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『風雲児たち~蘭学革命篇~』を観た!感動した!

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普段ほぼバラエティしかテレビを観ないぼくが、この年末年始に一番楽しみにしていたテレビ番組。それは『笑ってはいけない』でも『芸能人格付けチェック』でも『ドリーム東西ネタ合戦』でもありません(もちろんそれらも超楽しみにしてましたが)。

ぼくが一番楽しみにしていたテレビ番組、それはNHKの2018年正月時代劇『風雲児たち~蘭学革命篇~』です。『ふううんじたち~らんがくれぼりゅうしへん~』と読みます。

『風雲児たち』とは

原作である『風雲児たち』はみなもと太郎先生による“大河ギャグロマン”と銘打たれた漫画です。あまり知られてないかも知れませんが、この『風雲児たち』はものすごい漫画なのです。って、このブログをずっと読んで下さってる人なら覚えてるかも知れませんが。

この中で、ぼくは『風雲児たち』を強く薦めた上でこう書いています。

さて、この『風雲児たち』、作者のみなもと太郎氏によれば、もともと幕末を描きたかったとのこと。だから、関ヶ原から始まります。大変正しいですね。関ヶ原前後における、薩摩、長州、土佐を知らなければ、幕末なんぞ到底分からないですから。

時間という歴史の縦糸に、人物、物事という歴史の横糸を絡めて語るというのは理想ですが、この漫画は難なくソレをやってのけています。ここが一番オススメする所以です。

『風雲児たち』は江戸時代を通じて生きた人々の人生をわかりやすき見せてくれます。そこから現代日本も見えてくる、なんていったらこのエンタテインメント作品に失礼でしょうか。

余計なことを考えずに読んで笑って、日本史に興味を持つ人が増えたらいいな、と思います。

ぼくは、この『風雲児たち』を江戸時代を知るためにはベストな書籍だと本気で思っています。どんな歴史書や参考書や教科書よりも、より深くより面白く江戸時代を理解できますから。

ちなみに1979年に関ヶ原から開始したこの漫画は、現在も紆余曲折を経て連載が続いていて、やっと幕末に入り薩摩の寺田屋騒動を通過したところです。

連載長い。明治維新を迎えるのはいつになるのか心配になるくらい長いんですが、面白いので是非読んでみてください。くだらないギャグとともに、歴史の面白さがわかるかもしれません。

これだけでは完結してませんが。この後に坂本龍馬を主人公にした『雲竜奔馬』、『風雲児たち 幕末編』へと続いていくわけです。

『風雲児たち~蘭学革命篇~』

晴れてこの『風雲児たち』がドラマ化され、2018年1月1日にNHKにて放送されたのが『風雲児たち~蘭学革命篇~』(ふううんじたち~らんがくれぼりゅうしへん~)です。

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『風雲児たち』シリーズの中でも割と人気のあるエピソード、前野良沢と杉田玄白が『ターヘルアナトミア』を翻訳して『解体新書』として出版するエピソードをドラマ化しています。

教科書なんかでは一行二行で終わっちゃうようなことですが、『解体新書』が日本語に訳されて刊行されたことは医学の発展に多大なる影響を及ぼしましたし、その恩恵は現代のぼくたちも確実に受けています。

どのように『解体新書』が生まれたのか、その意味は何なのか、それを三谷幸喜さん脚本でドラマ化するというワケですから期待しちゃうのも無理はないでしょう。ぼくも大いに期待していました。

ちなみに、原作漫画のこの部分だけ抜粋した書籍も先日出版されてたみたい。知らなかった。

『風雲児たち~蘭学革命篇~』感想

というわけで、ネタバレがないように気を付けながら軽く感想などを。

原作の雰囲気はどうなった

まず思ったのは原作の雰囲気そのままだなぁということです。

最初に前野良沢と杉田玄白と中川淳庵が腑分け(解剖)を見に行って腑分け台に荷物置いちゃってたりする場面とか、その後初めて前野邸で翻訳のために集まった場面とかは、観ていて原作の漫画のコマをそのまま思い出しました。

その後も印象的な場面では原作を忠実に再現することを目指しているようである意味ホッとしました。

ギャグはどうなった

ぼくがこのドラマで一番気にしていたのは、原作のギャグを三谷幸喜さんがどうするのか、というところ。

NHKなんでギャグを原作のまま表現するとは思ってませんでしたが、だからといって三谷さん独自のセンスが入ってきたら原作の雰囲気が壊れちゃうことにもなりかねませんから。

しかし、この点については案じることはなかったですね。無茶苦茶ソフトになってました。前野良沢の娘が「順調なら出版はすぐですね」みたいなことをポロッと言って良沢や玄白にボロカス言われる場面もジロッて睨まれるくらいになっちゃってましたね。

随所でそんな感じで、下手したらコメディになると思ってたんですが、それはほぼありませんでした。

みなもとvs三谷のぶつかり合いを避けたのかな?って邪推してますが、まぁNHKだからかな?どうだろう。

高山彦九郎、林子平、工藤平助などの扱いは

原作では同時期に活躍する高山彦九郎や林子平や工藤平助といった面々は、ほんの少し出てくるだけです。この漫画で高山彦九郎を知ったぼくとしてはちょっと残念でした。

直接『解体新書』には関わってないので仕方がないところですが、もっと活躍して欲しかったなぁ。

総括

いや、面白かったです。是非みなさんに観てもらいたかった。

でも、もしかしたら三谷幸喜作品が好きだという人は肩すかしを食らったかも知れませんね。上記のように三谷色は意図的に薄くなってるような気がしましたから。

さらに言うと前野良沢と杉田玄白の後半のぶつかり合いは原作の雰囲気もぶっ飛ぶほどの迫真の演技で、観ていてものすごい引き込まれ、原作すら凌いだところかも知れません。

みなもと太郎さんの作風のまんまドラマ化することを期待した人や、原作を三谷幸喜さんが面白おかしく料理するのを期待した人には、もしかしたら物足りなかったかも知れないなぁと思いつつ、歴史の事業を為した男たちの“思い”を見せてくれたという点では大いに満足するドラマだったと思います。

最後に

男が勉強をする、仕事をするとはどういうことか、それが分かるむっちゃいいドラマでした。

“蘭学革命篇”と「篇」が付いていることから、『風雲児たち』の他のエピソードもドラマ化するんじゃないかと期待しちゃいますし、待っちゃいます。是非是非よろしくお願いしたい。