江戸幕府三代将軍・徳川家光が描いたとされる『兎図』という絵をご存知でしょうか。
2019年3月~5月に府中市美術館で開催されていた『へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで』という展覧会で公開されていたので、もしかしたら見た人も多いかもしれませんね。
で、その『兎図』が妙に味わい深いので是非みなさんに見てもらいたい。
徳川家光『兎図』
徳川家光が描いた『兎図』がどう味わい深いのか、どうのこうの書いてもしょうがないので、まずは見てもらいたいです。絵なんて、見てナンボですから。
徳川家光が描いた『兎図』、これです。
(画像掲載元:https://imgur.com/DK4c2My)
数年前に京都で見つかったものですが、 どうです?味わい深いでしょう。
宇宙人みたい
この『兎図』、切り株の上にちょこんと座ったウサギを描いてるということです。ああ、そう言われればそうでしかありませんね。
でも、この絵を最初に見たとき、ぼくにはそういうふうに見えませんでした。
あっ!宇宙人だ!
そう思ったのです。
顔の眉毛の部分がニョーッと伸びてて口ひげを蓄え、大きな黒い眼をした顔に、全身を隠す黒いマント。もうこれUFOから降り立った宇宙人そのものじゃないですか。
だって、この絵、実は余白が上のほうにいっぱいあります。
(画像掲載元:https://imgur.com/zdUrIEB)
今!正に!地球に降り立った!そんなカンジにしか見えませんよね。
それにしても、ゆるい。ゆるい絵だ。うん、味わい深い。
絵を嗜んでいた家光
この宇宙人(違う)を描いた徳川家光は、政務の傍ら割と絵を描きまくってたみたいですね。
描いた絵は現在10点弱しか見つかってないそうですが、どれもこんな風にいいカンジでゆるいそうで、たとえば『木兎図』なんてミミズクを描いた絵もあります。
(画像掲載元:https://imgur.com/Ck9f57f)
え?こっちがウサギじゃないの?って言いたくなるくらい耳がニョーッと出てます。でも羽毛は細かく描いてるし、目なんかも何回も墨を重ねてて、決してヘタではないですよね。
ただただ、味わい深い。
家臣に描いた絵を与えることもあったといいますけど、渡された家臣は「ええ?ちょっと…」って思ってたかもしれませんね。いやまぁ、将軍から頂いたら家宝モンでしょうけど。
最後に
あと、家光さんが描いた絵に『鳳凰図』ってのが確かあって、それがむっちゃくちゃゆるくって超愛らしすぎて全然鳳凰に見えないんです、ピヨピヨしてて。
それも是非見てほしいなぁ。