みなさんは、恋愛シミュレーションゲームと言えば何を思い出すでしょう。『ときめきメモリアル』?そうですね、大ヒットしましたね。パソコンでゲームしてた人なんかは『同級生』とかも思い浮かぶかも知れませんね。
しかーし!それらよりも先に発売されていたのがあるんです。そのゲームは、1985年にエニックスより発売されました。
『TOKYOナンパストリート』がそれです。
ぼくが中学生のときにドキドキしまくりながら遊んでたゲームです。
TOKYOナンパストリート
『TOKYOナンパストリート』は、エニックス(現スクウェア・エニックス)より発売されたコンピュータゲームです。
漫画家の関野ひかるさんが作った、エニックスによる「第3回ゲーム・ホビープログラムコンテスト」の優秀プログラム賞受賞作品です。
ゲームシステム
東京のあらゆる街へ繰り出し、道行く女の子に声をかけ、会話を楽しんだのちにムフフなシーンをご褒美にいただくゲームです。
まず、会話までもっていくのが大変です。画面を女の子が横切っている間に声をかけるのですが、まず声をかけても知らんふりでナンパ自体が成功させるのがムズカシイ。
運よくナンパに成功したら、今度は会話で楽しませなければなりません。女の子の興味を引くような会話をするように、頭から煙が出るほど考えなければなりませんし、その努力が無駄になることもしょっちゅうです。すなわち、女の子が帰っちゃう。
時間の概念もあり、かなり攻略しがいがあってその辺のゲームよりもウンウン唸るハメになります。『TOKYOナンパストリート』は、ナンパと言いつつかなり硬派な激ムズゲームなのです。
ここまで頑張ってクリアするといよいよムフフなシーンなワケですが、油断は禁物です。相手が補導員だったりオカマだったりするバッドエンドを迎えて南無~なことがありますので。最悪は刑務所送りです。
とにかくムズいゲームですが、よく練られた良いシステムだったと思います。
作者、関野ひかるさんの話
このゲームを作った関野ひかるさんは、同じくエニックスでゲームを作っていた『ドラクエ』の堀井雄二さんと同じ早稲田大学の漫研出身です。
堀井さんが「第1回ゲーム・ホビープログラムコンテスト」に『ラブマッチテニス』というゲームで応募し、入選プログラム賞を受賞したので触発されてゲームを作ったのでしょうか。
堀井さんが活躍の場をファミコンにシフトしていったのに対し、関野さんはパソコンでゲームを作り続けました。
これについては、友人のさくまあきらさんがネット上に書いてたりします。
実は、堀井くんがパソコンゲームを作り始めた頃、関野ひかるは『原宿ナンパストリート』という大ヒットゲームを作った。
ところが、大ヒットのせいで、パソコンゲームの依頼が来すぎて、堀井くんはファミコンに移ったのに、関野ひかるは、ずっとパソコンゲームを作り続けないといけないという悲しい運命をたどった男だ。
同級生だから、いえる話題だけどね。
パソコンゲームを作るのが悲しい運命というのは賛同できかねますが、まぁファミコンのその後の成長っぷりを見るとそう思っちゃうのもわかりますね。
ちなみに、関野さん自身が、『TOKYOナンパストリート』について「恋愛シミュレーションゲームの元祖」と呼んで欲しいと述べたことがあるようです。
大手もこういうカンジだったのが懐かしい
天下のスクウェア・エニックスも初めの頃はこういうゲームもリリースしてたんですね。
しかし、思えば光栄(現コーエーテクモゲームス)やアスキーも初めの頃はこういうところは攻めてたし、よく考えたらそれは記事にしてましたね。
映像を伴うメディアというのは、何であれ黎明期にはムフフのパワーが必要なのです。それはビデオデッキの普及や、DVDの繁栄の初期を見ればわかるでしょう。VRだって、これは避けて通れないと思いますよ。まぁ、これは余談。
というわけで、懐かしの元祖恋愛シミュレーションゲーム、『TOKYOナンパストリート』のお話でした。