これは、まだ長男が小学5年生だったころの話です。
NHKの教育テレビ(今のEテレ)で『北風小僧の寒太郎』って歌があるじゃないですか。あの歌が小学校で放送するのを禁止されたことがあるんです。当時 放送委員だった長男の情報ですから間違いないと思います。
そのとき、ぼくは無性に腹が立ったんです。今回はそのことを書いてみようと思います。
『北風小僧の寒太郎』とは
NHKの番組『おかあさんといっしょ』にて歌われ、その後『みんなのうた』で1974年に初登場した楽曲です。作詞の井出隆夫さんが「子供の演歌もあっていいのでは?」と言われたときに当時ヒットしていた時代劇ドラマ『木枯らし紋次郎』のパロディとして詞を書いて福田和禾子さんが作曲しました。
YouTubeに『みんなのうた』初期の堺正章さんが歌うバージョンがあったので貼っときます。
学校で『北風小僧の寒太郎』禁止令
で、この歌が小学校で禁止になった。なんで?と思いません?問題ないですよね。その理由がこうです。
カンタロウくんという子がいて、ヤイヤイからかわれちゃうから。
ナニソレ?って思いません?
子供ってモンは残酷なモンで、平気で人をからかったりします。カンタロウくんも、『北風小僧の寒太郎』が学校で流れたりすると、あの繰り返しの掛け声のところで「かんたろー♪」とか言われたりするんでしょう。もしかしたらイヤな気分になるかも知れません。
でも、だから放送しないってのはどうなの?
禁止にする理由
例えば、そのカンタロウくんや、その保護者から言われたならわからんでもないです(それでも阿呆な話だけど)。
しかし、今回はどうやら学校の判断でそうしたらしい。当事者に「ヤメロ」と言われる前に放送を禁止しました。
その理由はなんなのか。
恐らく、問題になったら困る、とかいう話でしょう。からかいがいじめに発展するのは良くあることですから。そして、問題になったら自分らの立場が、と校長以下先生方はそう思ったはずです。それしかないですもん。
「カンタロウくんがかわいそう」というのは建前ですね。本当は、「カンタロウくんがかわいそうになったら、ワシらがかわいそう」でしょう。
自分らの仕事を避ける学校
もちろん、いじめを芽の段階で摘み取るという考えは当然です。動機がダメなんです。
不用意な一言が他人を傷つける、悪意なくてもこっちが気にすることをズケズケ言われて不快になる、なんてオトナになって“世間”に出たら、良くあることです。ありすぎるほどです。
それを教えるチャンスじゃないか!
“教育”をするチャンスじゃないか!
それを我が身かわいさで仕事を放棄する学校。そんなの教育機関とは呼べないでしょ。
「わが身可愛さで事なかれ」の社会に未来はない
現に、そうやって何も教えられないままの人間が“世間”に出て来て、いろいろ問題起きてるんじゃないですか?教育の放棄の結果がそれなんじゃないですか?
そしてまた、その人間の中から名前だけの「教師」が出て来て、それらがまた、「教育をしない教育」を施すのです。悪いほう悪いほうへ転がっていくのです。
もう、その実例も出てきているのに、それに気付かないか、気付かない振りをするオトナたち。
ダメだろそんなんじゃ!と当時小学生の長男に向かってまくし立ててキョトンとされました。
とにかく腹が立って腹が立ってしょうがなかったです。今でも思い出したら腹立ってきますね。
みなさんはどう思います?