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自信を持ってオススメする歴史エッセイまとめ

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最近、歴史エッセイばっかり読んでます。ブログに割く時間が増えると必然的に本を読む時間が減り、小説をコマ切れに読むのも味気ないのでエッセイに寄っていってしまってます。

でも、歴史エッセイはサクッと読めていろんな歴史的な考え方に触れられるので割とオススメなんです。

なので、実際に読んで面白かったやつをまとめてご紹介したいと思った次第。

目次

コバヤシマサキが自信をもってオススメする歴史エッセイ

『歴史の中の日本』司馬遼太郎

さあ、いきなり司馬遼太郎です。ベタです。

『歴史の中の日本』は、司馬さんがあちこちの雑誌や新聞に寄稿した、日本史の小話から作品を書いたあとの心境、さらに日々の日常を書いたエッセイまでがガッと一冊にまとめられている一冊です。

「大坂城の時代」という稿は、これを読むと大坂の陣を描いた作品のタイトルが、何故『城塞』なのかがわかります。これだけでも読む価値ありますよ。「白石と松陰の場合」では、“学問というのは、態度なのである”の一文に、何度読んでも感心しきり。この二篇が特にぼくのお気に入りです。

歴史以外のエッセイも面白く、特に「私の愛妻記」は秀逸。奥さんの福田みどりさんとの馴れ初めから結婚後の生活を赤裸々に書いちゃってます。この稿の文は、著者の照れがそのまま滲み出ていて、“司馬遼太郎の文”としては、他では見れない文体かも知れませんよ。ほのぼのとしていて可愛い文章なのです。

歴史の知識に感心して吸収しつつ、司馬氏の意外な一面に触れられる、ステキな一冊。司馬遼太郎ファンは是非読んでいただきたい。しかしファンは紹介するまでもなく既に読んでるか。

『歴史と風土』司馬遼太郎

もう、何回読んでもなるほどなぁウンウン、と頷くしかない内容。視野を広くして歴史を眺め、それを頭の中にある事実と絡め、真実であろうことを浮かび上がらせる司馬さんの手法がスゴイ。と毎回ながら思います。

「日本、中国、アジア」「関ヶ原私観」「中央と地方―いわゆる都鄙意識について」少なくともこの3編は日本人なら必ず読んでおかないとダメだと思う。せっかく、ここまで丁寧に教えてくれてるんだから、ちゃんと消化して日本人としてキッチリしましょう。

歴史的に何かがある土地をその歴史を通して見ていってズバッと本質を読むものの頭に突き立てる、その司馬さん独特の手法が光る一冊です。

『男の系譜』池波正太郎

池波正太郎さんが、歴史上の人物について語った言葉の数々が収録されているこの本、ハッキリ言って面白いです。

取り上げている人物は以下のとおり。

織田信長・渡辺勘兵衛・豊臣秀吉・真田幸村・加藤清正・徳川家康・荒木又右衛門・幡随院長兵衛・徳川綱吉・浅野内匠頭・大石内蔵助・徳川吉宗・井伊直弼・徳川家茂・松平容保・西郷隆盛。

有名どころです。歴史に興味ない人でも知ってるであろう人たちです。しかし、これらの知ってるつもりの人物でも、独自の視点で語りつくされていて、新発見がいっぱい。

池波さんは「人間とは生まれた日から死ぬ日へ近づいていく」という前提のもと「それぞれの人物が男としてどう生きたか」をそれぞれの行動、思考を分析し、現代人と対比しながら語っています。現代人と対比といっても書いた当時なので今現在からみるといささか時代錯誤的なものに見えてしまうんですけど、それでも面白い。

『戦国と幕末』池波正太郎

エッセイですけど、歴史の入門書として十分な内容。それぞれの事例をわかり易く語りかけてくれるような形です。

時代ごとに3つのパートに別れていて、それぞれ『関ヶ原と大坂落城』、『忠臣蔵と堀部安兵衛』、『新選組異聞』となっています。その事のみが書かれてるわけじゃなくて、それぞれの時代(戦国、元禄、幕末)についての内容が書かれています。

特に幕末の人物エッセイのチョイスが面白く、伊庭八郎とか真田幸貫とかシブすぎ。

一番面白かったのは『福島正則と酒』。福島正則の酒に関する粋な行動が書かれているのですが、当時は、彼ほどの粗忽なヤツでも最低限これくらいの人間だったんだなぁといったカンジ。さわやかで粋。福島正則を見直しましたよ。

