先日、仕事中に同僚からいきなり「大仏のオデコのあのホクロ何なん?」とか聞かれました。
コーヒー噴きました。ホクロってアンタ…。
しかし、そういえば子供らも小さいころ大仏の写真を見て「ホクロ!ギャハハハ」とか言ってましたし、なによりぼくが子供のころには大仏を見るたびに「ギャハハハ!千昌夫!」とか言ってましたし(笑)
ちなみに千昌夫さんのホクロは手術で除去され、今は椎名林檎さんのアゴに移植されています。ウソです。
でもいいですか、大仏のオデコのホクロのようなものはホクロではありません。
ホクロじゃなければ何なのか
「仏さんはインドでしょ。インドの人は額に丸い印あるでしょ。わかった!あれを表してるんだ!」と思った人も、不正解です。
じゃああれはなんなんのかって話ですけども、あれは“毛”なんです。「白毫(びゃくごう)」といいます。
実は、グルグルと巻かれてます。ちなみに右巻きです。さらにちなみに、伸ばすと1丈5尺(だいたい4.5メートル)の長さです。長ッ。
そしてこの白毫、慈悲の光を放ち世を照らすスグレモノです。仏サンの絵画なんかでは、ここから放射状の光が描かれてるのもありますよね。
なんでホクロ状なのか
うーん。毛には見えん…。見れば見るほど千昌夫です。すなわち、ホクロです。しかし、これはそれでも毛なんです。
じゃあちゃんと毛ってわかるように作れよ!なんでホクロみたいなんだよ!と思われる方もいらっしゃるかと存じます。
それはこうです。
例えば奈良の大仏さん、あれを作った当時に、枠を作って銅を流し込むって作り方だった当時に、そんなグルグル巻きの毛を表現するのはなかなかキビシイものがあったのです。ていうか無理だったんじゃないでしょうか。
だから、当時は白毫の位置に水晶を埋め込んだりして模様を描いたりして白毫を表現していたのです。
「これな、毛やからな!白毫やからな!」
きっと一番最初に制作に携わった方がそう叫び続けてなんとかみんなに納得してもらったんです。きっと。
三十二相八十種好
仏の身体に備わる特徴として三十二相八十種好(さんじゅうにそうはちじっしゅこう)というのがあり、これは32の顔とちょっとした特徴80種を表す言葉で、白毫が生えたご尊顔は三十二相のうちの31番目です。
三十二相八十種好の「相」と「好」の字をとって「相好」という言葉がありますが、これは顔かたち。表情を意味しますよね。
最後に
まぁ、どうみてもホクロにしか見えないんですけども、これはありがたーいおケケだったんですね。
アナタの額にも白い毛が生えてきてませんか。だとしたらちょっとずつ仏に近づいているのかもしれませんね。南無~(縁起でもない)