先日、情報サイト『GIGAZINE』を見ていると、非常に興味深い記事がありました。
これです。
ゲームオタクがネットでも見つけられなかった「アクションRPGの始祖」とは? - GIGAZINE
なんと、日本のアクションRPGのひとつである『ドラゴンスレイヤー』には元となったゲームがあるというのです。
今まで勝手に「アクションRPGは日本で生まれて発展した」と思っていたぼくにとっては、目からウロコの話です。
『ドラゴンスレイヤー』と『The Caverns of Freitag』
『ドラゴンスレイヤー』と言えば、『ハイドライド』、『カレイジアスペルセウス』とともに日本におけるアクションRPGの祖と言っていいゲームです。
この3本があり、『ドラゴンスレイヤー』の続編『ザナドゥ』と『ハイドライドⅡ』が出てきてアクションRPGは花開き、その人気が不動のものになったカンジです。
そんな『ドラゴンスレイヤー』の元となったのは『The Caverns of Freitag』というゲームだというのです。
海外の『Mobby Games』というサイトによると、『The Caverns of Freitag』とは、1982年に開発されたアクションベースのRPGで、プレイヤーは戦士を操作してFreitagという邪悪なドラゴンを倒すことを目的としているゲームです。
The Caverns of Freitag is an action-based RPG where the player controls the warrior on his way to kill the dragon.
YouTubeに動画もあります。これを見ると、ちゃんとしたアクションRPGといった感じです。
そんな『The Caverns of Freitag』が元ネタとなって『ドラゴンスレイヤー』が制作された、それはなんと『ドラゴンスレイヤー』の制作者である木屋善夫さん本人がTwitterでツイートしていたらしい。
カーバンス・オブ・フレイタグ(AppleII)ドラスレ1の元ネタです^^; #フォロワーが知らないだろってゲームを呟いてrtされたら負け
— 猫のアイル (@nekoaisle) August 13, 2013
これは知らなかった!マジで目からウロコです。
1984年のアクションRPG
ここで日本のアクションRPGが登場したと思われる1984年に遡ってみたいと思います。
この年は上記の『ドラゴンスレイヤー』、『ハイドライド』、『カレイジアスペルセウス』の3本と、厳密にいうとRPGではありませんが日本のアクションRPGに多大な影響を与えたと思われる『ドルアーガの塔』が登場した年です。
時系列で言うと、7月に『ドルアーガの塔』がゲームセンターで稼働を開始し、10月に『ドラゴンスレイヤー』が、11月に『カレイジアスペルセウス』が、12月に『ハイドライド』が登場します。正に日本のアクションRPGの夜明け。
良く言われているように、『ハイドライド』は1984年1月に登場した『ザ・ブラックオニキス』と『ドルアーガの塔』にルーツがあるのは間違ってないと思います。これをブレンドしてフィールドを屋外にもってきたのはさすが内藤さんといったところですが。
しかし、『ドラゴンスレイヤー』と『カレイジアスペルセウス』がどの文脈から出てきたのか、謎でした。時期的に『ドルアーガの塔』にインスパイアされているような気がずっとしていましたが。
で、今回、『ドラゴンスレイヤー』のルーツのひとつが明らかになったわけですね。ちょっとスッキリした。
『ドルアーガの塔』すごい
さて、『ハイドライド』は『ドルアーガの塔』がルーツのひとつである、そしておそらく『ドラゴンスレイヤー』と『カレイジアスペルセウス』も影響を受けているかも(この時期にアクションRPGを制作している人が『ドルアーガの塔』をガン無視しているとは考えにくい)。
厳密に言うと全然RPGじゃない『ドルアーガの塔』が、日本のアクションRPGの始祖といっていい3作に多大なる影響を与えている、と考えると『ドルアーガの塔』ってスゴくないですか。作ったのは『ゼビウス』などナムコの傑作の数々を生み出した遠藤さんですが、頭の中どうなってるんでしょう。すごい。
まぁ、こういう流れを知っていたぼくが「アクションRPGは日本で生まれ発展した」と勝手に思ってきたのは仕方がないと思って許していただきたい。
しかしそうなってくると気になってくるのは『ドルアーガの塔』は『The Caverns of Freitag』の影響を受けていないのかどうか、ということ。もし遠藤さんが『The Caverns of Freitag』を知っていて何等かの影響があったのだとしたら、それはそれでエキサイティングな話です。
最後に
というわけで、新しい知見を得てただただ興奮して書いてしまいました。
間違いなく言えるのは、コンピュータゲームの黎明期はお互いに切磋琢磨してひとつのゲームが出来上がっていったということ。
そして、それらを繋げて考えることは、この上なく楽しい。調べてみてもなかなか繋がりを示すものが出てくるわけではないですけども、考えることが楽しい。