2024年の沢村賞は該当者なしということになったようです。読売ジャイアンツの戸郷投手、福岡ソフトバンクホークスの有原投手が最終候補者で議論されたそうですが、該当者なし。
で、元々選考基準が厳しいところもありその見直しを検討していく流れになるようで、ネットでも賛否両論みたいなんですが、ぼくは選考基準はそのままでいいと思ってます。
沢村賞とは
そもそも沢村賞とは何でしょう。プロ野球知らない人にはチンプンカンプンでしょうし、プロ野球ファンでもボヤっとしか知らない人も多いでしょう。ぼくだって怪しい。なのでまずはそこをハッキリさせましょう。ウィキります。
沢村栄治賞(さわむらえいじしょう)は、その年の日本プロ野球で最も活躍した完投型先発投手を対象として贈られる特別賞の一つ。通称「沢村賞」。
読売新聞社は正式名称について創設当初から現在まで一貫して沢村賞としている。一方でNPBの表彰名としては公式に沢村栄治賞としている。1989年以降はNPB全体を対象とした公式の表彰に準ずる特別賞である。受賞者には金杯と副賞として賞金300万円が贈られる。
(引用元:沢村栄治賞 - Wikipedia)
沢村賞は、プロ野球黎明期のレジェンド豪速球投手沢村栄治さんの栄誉と功績をたたえて設けられた賞です。
(Published by 日本スポーツ出版社 - The Japanese book 『20世紀のプロ野球名選手100人』, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3113030による)
選考基準は7項目あり、15勝、150奪三振、10完投、防御率2.50、200投球回、25試合登板、勝率6割がそれです。つまりは先発完投型のエース級しか選びようがありません。しかしこれはあくまでも基準ですべてを達成する必要はなく、基本的に選考委員の話し合いで決められまとまらない場合は多数決で決定するそうです。
ちなみに、メジャーリーグには同じような賞としてサイ・ヤング賞がありますが、それよりも創設は古く、またサイ・ヤング賞は先発完投型の投手のみではなくすべての投手が対象です。
選考基準緩和を検討?
しかし、その基準、達成はしなくていいとしてもかなり厳しいですよね。厳しいというか、投手の分業が進み100球で降板させるのが常識となっている昨今、200投球回なんかはほぼ不可能な数字です。
だから選考基準を見直そうという流れもあるようですね。該当者なしの年は毎回言っているような気がしますが。
「少しずつ時代に即したものにした方がいい。完投とかイニングとかというのは、少し考えていかないといけないかな」
SNSなどでも毎回野球ファンから賛否両論になってますし、それで概ね「変えるべき」という流れのような気がします。
選考基準はそのままで
しかしぼくはそう思わないんですね。
なぜならば、沢村賞は「すげぇ成績を残した先発完投型の投手のための賞」ではなく、「すげぇ沢村栄治のような先発完投型の投手のための賞」だからです。
だから、沢村並みのエースが出てこなかった場合、該当者なしでいいのです。たとえ未来永劫該当者が居なくなるとしても。そうなると沢村賞は形骸化するでしょうけども、そういう賞だもの。バケモンみたいな投手が出てくるまで、該当者なしで。
その上で、時代に即した基準を設けた新しい投手のための賞の創設するべきです。そうすれば、空席の沢村賞を横目に見つつ、素晴らしい成績を残した投手を称えることができます。
そうしましょう。
最後に
沢村賞は沢村賞であるべきなんです。あげりゃいいってもんでもない。
と、思うんです。