さて、今年も『M-1グランプリ』も終わり、いよいよ年末だなーというところですね。
今年は霜降り明星がチャンピオンに決まりました。
一方で、実力派コンビ和牛が今年も決勝のファイナルまで残り、またもや2位という結果になっています。これで3年連続。
和牛のネタは面白かったしぼくも爆笑しました。
しかし、あえて言おう。
和牛は失格であると!
(画像掲載元:M-1グランプリ 公式サイト)
和牛失格の理由
しかし、ぼくは和牛はそこらのお笑い芸人より面白いと思っていますし、ネタの構成には感心しています。
それなのになぜ、ぼくが和牛を失格と言うのか、そのわけは3つ、あります。
それを書いていきましょう。
「殺す」を連呼
1つ目は、1本目のゾンビネタで「殺す」を連呼したことです。
M-1のサイトを見ると、漫才ネタについての規定が書かれた箇所があります。
漫才ネタについては、下記の各事項に該当しないこと。
・著作権、著作隣接権、肖像権、名誉、プライバシー等、第三者の権利を侵害、または侵害を助長するもの。
・公序良俗に反する、または誹謗、中傷、差別、暴力、わいせつ、性描写等、一般に不快感を与える内容が含まれるもの。
・その他、上記事項に該当するおそれがあるもの、または上記各事項に準ずるもの。
「殺す」はこの2番目の「公序良俗に反する、または誹謗、中傷、差別、暴力、わいせつ、性描写等、一般に不快感を与える内容が含まれるもの」になるんじゃないか、と思うのです。もしそうじゃなくても3番目「その他、上記事項に該当するおそれがあるもの、または上記各事項に準ずるもの」にあたるんじゃないか。
実際、ネット上では「この時間に殺す連呼はマズい」「殺す殺す感じ悪い」みたいな意見もタイムリーに飛び交ってたりしました。
しかしまぁ、ぼくも「殺す死ねボケカス」とか言うことは日常茶飯事ですので(参考記事:大阪人やけど日常会話で「死ね」「アホ」って言わんほうがいい?)、ぼく自体はなんとも思ってませんが、ルールに抵触しちゃうんじゃないの、と思うのです。
ネタ時間がオーバー
2つ目の理由は、ネタ時間です。
1本目のゾンビは4分37秒、2本目のオレオレ詐欺は4分50秒だそうです。ぼくが直接計ったわけではありませんが、見ていて長すぎるとはみんな感じたと思います。
ところがM-1の規定では、決勝のネタ時間は4分となっています。
1回戦は「2分」/2回戦・3回戦・敗者復活戦は「3分」/準々決勝・準決勝・決勝は「4分」
これはいただけません。
劇場やライブなどで漫才を見た人はわかると思いますが、ネタってテレビでやるより無茶苦茶長いです。で、芸人さんたちはテレビでやる場合はネタをいわゆる「テレビサイズ」に編集しなおしてるわけです。自慢の掛け合いを縮めるのって、めっちゃくちゃ苦労しますよ、きっと。10秒縮めるのだってもがき苦しんでるのは間違いないと思います。
それを50秒もオーバーするなんて!
10秒やそこらならペース配分のミスか計測のミスかとも思いますが、50秒は確信犯でしょう。
見ていて笑わせてもらっている我々にとっては些細でむしろ長く笑える分ありがたいかもしれませんが、必死に戦っている他の芸人さんからしたら「そりゃねーよ!」ってなるんじゃないでしょうか。
漫才をしてない
最近は、コント漫才というのが増えてきました。増えてきたというか、主流です。
そしてジャルジャルなんかはもう漫才なのかどうか分からなくなるほど“漫才のような得体のしれないモノ”と言いたくなるようなネタです。あれはもうジャンル名が「ジャルジャル」。
それはさておき、和牛はコント漫才の最たるものでした。ギリギリまでコントに近づいた漫才というか。しかし、今回の1本目のゾンビネタはコントだったと言いたい。
漫才とコント漫才、そしてコント漫才とコントの境界線がどこにあるのか、それはぼくにはわかりません。しかし、漫才は「1本のマイクの前でしゃべる」ものだと思います。逆にマイクがあれば漫才と言ってもいいんじゃないか、とも思います。柔軟に考えましょうよそれでいいじゃないですか。
しかし、今回のゾンビネタの最後、覚えていますか。
ソンビの水田に引っ張られるゾンビの川西、2人とも舞台の左側に移動していき、最後はそこで 「もうええわ」って終わっちゃった。
これはダメだ。
漫才だったらマイクの前で終わらないとダメだ。コント仕立てでステージで暴れまわったとしても、せめて最後はマイクの前で「もうええわ」ってやらんと漫才ってカンジがしない!
少なくとも、ぼくの中ではこれは衝撃が大きかったです。
そして、M-1の審査基準。
“とにかく面白い漫才”
和牛は失格!
以上の3点を持ちまして、今回の『M-1グランプリ』の和牛は失格といたします。ぼくの中で。
いや、重ねて書きますけど、ぼくは和牛のネタは好きです、面白いです、笑いました、感心しました。
しかし、賞金を懸けた“競技”ですから、ルールは守るべきだと思うんです。そうじゃないと、なんか他の参加者がアホみたいじゃないですか。
M-1にはM-1の規定があるんですから、M-1に参加するからにはその範囲内でネタを作って勝負すべきではないでしょうか。
最後に
ギャロップは!?ギャロップはどうだった!?みんな!?ぼくの中では1位(コテコテの化石のような大阪の漫才好き)。
今年のM-1グランプリはギャロップに注目して欲しい - コバろぐ