さて、懐かしい話。昔のパソコンゲームの終了認定証の話なんぞをしてみようかな。
今の若いゲーマーさんには想像もつかないような世界かもしれません。
対決
昔のパソコンゲーム(主にRPG)には難解なものが多かったです。もう普通じゃ絶対にクリアできないくらい。「ゲームは誰でもクリアできるように、ストレスフリーで」なんて考え方なんかなかった時代です。
もちろんそれは、スケールが小さいのをわざと難しくして長く遊べるように、という理由もあったと思うんですけど、理由はそれだけじゃなくて、ゲームを作る側がまったく遊ぶ側に媚びてなくて「解けるもんなら解いてみろアホンダラ!」とゲームをリリースしてたってのもあります。遊ぶ側も「おおっやったろうやんけ上等じゃコラ!」って遊んでましたよね。
ゲームとは、ある意味クリエイターとプレイヤーの対決でした。なので、ゲームをクリアするということは賞賛に値することでした。
「あのゲームをクリアしたの?スゲー!」と狭い世界で称えあっていたのです。
終了認定証
そしてその賞賛は、メーカー、クリエイター側からも貰えました。「よくぞワシらが作ったこんな難しいゲームをクリアした。褒めてつかわそう」と“終了認定証”なるものを発行してくれたのです。
パッケージにハガキが入ってて、クリアしたあとに画面に表示されるパスワードを書いて送り返したり、クリア画面を写真に撮って送ったり、クリアデータを保存したユーザーディスクを送ったり、方法は様々でしたが(全部郵送だけど)、クリアした証拠を送れば終了認定証が送り返されてきたのです。
それを貰ったプレイヤーは誇らしげにそれを所有していました。絶対的にプレイヤーは少ないしSNSで自慢とかも出来ないですし、正に所有していただけ、という…。
マイナーだったコンピュータゲーム
“終了認定証”なるものがあったということは、当時のゲームが難解だった、ということです。誰でも解けるようなゲームではそんなモノがあっても意味ないですからね。そしてそれが許されたのは、コンピュータゲームというものが、一部のマニアしか遊ばないマイナーなモノだったからに他なりません。
しかし、ファミコンが普及してマニア以外も気軽にコンピュータゲームに触れることになると不条理とまで言える難しさをもったゲームは一気に減りました。クリエイターと対決するという覚悟を持ってない人は、「こんな苦痛を味わうためにカネを出したんじゃ無い!」と怒りますから。そしてクソゲー認定。
まあ、そんだけコンピュータゲームが普及したということで、それは喜ばしいことですが。
当時を知るものとしては、たまーに当時のようなヒリヒリイライラムカムカするゲームがやりたくなっちゃいますねぇ。
最後に
ぼくは確か『ファンタジアン』と『ハイドライドⅡ』の終了認定証をもらってたはずで、この記事のために写真を撮ろうと思って実家にまだあるかオカンに問い合わせをしてみたら「え?終了認定証?なにそれ?アンタの残ってるモンは全部捨てたわ」とか言われました。
ひでー。