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中古戸建てを買うなら「パッとさいでりあ」を巻いてる家はやめとけ

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リフォーム営業してるぼくです。その前は不動産売買営業で、その前はリフォーム営業です。

今回は、そんなぼくが見て「オッ」と思う家の特徴のひとつについて書きます。

「オッ」と思うのは、要するにその家はぼくにとって「狙える家」すなわち「契約できそうな家」ということです。

そしてその特徴というのは外壁材、「パッとさいでりあ」。

パッとさいでりあ

もう倒産しましたが、金属サイディングで大ヒット商品を出し大儲けした新興産業という会社がありました。

商品名は「パッとさいでりあ」。

CMを覚えている人も多いんじゃないでしょうか。

むっちゃくちゃヒットしたので、今もこれを外壁に巻いてるお家は多いですし、その分中古戸建て物件でもこれを巻いてる物件は数多くあります。

中古戸建てを買うなら「パッとさいでりあ」を巻いてる家はやめとけ

もしあなたが中古の戸建てを買おうとしているなら、この「パッとさいでりあ」が外壁に巻かれている家はやめといたほうがいいと思います。

別に、モノ自体は悪くないと思います(デザインは今となってはアレですが)。ただ、これが巻かれている家を見てピンポンを押さないリフォーム営業マンはあまりいないでしょう。

そのワケを。

新興産業は訪問販売会社だった

新興産業は一代で全国63店舗2000人以上の社員という大企業に成長した会社です。

軽くて丈夫な金属サイディングを普及させた功績は素晴らしいものですが、その普及の仕方が…。

社員のノルマは大変厳しく(現在でいうところのブラック企業)、その強引な訪問販売も問題となった。1995年秋には、さいでりあ商法が週刊誌で悪徳商法に取り上げられ社会問題となった。

引用元:新興産業 (建材) - Wikipedia

そう、訪問販売。

ピンポンして話してその場で契約させて工事をやっちゃう、というスピーディーな展開でドンドン業績を上げていったいきさつがあるんです。

当時強引な販売に屈して、どうやら300万や400万じゃきかない金額を出して施工してる方も非常に多いですね、実際に話を聞いてみると。

つまり、リフォーム営業マンから見れば「パッとさいでりあ」を巻いている家はかつて訪販をくらった家なので、そこに住んでいる人は話をしやすいに違いないオイシイ可能性が高い家なのです。

もちろん、代替わりして「親がやったから…」という家も多いですが、それはそれで営業マンにもそれに対する“話し方”ってのがありますしねフフフ。

新興産業が倒産して15年

新興産業が倒産したのは2003年です。今年は2018年ですから、倒産してちょうど15年になります。

この15年というのがリフォーム営業マンにとって、とても話しやすくなる材料になるんです。

「こんにちはー。新興産業さんのあれの件で来ましたー。新興産業さんが倒産しちゃってちょうど15年じゃないですかー。その間点検来てます?この商品10年~15年スパンで点検が必要なんですけどー」

から入って外壁塗装やサイディング巻き直しにもっていくわけですね。ここで「だから何だ」っていう人が出てきたらサッサと退散して次に行きます。そんなの説得するくらいなら話やすい人に行ったほうが時間の無駄感がないですから。「これ高かったんだぞ。いいだろ?」っていう人実際にいますからね。そういう人のほうが断然話になりやすい。

※ちなみに、ぼくの会社は点検商法禁止でクリーンにやろうとかいう営業マンにとってクソな会社なのでこの手は使えません。残念無念。

「パッとさいでりあ」はリフォーム営業マンが寄ってくる

つまり、うっかり壁が「パッとさいでりあ」になっている家を買っちゃって住んじゃったりしたら、毎日のようにリフォーム営業マンがピンポンピンポンインターホンを鳴らしてくる可能性が高いのです。

だって狙ってるんだもん。

「いや、中古で買ったから」なんて言ってもそれで大人しく帰るのは新人かヘッポコ営業マンしかいません。

ていうか、その一言を言うもの煩わしいでしょう。

だから、「パッとさいでりあ」を巻いている戸建て物件はオススメできないのです。

 

実例

ここでひとつ実例を。

ぼくはリフォーム営業をする前に不動産売買の営業をしていたことはすでに書きましたが、そのときに「パッとさいでりあ」物件を買った人がいたんです。

その人はこれから離婚するっていう女性の方で、大学生の息子さんと住む家を探していました。もちろん予算はあまりありませんが、すぐにでも家を出たいということで何とか自分でも買える物件はないか、と探していて、自分でもネットで探して「これまだあります?」なんて持ってくる人でした。

その持ってきた物件の中にあったんです。「パッとさいでりあ」物件が。そして、どうしても見せてくれというのでその物件の内覧をしたら、家の程度も立地もいいのでこれに決めるという。

ぼくは言いましたよ。「でもこの外壁材の家はめっちゃくちゃリフォーム営業が来ますよ」ってストレートに言って注意しました。これは、リフォーム営業やってから不動産売買営業をやってるぼくにしかできないアドバイスです。

そしたらそれでもいいと言うんです。それでもなお「いや、甘い。○○さんが考えてる以上に来ますよ。ぼくがもっといい家を探しますからこれはやめたほうがいいと思います」と言ったんですが、それでも結局その人はそのさいでりあ物件を購入されました。

その人から、最近電話があったんです。

「やっぱりコバヤシさんが言ったとおり滅茶苦茶ピンポン鳴るんですけど~」

いや、ぼくは散々やめろといいましたよどうしようもないですよ~としか言いようがなかったですけども。

最後に

そんなわけで「パッとさいでりあ」の家は買っちゃうと大変だよ、というおハナシでした。

ちなみに、新興産業は「パッとやねでりあ」という屋根材も販売してました。やねでりあさいでりあダブルでやっちゃってたりしたらリフォーム営業マンは突進してきますよ。気をつけて!