どうも!コバヤシです。
みなさんは「ファミリーコンピュータディスクシステム」をご存知でしょうか。1986年2月に登場した、ファミコンの周辺機器なのですが、記録媒体にディスクを使うことで、ゲームデータの保存および読込を可能にした夢のシステムでした。
自由にゲームを保存し、読み込める。それは“革命”だった
ゲームデータなんかセーブしてロードすれば良くね?と思った若い衆。このころのロムカセットはフラッシュメモリなんぞ搭載しておらず、記録の読み書きができるシロモノではなかったのですよ。
ゲームデータは文字列として表示され、長いランダムな文字の並びを正確にメモしておき、再開時にはそれを一字一句間違えることなく入力する必要があったのです。
『ドラゴンクエスト』の「ふっかつのじゅもん」が正にそれです。そしてそれはメモの段階と入力の段階の2段階で間違いが起こりやすいんです。『ドラクエ』で「ふっかつのじゅもん」を入力したらどこかが間違えていて再開できず泣いた、なんてことは日常茶飯事だったのです。
だから、ぼくらはこのディスクシステムに狂喜乱舞したわけです。あの苦行のようなメモと入力が省略されるわけですから、当然です。
もうひとつの革命「ディスク書き換え」
もうひとつ画期的だったのはこのディスク、ゲームの書き換えができたのです。しかも500円です。ディスク1枚持ってれば、基本500円でオモチャ屋とかでディスク内のゲームを新しいゲームに替えられたのです(元のゲームは当然なくなりますよ)。
ぼくらはまた狂喜乱舞しました。
当時、ゲームカセットが徐々に値上がりしていった時代です。少ないお小遣いで新しいゲームを買うのはなかなか難しいことだったのに、500円で新しいゲームが入手できるわけですから、当然です。
そして刺客が現れた
そんなある日、突然ぼくはとあるゲームが遊びたくなっちゃいます。面白いのか面白くないのかわからないけど、無性に遊びたい!
それはコナミの面クリア型のとあるアクションゲームでした。ロムカセット版はなく、ディスク専用のゲームでしたが、とある日、なんとそのゲームの書き換え版が出るとアナウンスされました。
書き換えは500円!何故かはわからないけど無性に遊びたいゲームが500円で手に入る!
地獄
これは!とおもったぼくは発売日当日に、ディスクを持って近所のジャスコに飛んでいきました。
当然ですが、ディスクを書き換えるには、店員にどのゲームに書き換えるか、タイトルを言わなければなりません。
その段階で、ぼくは初めて気付きました。
こ、これは…!は、恥ずかしい!しかし、言わなければあのゲームをプレイできないのだ!勇気を出せ!
ぼくは勇気を振り絞ってゲームのタイトルを告げました。しかし、恥ずかしかったぼくはあまり声が出なかったようでした。
「あの、ディスク書き換えなんですけど、………に書き換えてください」
「は?」
この野郎!聞き返しやがった! 俺が恥を忍んで頼んでやってるのに!そこからはもうヤケクソです。
「『バイオミラクルぼくってウパ』に書き換えてください!」
心なしか店員が鼻で笑ってるような気がしつつも、とりあえず書き換えに成功したのだ!ぼくは勇者だ!
急いで家に帰ってプレイするぼく。プレイして最初に出た感想が「アンナニクロウシタノニナンダコノゲームハ」。
ああそれなのにそれなのに
『バイオミラクルぼくってウパ』は1993年にはなんとロムカセットでリリースされました。なんてこった!あれだけ苦労したのに!
ではまた。