みなさんの周りに、小雨が降ってて自分が傘を持ってないときに「春雨じゃ、濡れてまいろう」とか言うオッサンはいないでしょうか。オッサンは言わないか、ジジイか。
とにかく、このフレーズを聞いたときに「何言うとんじゃ、このオッサンは」とか思わないであげて欲しい。
このセリフには、ちゃんと元ネタがあるのです。
月形半平太の名セリフ
このセリフは、行友李風(ゆきともりふう)の戯曲『月形半平太 (つきがたはんぺいた)』の中で出てきます。
『月形半平太』は長州藩士・月形半平太の剣と恋の物語で、主人公月形半平太は土佐の武市半平太(武市瑞山)がモデルとなっています。大正8年京都明治座で新国劇の沢田正二郎が演じてこれが当たり役となり、「春雨じゃ、濡れて行こう」は名セリフとして知られてゆくことになります。その後、割と多くの映画化されたりしてるので、ある程度年齢を重ねている人ならば、今でも知ってる人は多いでしょう。
で、この「春雨じゃ、濡れて行こう」というセリフは、幕末の京都の三条河原で主人公・月形半平太が春雨の中傘を差しだしてくる舞妓に放たれるものです。
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傘さしてるやん?
まぁ、イメージアイテムみたいなもんですか。
春雨は傘いらず
あ、春雨って春の雨のことで、アレのことじゃないですよ。
春雨は、春にしとしとと静かに降る雨のことです。
わかっとるわ、ってカンジですけど。
まぁ確かに、春雨は霧のようなもので傘なんか役に立たないもので、傘を差したって無駄なところがありますから、わざわざ傘を差すのはめんどくさいものです。
カッコいい半平太
昔の人は、そんな雨を感覚で楽しむところもあったんでしょうか。粋というか、オツというか。
そんな習慣があるにせよ、ぼくなら「あーめんどくさい。傘を差すまでもないのに絶対濡れる。なんやこれめんどくさい。キーッ」となって、そうやってイライラしてるときに傘を出されようもんなら「アホかお前。そんなん役に立つわけないやろ。いらんいらん」とか言っちゃうところを、「春雨じゃ、濡れていこう」とかサラっといっちゃう半平太はカッコいいですね。
まぁ、実際にそんなやつが隣にいたら「なんやこいつ。ウザったいやつやな」って思っちゃいますから、ぼくはどこまで行っても野暮ですね。すんません。
最後に
そんなわけで、「春雨じゃ、濡れて行こう」は、昔の流行語みたいなモンです。
オッサンやジジイは一生懸命そういう言葉を使いたい生き物で、さらに情報のアップデートは苦手なので、これを言っている人を見かけたら蔑んだりせず温かい目で見守ってあげてください。