映画『シン・エヴァンゲリオン』が公開され、なんだかすごい騒ぎになっています。そしてぼくは、申し訳ないけど『エヴァンゲリオン』にはずっと興味をもたないで生きてきたので、その騒ぎに追いつけないでいます。
(画像掲載元:Amazon.co.jp | 映画チラシ『シン・エヴァンゲリオン劇場版:ll』5枚セット+おまけ最新映画チラシ3枚 | ホビー 通販)
なんでも、今までの集大成?これで終わり?とかいう情報が耳に入ってるので、この『シン・エヴァンゲリオン』をもって終了、ということらしい。
だからみんな盛り上がってるんだな。
ということはわかるんですけど、テレビシリーズのころに20代だったぼくとしては、その盛り上がりは一体誰が!?という思いがあるんですよね。
膀胱がもつかしら?という危惧
ネットでいやでも目に入ってくる『シン・エヴァンゲリオン』に対する情報で、ぼくが「わははは」と笑ったのは「上映時間が長いので膀胱がもつかしら」というものでした。
これを言ってるのはおそらく、ぼくと同年代の、20代でテレビシリーズを観て今もう50歳手前になってきてる人たちなんでしょう。いわば元祖エヴァファン。わかりますわかります、年を取ると小便が近いですもんね。さっき行ったとこなのに残尿感があるからもう一回トイレ行っとこ、てなもんです。
そして、あの頃の答え合わせのために見る!というツイートもどっかでみました。観終わったあと、「すべてが終わった。ありがとう」と書いてるブロガーもたくさんいます。
要するに、今回『シン・エヴァンゲリオン』を楽しみにしていたオジさんとオバさんは少なくない。
そして膀胱を気にするからには、そのオッサンとオバハンたちは、最初のテレビシリーズから熱心に観てきた人たちでしょう。
膀胱を気にする人たちはあの頃どこに居たのか
しかし、今回そんなカンジでネット上にウヨウヨ現れたエヴァンゲリオンフリークのおじさんとおばさんは、当時どこにいたのか。
あの頃、確かにアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』はブームになっていました。それ以降のアニメ文化を変えるほど。つまり『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』と同等かそれ以上の存在になってたのは確かです。
しかし、『エヴァンゲリオン』というのは、そのブームというのは、実に不思議なものでした。
大ブームを起こしたのは興味がないぼくでも承知しているのに、少なくともぼくの周りには「エヴァンゲリオン観てる!」って人がひとりもいなかったのです。妹や妹の友だち、その友だちの友だち、と可視範囲を拡げていってもエヴァンゲリオンを見ている人は一向に現れません。
ぼくだって、ロボットは紫色の機体だとか、パイロットはどうやらアムロ並みのガキンチョだとか、そういう断片的な情報は知ってました。合ってるかどうかは知らんけど、ブームでしたからほっといても耳に情報が入ってきてたんです。
しかし、ブームなのにそのブームを支えている人たちが見えない。実に不思議なものでした。
かつてのブームを支えた人たちが膀胱を気にしてる
考えるに、今回『シン・エヴァンゲリオン』で膀胱を気にしている人たちの多くが当時見えなかったブームを支えていた人たちなんでしょう。
ぼくとしては「何だよお前らあの頃ちゃんと『エヴァンゲリオン』観てたのかよ!言ってよ!」って彼らに言いたい気分です。
ホントに、どこに隠れてたんですか。あの頃もっとフランクに「エヴァ観なよ面白いよ」って言ってくれたらぼくも観てたかも知れないのに。いや多分観てなかったけど、ブームの正体が分かってもっと興味を持てたとは思いますね。
しかし今回、彼らがぼくの目に入ってきたのはいわゆるオタクとその他の人々との垣根があの頃と比べものにならないほど低くなったのかあるいはなくなったのか、それともネットを介してどちらかが他方の領域にズカズカと知らぬ間に入っちゃってるのか、そんな大層なモンじゃなくただぼくの目線が変わっただけなのか、その辺は一体どういうわけなんだろう、というのは思いますね。答えはいらないけど。
最後に
そういえば、当時爆笑問題の太田光さんも似たようなことをどこかで書いてたか言ってたかしてたんですよね確か。「ブームだけど観てるヤツをひとりもしらない」みたいなカンジで。まぁ、そんな風に感じてた人も居たってことです。
というわけで、みなさん観る前は水分を控えて『シン・エヴァンゲリオン』を楽しんでくださいね。最初っからブームに乗りそびれて未だにひとつもエヴァンゲリオンを見ていない男より。