“ギョギョーム”と聞いてピンと来る人はどれほどいるんでしょう。
ギョギョームは洋菓子なんですが、実際にそんなお菓子はありません。ギョギョームは、玖保キリコさんの代表作と言っていい漫画『シニカル・ヒステリー・アワー』に登場するお菓子なのです。
『シニカル・ヒステリー・アワー』のギョギョーム
『シニカル・ヒステリー・アワー』とは
本題に入る前に、ギョギョームに入る前に、まずは『シニカル・ヒステリー・アワー』について、ウィキ先生で軽く。
『シニカル・ヒステリー・アワー』は、白泉社の少女漫画雑誌『LaLa』で、1982年から1995年にかけて連載された玖保キリコ作の漫画作品。
作者が監督し、映画化もされた。
『シニカル・ヒステリー・アワー』は、わがままで意地悪でいい加減で気まぐれで乱暴で大雑把なツネコを中心に、その周りで起こるドタバタを描いた漫画です。
ツネコの友達に小久保キリコがいますが、元々は彼女が主人公でした。キャラが立ってるツネコにその座を奪われちゃったカタチ。しかし、キリコはツネコに対するクールなツッコミの位置に座りそれが適役となり、2人を中心にエピソードは回っていきます。
“ギョギョーム”とは
ぼくはこの『シニカル・ヒステリー・アワー』を高校生のときに知り、ハマりました。当時付き合ってた彼女の家の本棚にあったんです。
それはさておき、『シニカル・ヒステリー・アワー』の話の中で、ぼくが今でもハッキリと覚えている話こそ、“ギョギョーム”が登場するお話なのです。
あらすじはこんなん。
とあるスイーツ屋さんのお姉さんが、自分が考えた新作スイーツに“モン・ビジュー”という名前を付けて売り出します。お店にやってきたツネコとキリコが「これおいしそう」とその“モン・ビジュー”を買っていきます。
それが実際おいしかったのでツネコは友達に紹介しますが、名前を思い出せません。
「確かジャとかギャとかいうカンジの、ギョギョームとか何とか」
そう言われた友達がお店にとっかえひっかえ来て「ギョギョームください」と言う事態になり、お姉さんは「そんな名前じゃない」と怒りますがお店の店主は「どうだっていいじゃない。どうせ覚えられてないんだし」と言い放ちます。
結局いつの間にかそのスイーツは“ギョギョーム”という名前で売り出されるようになってしまいました。
これが『シニカル・ヒステリー・アワー』で一番好きな話。最後のページが妙に好きなんですよね。ツネコがお母さんを連れてきて「これこれ」「これがおいしいの」と言って「ギョギョームください」っていうコマが。
みなさんにも実際に玖保キリコさんの漫画で読んで欲しいところですね。
ギョギョームを洋菓子屋さんで見つけたらツネコに会えるような気がする
この漫画のエピソードのおかげで、ぼくは洋菓子屋さんとかケーキ屋さんとかに行くと何気なくショーケースの中にギョギョームを探してしまうのです。
そんなとこにあるはずもないのに。
もしかしたら、もしかしたら、あるかもしれない。あったら、この店は『シニカル・ヒステリー・アワー』に出ていたあの店なのかもしれない。そして、店の扉を開け、ツネコが入って来るのかもしれない。
そんなとこにいるはずもないのに。
まぁ、ぼくもアブないやつではないので本気でそう思ってるわけではありません、一応言っときますが。ただたまに、ワザとそうやって“ある創作物”と“自分の頭の中の想像”と“現実”を混ぜ合わせて空想にふけることをやったりするだけです。頭を柔らかくするんです、そうやって。効果あるのか知らんけども。
最後に
もしも本当にツネコに会えたら、そしたらギョギョームをプレゼントしていっしょに食べようと思ってます。
あと、ツン太にも会いたいかも。