「とにかく」という言葉があります。みなさんがよく使ってる、その「とにかく」です。
この「とにかく」は「兎に角」と漢字で書きます。
ウサギにツノ?なんでこんな風に書くのだ?
とちょっと思ったので調べてみました。
とにかく
まずは改めて「とにかく」についてとにかく書いてみます。
「とにかく」の意味は「ほかの事は置いといて」とか「事情はさしおいて」とか「何はともあれ」とか「いずれにしても」とかですね。「とにかくまず言ってみろよホレホレ」「君はとにかくウザいね」とかいう風に使います。
「あれやこれや」を意味する「とにかくに」が転じて現在の形になったようです。
兎に角
さて、この「とにかく」は冒頭で書いたとおり漢字で「兎に角」と書くわけですが、ウサギにツノ、なんて正直意味が分かりません。「まずはウサギのツノみたいに言ってみろよホレホレ」とか「君はウサギのツノみたいにウザいね」とか、どういうこと?
と思ってとにかく調べてみたら、これ、意味はないらしいです。ただのあて字。なんそれ。
でも、あて字とはいえ元となった言葉があって、それが「亀毛兎角」。「きもうとかく」と読みます。
亀の毛と兎の角、それらは実在しないものだということで「亀毛兎角」は「ありえない物事」を意味します。「とにかく」とは何の関係もありません。
アルミラージ
ところで。
ウサギのツノといえば、一部の人は「アルミラージ」を思い出すんじゃないでしょうか。特にゲームをやる人は。
ファンタジーRPGなんかでよくモンスターとして登場しますからね。一番有名なのはやっぱり『ドラゴンクエスト』シリーズのアルミラージでしょうか。
これ、ぼくもそうだったんですが、『ドラクエ』のオリジナルモンスターだと思ってる人が割といらっしゃるんですけど、そうじゃありません。
インド洋に浮かぶとされる「竜の島」に棲息すると言われる伝説上の生物で、いろいろな文献に描かれている「イスカンダル(アレクサンドロス大王)の竜退治」に登場します。その姿を見るとあらゆる野獣が逃げ出すというなんだかよくわからないアルミラージを、竜退治に成功したイスカンダルがその報酬のひとつとして受け取るんですね。
ちなみに、読み方は「アルミ・ラージ」じゃなくて「アル・ミラージ」です。これも間違えて覚えがち。
最後に
なんだかオマケのアルミラージのほうがボリュームが大きくなっちゃいましたが、「とにかく」を「兎に角」と書くのはまったく意味はありません、あて字です。
なんか疑問に思って損した気分ですが、世の中とにかくそんなものです。