かた焼きそばが大好きです。小学生のときに親父に連れていかれた近所の中華料理屋で食べて衝撃を受けて以来ずっと。
なので、今でもよく食べます。
しかし、適当に中華料理屋に入ってかた焼きそばを注文して運ばれてきたときにガッカリすることがよくあるんです。
そして、怒りが込み上げてくる。
それはお前、長崎皿うどんやろ。
かた焼きそばと言いながら皿うどんを出す店は滅びろ
だって、腹立つじゃないですか。
こっちはかた焼きそばを食べたくて注文してるんです。バリバリの揚げ麺をトロトロのあんといっしょに口に入れ、そのハーモニーを楽しみたいのです。
それには、かた焼そばの麺の太さが肝心。
皿うどんの揚げ麺は細いねん。
揚げ麺の上にあんをたっぷりかける食べ物、ということで大差はないです、確かに。しかし、ぼくが食べたいのはかた焼そばであって皿うどんではない。
麺がバリバリじゃなくてパリパリなのよ皿うどんは。
なのに、かた焼きそばを騙って皿うどんを出す店がわりかし多い。「お待たせいたしましたー」とかいって持ってきたのは皿うどんなんてことがザラにあります。
許せん。滅びろ。
なんてことをいうと「そんなんいっしょやろ、細かいこと言うな」とかいう輩もいます。
お前は何を言ってるんだ。滅びろ。
かた焼きそばと皿うどん
しかし、似て非なると思ってるのはもしかしたらぼくだけかもしれません。実は本当に麺の太さだけが違ってルーツはいっしょ、とかなったらぼくの怒りは見当違いということになります。そうであるならば、滅びるべきはぼくになってしまいます。
なのでこの怒りを公表する前に、ちょっとかた焼きそばと長崎皿うどんを調べてみましょう。
かた焼きそば
かた焼きそばは、バリバリの揚げ麺に、さまざまな具材のとろみがあるあんがのっかったバリバリとトロトロの食感のコントラストを楽しむイカしたメニューです。
麺の揚げ具合やあんの味付、具材で店によるバリエーションも多く、どこの店で食べても新しい発見があり、割と奥深い食べ物ですね。
(画像掲載元:「かた焼きそば」を偏愛するミュージシャンに聞いた、食べるべき名店と意外すぎる由来【ただいま約350食】 - メシ通 | ホットペッパーグルメ)
そして、個人的にはあんの混ぜ具合で自分で硬さを調整して食べるのが楽しいと思ってます。最後の方に食べる、あんと思いっきり絡めてシナシナになった揚げ麺はメチャクチャウマい。
あー書いてたら食べたくなってきましたよ。
皿うどん
一方、皿うどんですが、これは長崎の郷土料理です。
長崎市の中華料理店四海樓の陳平順が、「炒肉絲麺」(チャニイシイメン、麺と細切り肉を炒めた焼きそば)をヒントに、ちゃんぽんを出前用にアレンジして配送時にこぼれないよう汁を少なくしたものである、とWikipediaにあります。
なのであんはちゃんぽんと具材がいっしょなんですね。
簡単な話で、ちゃんと長崎で生まれたから長崎皿うどん。しかし、なんで揚げ麺がうどん?と思ってさらに見ていくと、皿うどんには細麺と太麺があるらしい。
え?太麺?
と思ったら、これがちゃんぽんの麺をそのまんま使ってて見た目が焼きうどんのようにみえる。汁気のないちゃんぽんで、焼うどんのように見えるから皿うどんというらしい。
細麺はなんて揚げるようになったんだろう?麺が細くてすぐ伸びちゃうからかな???
かた焼きそばと皿うどんは大差ない???
となると、細麺の皿うどんが麺を揚げちゃうのでかた焼きそばに似てくる、ということか。
しかしここでまた厄介なのが、どうやらかた焼そばにも太麺、中麺、細麺があるらしいんです。ということは、細麺のかた焼きそばが細麺の皿うどんに似ているんだ、というふうにも言えますね。
じゃあ、細麺どうしだったら別にいっしょやんけ!と思ったんですけど、やっぱりあんがちがう。皿うどんはちゃんぽんの具ですからね。
そして、やっぱりかた焼きそばの細麺は皿うどんの細麺よりも太い。なんというか、かた焼きそばの揚げ麺のほうがアブラギッシュ。それがウマい。
やっぱり、大差ないとはいえかた焼きそばと皿うどんは違うのです。そしてやっぱり、かた焼きそばだと言って皿うどんを出す店は多いんです。
最後に
「食べたいのはかた焼きそば。皿うどんは引っ込んでろ」、調べていくうちにぼくはその思いを強くしました。
でもまぁ、長崎皿うどんはそれはそれでウマいんですけどね。しかしぼくは『リンガーハット』に入るならその辺の町の中華屋に入ります。そして「かた焼きそばひとつ」と今日もギャンブルをするのです。