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森蘭丸じゃなくて森乱であり森成利もしくは森長定もしくは森長康である

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信長の小姓として有名な、森蘭丸。

彼はなかなかの切れ者で信長は大層気に入り、事務的な作業やら他国への使者やらも若いながら任されたりしてました。

まぁゲームなどでは大変美しい若武者として描かれたりしてて、ご存知の方も多いでしょう。

実は彼の名前、森蘭丸ではないのです。

森乱

先日、2023年NHK大河ドラマ『どうする家康』の追加キャストが発表され、その中に「森乱」という人物がいました。俳優の大西利空さんが演じるそうです。

そして、この「森乱」こそ森蘭丸のおそらく本名です。

「森蘭丸」というのは通称で、軍記物でみられる呼称ですが、史料などでは「乱」「御乱」「乱法師」などと書かれているんですよね。『信長公記』を例に挙げると、「「四月十八日 塩河伯耆守へ銀子百枚遣はされ候、御使森乱、中西権兵衛相副へ下され、過分忝きの由候なり」」などと書かれています。

なので、森蘭丸の名前は「森乱」なのです。

なんで乱が蘭丸になったのか。そういう通称がなぜ生まれたのか。わかりませんけど蘭丸の弟2人も信長の小姓になっており、彼らの名前が「坊丸」「力丸」なのでそれにつられて「乱丸」となって、なんとなく「蘭丸」になったんでしょうか。なんとなくって、そこが大事なんですけども。

で、「丸」がつくのは幼名が多いですから、普通に「乱丸」だったのかなぁと思うわけで。いやでもそれだったらなぜ「丸」が取れたんでしょう。弟たちは丸ついたまんまなのに。いやまぁ、弟たちも「坊」とか「力」とか呼ばれてたかもしれませんけど。

考えれば考えるほどなんか頭がグチャグチャしてきますね。

色々名前がありすぎな森乱

さらに、蘭丸の場合、諱(いみな)がまたいろいろあるんです。

有力な諱は「成利」ですが、江戸幕府が編集した大名の家譜集『寛政重修諸家譜』では「長定」と書かれたりしてますし、別の史料だと「長康」なんて書かれているものもあります。『太平記英雄伝』なんかは「長康」になってますね。

これです。「森蘭丸長康」とあります。

森蘭丸 森乱

でも、当時の古文書の署名は「成利」となっているので、一番有力視されているようです。

でも、弟の坊丸の諱は「長隆」、力丸のそれは「長氏」なので、それで揃えるならば蘭丸の諱も「長定」か「長康」のほうが収まりはいいと思うんですけど。

幼名のみならず、諱でも頭がグチャグチャしてくるじゃないですか。

どうなってるんだ森蘭丸の名前は!

最後に

諱については、もしかしたら段階によって改名したとかそんなのかも知れませんけど、そもそも本名「森乱」より通称「森蘭丸」が広く知られているのはどういうことか。

……とか思いましたけど、よく考えたら真田信繁だって通称である真田幸村のほうが知られてたりしますから、まぁそんなもんなんでしょうか。

昔は呼び名が多いとかはよくあることですしね。