なんだか発売された『北斗が如く』というゲームが話題のようです。
本日発売の「北斗が如く」,全8回にわたる無料DLCの配信を発表。第1弾「特別パック:世紀末にようこそ」と断末魔ボイスを本日提供開始 - 4Gamer.net
なるほど、名作マンガ『北斗の拳』のパンクな世界観は、ヤクザの世界をゲーム化した『龍が如く』のシステムと相性が良さそうです。制作は「龍が如くスタジオ」ですしね。
それはさておき、『北斗の拳』というのは、幾度となくゲーム化されています。そのほとんどがアクションゲームなわけですが、実は昔、『北斗の拳』はアドベンチャーゲームにもなりました。
北斗の拳 バイオレンス劇画アドベンチャー
というわけで、今回紹介するのは1986年にエニックス(現スクウェア・エニックス)より発売された『北斗の拳』です。正式名称は『北斗の拳 バイオレンス劇画アドベンチャー』。
ちなみに、『北斗の拳』のゲーム化はこれが初です。
原作のシンとの戦いまでをオリジナルストーリーを交えて再現していており、アドベンチャーゲームなので謎解きがゲーム攻略の中心になっています。
ケンシロウとバットがKING(シン)のいるサザンクロスを目指すのですが、道中はバットが大活躍。ケンシロウ本人は命令するだけというシステムで、命令されて忠実にそのとおり動くバットの姿は、さながら『ポートピア連続殺人事件』のヤスのようです。
割としっかりしたアドベンチャーゲームに仕上がっていて、当時なかなか人気のタイトルとなりました。
ケンシロウの闘いを完全再現
ケンシロウは闘う
このゲームではバットをこき使うケンシロウですが、命令するだけなのかと言われればそうではありません。敵が現れたときはやっぱりケンシロウが戦うのです。
このゲームでは割と敵が出てきます。世界観からすると当たり前ですが。すぐ死ぬザコキャラも色々でてきますし、何といってもハート、クラブ、スペード、ダイヤの四天王ともちゃんと戦うことになります。
というわけで色んな戦うのですが、その戦闘システムがかなり素晴らしいのです。ケンシロウの北斗神拳を使った闘いを、完全再現しているといっても過言ではないでしょう。
秘孔システム!
その、ケンシロウの闘いを再現している戦闘システムは、「秘孔システム」といいます。
「秘孔システム」なんて、それを聞いたら何のゲームかすぐわかっちゃうほどの名前ですネ。
この「秘孔システム」、ケンシロウが敵の秘孔を突くとしばらくたってから敵がボコボコ変に動いて破裂してしまうというアレを見事に再現しています。
秘孔システムとは?
秘孔システムとは一体何なのか。戦闘開始時の画像を見てください。
画面左に、いかにも“北斗の拳のザコ”といった3人組います。よくみると、彼らの上に点々があってその中にひときわ大きな黄色い点があるのがわかるかと思います。
この黄色い点のどれかが“秘孔”です。
突くべき秘孔は、これまでの冒険の中でヒントが出されてるはずです(ゲームですから…)
画面真ん中の上に拳の絵がありますが、この拳の数がケンシロウが繰り出せる拳の数です。この画像の場合は3発。その下のバーは制限時間をあらわしてます。
この拳がひとつづつ敵の画像の上に移るのでプレイヤーはその拳を動かし、秘孔の上でスペースキーを押すのです。ちなみに、敵の拳も現れてケンシロウの拳を追っかけます。追いつかれたら失敗です。強敵なほど敵の拳は速く正確に追っかけてきます。四天王やシンなんかは逃げ切れないほどの動きですので覚悟しといてください。
完全再現たる所以
どうですか秘孔システム。
ケンシロウが敵の隙をついて秘孔をつく、そんな北斗神拳が再現されていると思いませんか。思うでしょう。思ってください。
しかし!ここまでだとまだ完全再現とは言えません。ケンシロウが敵の秘孔を突いたら敵はどうなります?
そうです、「あれ?」なんて言いながら顔が歪んだり膨らんだりしたあと、断末魔とともに破裂するのです。
はい、もちろん「秘孔システム」はそれも再現しています。なんと敵の顔の歪みはアニメーションが施され(しかも滑らか。当時では脅威の技術だと思います)、不思議に思う敵のセリフがメッセージとして書かれ、そしてまたもやアニメーションでキチンと破裂します。
上の画像のザコたちなら、「アレッ……??なんだか、かおが、おかし………し………しべらーーーーーーーッ!!!!」となり、実際に破裂するのです。
これぞ、北斗神拳の完・全・再・現。
しかもしかも、ケンシロウの掛け声「あたたたたたたたたたーーーーー!!!」もキッチリ再現されてるんですよ!ビープ音で!
最後に
ケンシロウの闘いを再現できた、この秘孔システムを思いついた人はホントにスゴいと思います。「どうやってケンシロウの闘いを再現しよう?うーんうーん」って唸ってもでてくるもんじゃありません。これは、閃かなければならない。
もしかしたらこれが閃いたから、逆に『北斗の拳』のゲーム化の話が進んだのかもしれません。それほどのシステムだと思いますよ、秘孔システムは。
機会があったら是非遊んでみてください。
え?ソフトもハードの手に入らない?
じゃあ、『北斗が如く』でもやっときなされ。