ゲーム音楽の世界に偉大なる足跡を残した故・すぎやまこういち先生。
すぎやまさんのゲーム音楽と言ったら何と言っても『ドラゴンクエスト』シリーズですよね。すぎやまさんが『ドラゴンクエスト』でゲームミュージックを手掛けてくれたおかげでゲームミュージックの地位は格段に上がったと言っていいでしょう。
で、ウチの息子たちもそうなんですが、すぎやまこういちさんがゲーム音楽を手掛けたのは『ドラゴンクエスト』が最初だと思ってる人が多いみたいなんです。
しかし、さにあらず。
すぎやまこういちさんが初めてゲームミュージックを手掛けたのは、エニックスのパソコン向け名作アドベンチャーゲーム『ウイングマン2 キータクラーの復活』なのです。
ウイングマン2 キータクラーの復活
『ウイングマン2 キータクラーの復活』は、1986年3月にエニックスより発売されたアドベンチャーゲームです。原作は『週刊少年ジャンプ』に連載されていた人気漫画『ウイングマン』。
他にジャンプ漫画原作として『北斗の拳』もリリースしてますね、エニックスは。
この『北斗の拳』は画期的な「秘孔システム」により高い評価を受けたんですが、漫画原作のゲームと言えば、お世辞にも面白いと言えないものが多かった中、前作『ウイングマン』は高評価を得たので、それを受けての続編というわけでしょう。
プレイヤーは、広野健太(ウイングマン)となってあおいとみくと行動しながらリメルが送り込んできた殺し屋を倒すのが目的となります。
全8画面を行き来しながらフラグ処理をするコマンド入力方式で、8画面をクリアするとまた次の8画面が登場し、そこでもフラグを立てまくって先に進みます。なので、アドベンチャーといってもそんなに難しくはありません。
中盤以降は敵との戦闘も発生し、前作は画面下部1/4だったのが全画面になり迫力ある戦闘になりました。テンキーでウイングマンを操作しファンクションキーで攻撃して最後はお馴染みデルタエンドでフィニッシュしましょう。
当時原作を楽しんでいた身としては非常に楽しんだわけですが、漫画とひとつ違ったことがありまして、それはゲームでは北倉先生の正体がキータクラーだって分かってるという点です。原作では「そうなんだろうな」という匂わせだけだったので。まぁ、些細なことですが。
すぎやまこういちと『ウイングマン2』
ではなぜ、この『ウイングマン2 キータクラーの復活』にすぎやまこういちさんが関わったかというと、これが面白い話があるのです。
すぎやまさんがエニックスの『森田将棋』をプレイしてアンケートハガキを書いて放置してたらそれを奥さんが投函し、受け取ったエニックスがビックリしてすぎやまさんに電話したのがキッカケらしいです。
そうしたわけでエニックス作品にすぎやまこういちさんの音楽が使われるようになり、『ドラゴンクエスト』はもちろん、あの名曲揃いの『ジーザス』につながっていくわけですね。
最後に
というわけで、「すぎやまこういちさんのゲームミュージックデビューは『ドラゴクエスト』じゃないよ、『ウイングマン2』だよ」ということは覚えておきましょう。
なんのために?