんじゃないでしょうか。
その強さに加え、孫権に愛され部下や兵にも慕われるという謎の魅力も併せ持ってるのも面白いです。
ん?待てよ。
その強さ、そして人望…。
これはもしかして、潘璋こそ呉の最強武将である、と言いきっていいんじゃないでしょうか。
最後に
どうです、ぼくが潘璋を好きな理由をすこしは分かっていただけたでしょうか。
しかし、『三国志演義』ではやっぱりパッとしない武将なんですよね。全然目立ってない。
だから知名度が上がらないんでしょうけども、もっとみんなに注目していただきたい武将です。なんたって、呉の最強武将なんですから!