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和製レイピアである水口レイピアを知ってあれこれ考えた

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いつものように「さて、ネタ探しするかな」なんてネットを彷徨ってたら、何だか(ぼくにとって)すげぇニュースを見つけまして。これなんですけど。

「ん?秀吉から拝領?十字型洋剣って何だ?」と思って読んでみると「水口レイピア」とかいう単語が目に飛び込んできたんです。

え?レイピアって?あの?

レイピアとは

レイピアといったらファンタジーRPG好きな人なら武器屋で見かけたことがあるでしょう。実際に装備した人もたくさんいるでしょう。要は、中世ヨーロッパの武器ですよね。

レイピア(rapier)は、細身で先端の鋭く尖った刺突用の片手剣。16-17世紀頃のヨーロッパで主に護身あるいは決闘の際の武器として用いられた。

引用元:レイピア - Wikipedia

有名なのは、『ファイアーエムブレム』のマルスが持ってる、調子にのって使ってると壊れちゃってプレイヤーがのちのち困っちゃうアレでしょうか。その、レイピアです。

まぁそんなことはどうでもよくて、つまりレイピアは中世ヨーロッパに見られる武器ということです。

水口レイピア

レイピアについて踏まえた上で、改めて今回見つけた記事について。

滋賀県甲賀市水口町の藤栄神社に伝わる十字形洋剣「水口レイピア」が、約400年前にヨーロッパ製のレイピア(細形洋剣)をモデルに国内で制作されていたことが分かった。

水口レイピア レイピア
(画像掲載元:「秀吉から拝領」伝承の十字型洋剣、400年前に国内製造が判明 : 京都新聞

どうやらこの「水口レイピア」は日本国内、ていうかアジアで唯一のレイピアだということです。そして、戦国武将の加藤嘉明(かとう・よしあきら)が豊臣秀吉から拝領したという伝承があるとのこと。

そんなレイピアが、研究でどうやら国産だということがわかったらしいです。

 共同研究は東京文化財研究所の小林公治氏ら国内外の専門家グループが6年前から実施。その結果、17世紀前半のレイピアを基に国内の技術を結集して制作された精巧な模造品とみられることなどが判明した。

すごい、つまりは「和製レイピア」だということですね。

こんな言葉、ある?

すごい言葉ですよ「和製レイピア」。歴史好きファンタジー好きとしては、妙に心がザワザワしてくる響きですよ。

「水口レイピア」すげぇ。

そして、この6年間の研究について、NHKがWEBでまとめたページを公開しました。

つかと剣をネジでつないでる、鋳造の仕方が日本式、とか。

当時、ネジは鉄砲鍛冶が持っていた技術ですから、職人の好奇心と意地が和製レイピアを生み出したとか考えると、やっぱりワクワクしませんか。

大航海時代と日本人得意ワザ、そして水口レイピア

ここからは、このニュースをみて思ったことをつらつらと。

こういうのは色々と妄想するのが面白いもんですから。

大航海時代と織田信長

戦国時代、地球全体でうねりを上げていた大航海時代の波は日本にも存分に押し寄せてきてたわけです。そして、それを敏感に感じ取っていて利用したのが織田信長です。

信長は、キリスト教や鉄砲(つまり南蛮文化)が日本にもたらされる過程のなかで、その新しもの好きの性格もあり仏教勢力(具体的には比叡山と本願寺)と対抗する必要性もあって、キリスト教を保護し、西洋文化をどんどん吸収していきます。

まったく信長って人はそういう新しいものを吸収するのがはやい人で、鉄甲船なんかを見ても、もし本能寺がなければいわゆる世界史でいうところの産業革命は信長のもとで日本で起きたんじゃないかと思ってます。

それはさておき、そんな状況ですから宣教師を通じて西洋のモノがどんどん日本に入ってきたのは間違いありません。その中には当然レイピアだってあったでしょう。

レイピアと豊臣秀吉

で、のちに天下をとった豊臣秀吉が、きっとひょんなことから西洋からやってきたレイピアを手にとった。

「なんだぁこの西洋刀は。面白いカタチをしとるんだぎゃあ(でたらめ尾張弁)。もっと欲しいんだぎゃあ」

そういった秀吉はレイピアを国友鍛冶あたりに持って行ったんじゃないでしょうか。現在の滋賀県長浜市国友町には一流の鍛冶工があつまっていて、たとえば国産の鉄砲「国友筒」を生産したりしていました。

そんな国友を訪れた秀吉は鍛冶屋さんに「これと同じものを作るんだぎゃあ」とか無理を言いだし、国友の工人たちがそのプライドをかけてレイピアを模造して苦労の末この「水口レイピア」を作ったと。そういうわけです。きっと。

あ、加藤嘉明に下賜したんだっけか。

じゃあ、お前にあげるけど似てるやつ作らせて持ってこいと秀吉が嘉明に言ったとかかな。

模造は日本人の得意ワザ

こういう「優れたものを見て真似て本家と遜色ないものを作り出す」という能力は日本のお家芸だと思うんですよ。そしてそれは決して身分が高くなかった職人たちによるものだと思います。まぁつまり、日本人は何でも真似して作るのがとてもウマい。

その能力が存分に発揮されたのが幕末から明治時代で、日本はこの能力をフルに使ってすべて模倣品の近代国家を作り出しました。黒船来航を受けて数年後には純国産の艦隊を作れちゃうほどの能力があるんですから当然ですけども。模倣品といってもそんじょそこらのまねっこ品とはワケが違います。

そして、模倣品と言えどそういうのを作り出すことができるこの能力が無かったら、間違いなく日本は他のアジア諸国同様に列強の植民地になっていたに違いないと思うんです(ホントはもうひとつ重要な日本人の性格が原因としてあると思ってるんですけど、ここでは直接関係ないのでそれは伏します)。

つまり、日本が誇り高き明治国家を作り上げることができたその原因、そのルーツのひとつが、この「水口レイピア」だと言えるでしょう。

最後に

この「水口レイピア」が国産だというだけで、ワクワクしすぎてこんなことを考えていました。

こういうふうに考えるの、めっちゃ楽しいんです。

歴史は流れる時間の上にあります。それを意識すると、こういう和製レイピア1本だけで戦国から明治までの時間旅行ができるんですよ。楽しいに決まってるじゃないですか。

あ、この「水口レイピア」は滋賀県甲賀市水口町にある水口歴史民俗資料館で2020年1月29日まで展示しているそうです。

行けるかなぁ行きたいなぁ。どう考えても絶対見たいよなぁ。