もうすぐ『ドルアーガの塔』がアケアカで配信されますね。2022年6月2日、非常に楽しみです。
楽しみなんですが、プレイするとなったら猛烈に復習しなければなりません。
だって、みんな宝箱の出し方、覚えてる?
『ドルアーガの塔』とは
この『ドルアーガの塔』は、1984年にアーケードで稼働となりました。作ったのは『ゼビウス』の遠藤雅伸さん。主人公ギルを操り、ドルアーガの手からカイを救い出すことを目的としたアクションRPGの草分け的ゲームです。
バンナムさんが紹介動画を公開してますね。
これを見るとわかりますが、アクションRPGといっても主人公をレベルアップさせて能力を上げて強くなるというものではなく、60階の塔の各階で出現する宝箱に入っているアイテムで強くなっていくという内容です。
『ドルアーガの塔』の宝箱
で、問題はこの宝箱。
最初っから各フロアに置いているわけではありません、各フロアで条件を満たして初めて出てくるのです。
そして、その条件というのが全然わからない。「〇〇を何体倒す」とかいうのだったらプレイしてれば自然と出てくるのでいいんですけど、そんなのじゃなく理不尽で無茶苦茶な条件も多々あります。
「特定の場所を特定の向きで通過する」とか、「剣を抜きかけの状態でブルーナイトとすれ違う」とか、「剣を出さずにしばらくじっとしている」とか、こんなんわかりませんやん!と言いたくなっちゃいます。でも、これらは偶然わかったりする可能性はあります。もっとヒドいのもあります。「レバーを右に7回、左に1回、右に7回倒す」とか、「壁に向かってしばらく歩き続ける」とか、「スタートボタンを押す」とか、そんなん絶対しないですやん!って言いたい。
しかし、全国のプレイヤーは「我こそが宝箱を出す英雄ぞ!」と意気込んでトライ&エラーを繰り返していたのです。他人のプレーを盗み見たりするものも現れ、自分が苦労して見つけた条件を見られまいと画面を隠す人まで出る始末でした。
ご苦労さま。
ゲームセンターのノート
ぼくも『ドルアーガの塔』は大好きで、近くの駅のそばの百貨店にナムコの直営店があったのを幸い、少ない小遣いを握りしめて訪れては遊んでいました。しかし、宝箱の出し方がわからない。なのでアイテムを取らずに先に進むもののパワーアップされてない状態ではすぐにゲームオーバー。当時ぼくは小学生でしたから、100円玉を筐体に積んでトライ&エラーをくりかえすなんてできない、悔しい。そんな『ドルアーガの塔』ライフを送っていたのです。
調べようにも、当時は攻略本とかインターネットとかありません。そんなある日、そのゲーセンにノートが置かれました。そのころのゲーセンには割とあったと記憶していますが、そのノートに猛者たちがゲームの攻略法を書いてくれるのです。
そして、そのノートに『ドルアーガの塔』の宝箱出現条件が書かれるようになったのは当然のこと。発見した勇者が書いてくれたり、他のゲーセンのノートで見た条件を書いてくれたり、徐々に情報が膨れ上がっていきます。
これはすごい。いわゆる口コミで攻略法が全国のゲーセンに広がっていたんです、きっと。口コミの威力はすさまじい。
ぼくはそのノートを片手にやっと『ドルアーガの塔』をクリア…することはありませんでした。そもそも見たからってワンコインでクリアできるはずもなく、子供なので軍資金も乏しく、ノートには常に中学生高校生が群がっていて小学生はあまり見られずってことで断念した記憶があります。
ファミコン版は…クリアしたんだっけなぁ。忘れちゃった。
最後に
しかし、いくら口コミで情報が広がったとは言え、理不尽なやつまで本当にプレイヤーが発見したんでしょうか、その情報の元の元はどうなってたんでしょうか。もしかしたら、遠藤さんが直々にちょっとずつ特定のゲーセンでリークしてたとか?
それはないか。まぁ、その辺の不確かさも口コミの醍醐味ですね。ガセもいっぱいありましたし。
でも、プレイヤーがひとつのゲームを全国区に押し上げた現象って、この『ドルアーガの塔』が最初の例かもしれませんね。