玄奘(げんじょう)という中国のお坊さんを知ってますか?
知らない?
またの名を三蔵法師。
分かりました?
あの西遊記のおっしょさんが玄奘さんです。
そんな世界初の日傘男子である玄奘さんの遺骨ってアジア各地に分散していて日本にもあるんですよ。埼玉県さいたま市にもあります。
ぼくもあるのは知りつついつかいつかと今まで行ったことなかったんですが、先日仕事で近くを通りかかったので見てきました。
埼玉県さいたま市岩槻区の玄奘塔
行ってみると、なんだか大層な門構えでした。

おおー、立派だ。
まるであの往年のテレビドラマ『西遊記』のエンディング(『ガンダーラ』のあれ)で見たようなカンジ。カッコいい。
霊骨石塔
門の写真でもわかりますが、門をくぐるとすぐ目の前に十三重の石塔があります。

これが霊骨石塔です。
この下に玄奘三蔵のお骨が入ってるというわけですね。
思ったより高い。
マニ車
塔の前には左右になにかがあります。
見てみると…。

マニ車だ!巨大なマニ車だ!
ちなみにマニ車とは、チベット仏教においてそれを回すと回した分だけお経と唱えたことになるという、仏教の精神を真っ向から無視したようなアイテムです。厳しい修行をして解脱するってのが仏教なのに、効率化してどうする!と言いたくなるような代物ですね。
銅像
塔を前にして左を向くと、玄奘さんの銅像があります。

おおーなかなか神々しい。
ちゃんと日傘もありますね。
なんか逆光になっちゃったので、お顔のアップもどうぞ。

凛々しいお顔です。
手に持ってるのはもしや、天竺でいただいたありがたいお経?
亀?
塔からちょっと離れたところに、割とデカいこんなものもありました。

亀?「だいじょうぶ 亀」???
なんでしょう何か玄奘さんと亀って関係ありましたでしょうか。かなりデカくで高齢だと思われるので、『西遊記』で退治した妖怪?
何の説明もないのでよくわかりませんでした。
なぜ岩槻に玄奘の骨が?
というわけで思いのほか十分に楽しめたわけですけども、そもそもなんで玄奘さんの骨が埼玉県さいたま市岩槻区にあるんでしょうか。
これはどうも、この塔の近くにあってこの塔を管理している慈恩寺というお寺さんが関係しているようです。
昭和17年、日中戦争の最中に、南京で日本軍が土木作業中、偶然玄奘さんの頭骨を納めた石箱を発見したことが発端。この頭骨は南京政府に渡され、昭和19年に南京の玄武山に玄奘塔が建立され奉安されました。その際に、日本にも分骨されたそうです。この骨は東京の増上寺に安置されたんですが空襲の被害が増してきたので埼玉県蕨の三学院に移され、さらに三蔵法師の建立した大慈恩寺にちなんで命名された岩槻の慈恩寺に移動したということです。
へぇー、お寺の名前のおかげですかね。慈恩寺って本場中国にあるお寺の名前をパクったんでしょうか。まぁ、あやかって、でしょうね。
ちなみに、その後この慈恩寺からさらに奈良の薬師寺や台湾の玄奘寺に分骨されています。
玄奘さん頭の骨が方々に散って行っちゃってなんだか大変ですね。
最後に
というわけでみなさんも玄奘さんを拝してみてください。
ちょっと行くには不便なところにありますけどね。
住所:埼玉県さいたま市岩槻区表慈恩寺1037
お近くに行った際には、是非。