もうすぐ衆議院選挙の投票日ですが、衆院選の投票に行くと、最高裁判所の裁判官の国民審査の投票用紙も渡されますよね。
それについて、ウチの若い同僚が言ったんです。
「誰選んだらいいかわからないから一番右の人に○をつけました」
ぼくは言いました。
「それは無効です。お前は目の前にあるものの情報をすべてキャッチし考えるクセをつけろ」
あの投票用紙は、バツ以外を書いたら無効になります。やって欲しい人を選ぶんじゃなくて、辞めて欲しい人を明らかにするための国民審査ですから。
最高裁判所裁判官国民審査制度
最高裁判所の15人の裁判官は、「憲法の番人」であり「社会の審判」であるべきなので、ここにとんでもないやつが座ってたら社会が歪みます。なので、ちゃんとした人をそこに座らせるため、審査しなくてはなりません。その審査をするのは、国民です。
日本国憲法第79条に規定される最高裁判所裁判官国民審査は、既に任命されている最高裁判所の裁判官が、その職責にふさわしい者かどうかを国民が審査する解職の制度であり、国民主権の観点から重要な意義を持つものです。
審査のしかたは、衆議院選挙のときに投票所で選挙の投票用紙とともに渡される国民審査の投票用紙に記入して行います。
そこには、最高裁に就任してから1度も審査を受けてない裁判官と審査を受けてから10年以上経った裁判官の名前が書かれています。
辞めさせたい人がいる場杏、その人の欄にバツを書くのです。マルとか他の記号とかを記入するとその投票は無効になります。
バツが有効投票の過半数に達した場合はその裁判官は罷免されます。すなわち、クビ。そして、白紙で出した場合は全員信任となります。
○を書く人
で、この国民審査で、マルとか書いちゃう人は割と多いみたいですね。
投票用紙にちゃんと「やめさせた方がよいと思う裁判官については、その氏名の上の欄に×を書くこと」「やめさせなくてよいと思う裁判官については、何も書かないこと」と書かれているので分かりそうなもんですけども、まぁ、まぎらわしいちゃあまぎらわしい。
ついつい「えーこの中から選ぶの?よくわかんないよ一番右でいいや…マルっと。」となりがちです。
この紛らわしさのおかげだか何だか知りませんが、この制度ができてから罷免された裁判官はひとりもいないそうです。ああ、これまでどれだけの無効票が生まれたんでしょう。マルを書いてはいけません。
ちなみに、今まで一番バツをもらったとされるのが、1972年の国民審査の際の下田武三裁判官だそうです。15.17%のバツが集まりました。
何で判断するのか
しかし、最高裁の裁判官の名前をズラっと並べられて「アカンやつ教えて」といきなり言われてもどうしようもありません。
罷免すべきかどうか、一体どこで判断すればいいのか。
あんまりみなさん見てなかったりするんですけど、投票日の前に裁判官の経歴や担当した裁判などが書かれた「公報」が各世帯に配られているはずです。投票当日に置いてある投票所も多いですかね。
この「公報」を見て判断したりするんですけど、今はネットの時代ですからね。裁判官のプロフィールや過去の判決の情報なんかはすぐに見つかります。まとめてるサイトもありますし。
そういうので、自分が関心がある裁判でどんな判決を下したか、どんな意見を述べたかを見て、判断をしていくしかないでしょう。
日頃から最高裁判所裁判官の動向を調べるほどぼくらはヒマではありませんから、こういうときに一気に調べて知るしかないでしょうね。
最後に
ちなみに今回、ぼくはとある内容の裁判についてどんな判決をしたかを調べたんですが、バツをつけるべき裁判官が出てきました。
みんなでこの判断をしっかりしないと、極端な話、どんな裁判でも「死刑!死刑!」しか言わないやつが生き残ることもありえます。
めんどくさいけども、割と真剣に考えないとエラいことになってしまうかもしれないので、しっかり考えましょう。