①
私はジョン・ハンケ。
私は私しか持ち得ない“技術を持っていた。その“技術”は(アメリカの)国家地球空間情報局(NGA)と中央情報局(CIA)による出資により研究可能となり、実現可能となったものだ。
2001年、私はキーホールという会社を設立した。もちろん出資は相変わらずNGAとCIAによるものだ。これにより私の“技術”はより大きくなろうとしていた。
しかし彼らは私の“技術”を大きくする時間をさらに短くしたいようだった。キーホールを設立してわずか3年後、私にグーグルの傘下に入れと言ってきた。
やれやれ。
しかし私は元々会社の経営などに興味はなかった。私の“技術”で世の中を変えること、それだけが私の望みだった。ステージはどこでもいい。
②
かくして、私のキーホールはグーグルの参加に入り、名をナイアンティック・ラボと変えたのだった。そして私はそこで私の“技術”を具現化させたのだ。
それが「Google Earth」であり、「Google Map」だった。
言われなくてもわかると思うが、これらのサービスをNGAとCIAが欲した理由は明らかだろう。彼らはその場にいながらにして、地球上のあらゆる場所の視覚的な“情報”を入手することができる。
しかし、あちこちにカメラを入れ、情報を集めるといっても、民間会社の立場では限界があった。
カメラを車に搭載し、走りながら視覚的情報を入手しても足りない。人間がカメラを背負ってより入りにくい場所に入り込んでも足りない。彼らは地球上の全ての情報を欲していた。
アメリカが国として絶対的優位に立つため、あらゆる国のあらゆる機密施設にも入り込まなくてはダメだ、その構造がわかるだけでも素晴らしいことなのだ、彼らは常にそういっていた。
そしてそのためにはグーグルや私のナイアンティック・ラボの看板を持たずに情報を収集し、かつ私たちにその情報を送り続ける「スパイ」が必要だった。
③
そこで私はスマートフォンに注目した。もはや世界中に展開しているこの端末を利用しない手は無かった。
私たちは新しいプロジェクトを立ち上げた。スマートフォンを手に取っている人々が、自然に情報を我々に送ってくれるシステムを構築することが目的だ。
しかし、我々が手元のスマートフォンから画像を撮影して送れといっても言うことをきくわけがない。自然に一般の彼らが私たちの思い通りに動くシステムを構築しなければならない。一般人がスマホ片手に歩き回り、勝手に情報を我々に送ってくるシステムを。
④
そうして、我々はスマホを片手に持った人々を動かすシステムを試験的にリリースした。それが『Ingress』だった。ゲームの仮想世界と現実世界をリンクさせ、人々を動かそうとしたのだ。そしてそれは成功した。世界中の人たちが、我々が意図的に設置したポータルに向かって動き、そこで攻防を繰り広げた。
しかし、まだ絶対数が足りなかった。『Ingress』は少々マニアックなゲームとして認知されたため、あらゆる一般人にリーチしたとはいえない結果だった。
しかし人は動いた。
これに人々を惹きつけて熱中させる何かを付ければ世界中の人々が利用するだろう。
⑤
そこで浮上してきたのが『ポケットモンスター』だった。日本で生まれたこのゲームはあらゆるメディアで展開し、市場は世界中にある。そして、多くの世代の人々に魅力的に映るのは間違いなかった。
導入は簡単だった。『Ingress』に『ポケットモンスター』を載せればいいだけだ。
あとは適当にポケモンをばら撒き、レアなモンスターは私たちが情報を知りたい場所に置けばいい。それで人々はスマホ片手に歩き回るだろう。
かくして、私たちの思惑は当たった。
私たちには良く分からないが、ポケモンを捕獲するときに記念に撮影をする人が一定数以上いるのだ。もちろん、そのためにカメラ機能をつけているのだが。
世界中の人々が世界中のあらゆる町並、施設、公園の画像や映像を送ってくる。普段なら入れない場所にレアモンスターを置けば、愚かなものがそこに踏み込んでくれる。私たちはそれを国家機関に提供するだけでいいのだ。
⑥
ロシアのプーチンや中国の習近平はどうやら気付いたようだ。国内の『ポケモンGO』の使用を禁止してしまった。彼らに対してはまた違うアプローチが必要になるだろう。私たちはそれに着手しつつ、『ポケモンGO』のサービスをさらに広げていくことにしよう。
世界中の人たちを、私たちの「スパイ」にするのだ。
あとがき
どうも!コバヤシです。
以上はフィクションです。妄想です。
今朝、ザイオンラインの『任天堂「ポケモンGO」開発会社の正体が判明!中国、ロシアで配信されない驚きの理由とは?任天堂株乱高下の裏で報道されない真実』という記事を読んで書いてみました。
買いてわかったのは、自分の文才のなさです!もうやめよう、こんな書き方。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。
ではまた。