全体的に初めて歴史に触れるようなまっさらな人向けなカンジですが、池波さんにしては読み易いので、読んでみたらいかがでしょうか。

『毒舌日本史』今東光

今東光という和尚が自由に語る日本史。それは和尚の歴史観そのもの。

古典から、しっかり自分で歴史を咀嚼して自分のモノにしている和尚から繰り出される歴史のトピックは、今でも十分すぎるほど新鮮です。

それらを語りながら、日本人と宗教とのかかわり、それを元にした日本人の意識やモラルにまで突っ込んで話を展開していきます。歴史を知る(学問としてではなく)、ということはどういうことか、この本を読んで和尚に教えてもらった気分です。

最初から最後まで、興味深い話が満載で一気に読めてしまいますよ。歴史に対する自分の仮説や考察を持ってる歴史好きは、読んでみるべし。自説と違っても、得るものは多くあるはずだから。

ただ、和尚の語り方で嫌悪感を抱くヒトもいるだろうなぁ。

『義、我を美しく』池宮彰一郎

『島津奔る』『遁げろ家康』などの著者、池宮彰一郎さんのエッセイ。ボリュームもそんなにないから、最初から最後まで一気に読んじゃいました。しかし、ボリュームが無いといっても、重厚感はたっぷりあります。なんかどれを読んでも心にズッシリくるというか、そんな感じ。

長く映像の世界にいらっしゃった人で、ならではの視点から時代劇に対してする“ダメだし”は面白い。そこまでしなくてもいいんじゃない、とも思うが、正しい過去を正しく伝えることはおろそかにすべきではない、という立場ですね。

そんなことやら何やらが書いてあるのですが、一番印象に残ったのが「歴史小説における史実と虚構」という稿。同じ世代として、司馬遼太郎の小説群を凌駕する小説を書こうとしなければならない、司馬史観を打ち破らなければならない、という使命感はその対象があまりにデカいゆえ悲壮感さえ漂っていますが、その使命に決して負けていない著者の意気込みはスゴすぎ。

だから、作品が独特であり、面白いんだなあ。

ちなみに、池宮さんの小説の中で俺の一番のお気に入りは『島津奔る』。「天下統一後の不況」「島津義久の妬心」なんてなかなか気付かないですよね。そこにクローズアップできた秘密がわかったような気がします。

『史林有声』陳舜臣

この本は、陳舜臣さん渾身のエッセイ集です。中国歴史を骨格にして、人物エピソードから中国の書、陶器、食などを分析し、紹介していただけます。

特に印象深いのは、日中関係の歴史と今現在の状況、香港返還についての記述。中国と日本どちらにも縁があり造詣が深い、著者の立場ならではの視点で書いています。

さらに、アヘン戦争については度々書かれていて興味深い。一般的には、教科書で、そういうことがあった、としか書かれていませんが、特に中国にとっては、重要な事柄であることが読めば理解できると思います。

そんなこんなで、歴史をひも解き、考える楽しみを十分に与えてくれる一冊でございます。

『史記の風景』宮城谷昌光

中国の歴史を題材にした小説を多数発表している宮城谷昌光氏の『史記』についてのエッセイ、随筆。

『史記』といえば、司馬遷が書いた中国の歴史です。まぁ、なかなかドラマチックなんですが、超古代からずっと見て行ってるので読むのはなかなか苦労するんですよね。国数、人物数ハンパないっスから。読むのは大変ですけど、その中には現在の日本でも生きてる故事成語、諺なんかも無数にあるから、読んでてとても為になったりします。為になるけど、やっぱり大変。

そこでこの『史記の風景』。

数々のエピソードやらなんやらの中から、ピックアップしてスッと読ませてくれます。 喪服とか靴とかの始まり、名と字(あざな)について、などなど古代中国人の生き方、考え方が分かりやすく書かれいます。

『史記』を読みたいけど敬遠してる人なんかは、このエッセイから入っていくのもアリじゃないでしょうか。

『たけしの20世紀日本史』ビートたけし

ビートたけしさんが、日本の子供たちに反日を教えようとする阿呆で下衆な歴史教科書の代わりに、日露戦争から現代までを教えてやろうというスタンスの本でした。現代といっても1998年に出版された本であり、ちょうど麻原彰晃が捕まったときであるから、オウムについても言及されています。「国の両輪、政治と経済がそれぞれ勝手に分かれて動き出し、とうとう股がひらきまくって倒れた先にオウムがいた」とか、ウマいこというなぁ。

その他、太平洋戦争を麻雀や将棋に例えたり、常にわかり易い。

検定される歴史教科書には絶対書けないことがあるとすれば、この本にはそれが正しくそのまま書かれているんじゃないか、と思ったり思わなかったりします。

ちなみに、自身の『フライデー事件』については言及されてない。そりゃそーだ。

最後に

こんなカンジです。

まだまだ読んでない歴史エッセイもワンサカありますので、読んで面白かったらドンドン追記していきますね。

ていうか、西洋史・世界史のも読まないとなぁと思いました。ガンバリマス。