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中国の国家主席任期制限撤廃の憲法改正は当然の結果。その要因は2つある

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先日、中国の全人代(全国人民代表大会)で、現在は2期と定められている国家主席の任期を撤廃する憲法改正が承認されました。

習近平国家主席はこれにより長期政権を目指すんでしょうけども、なんというか「中国相変わらずやなぁ変わらんなぁ」と思いましたね。

習近平の悲劇

その理由をザックリ書いていきましょう。

中国の権力者が永遠の権力を求めるのは伝統

中国の歴代王朝の最後を見ればわかると思いますが、中国ってのは王朝が長~く続いて色んな要因があるにせよ、その王朝は寿命が来て滅んでいます。逆に言えば、自ら倒れるまではなかなか倒れません。それまでは、永久の権力維持を願っていて信じているんです。

みんなの好きな『三国志』を見てもわかるでしょう。その前、劉邦が漢を興すときだってそうです。

王朝が長く続いて政治が腐りに腐りきったときに下からの突き上げがおこり、突き上げってまぁ要するに反乱ですけども、その反乱が天地をひっくり返して反乱の首謀者が皇帝の座に就き次の王朝を建てます。とはいえ、一番最初に反乱を興したやつはあんまりウマくいきませんが(陳勝・呉広の乱、黄巾の乱)。

中国は古来、大雑把に言えばずっとそうです。もうこれ、伝統芸です。

王朝が腐る→反乱がおこる→古い王朝を倒し新しい王朝を建てる→王朝が腐る→………のくりかえし。

元や金、清なんかは異民族の侵攻という外的要因によって王朝が変わったじゃないかと思われるかも知れませんが、そのときだって異民族をつけ込ませる反乱は起こってます。

中国の王朝というのは永久の権力維持を願うがため、何もかもが停滞して内部腐敗をおこして、そして倒れていくものなんですね。

きっとそれは中国の人々のDNAに刷り込まれているんじゃないでしょうか。

習近平国家主席の野望

だから、現在の中国の権力者、習近平国家主席が永久政権を願うのは当然のことです。そしてそれを自らの権力にモノを言わせて実現させてしまうことも。

いかにも、パーフェクトリィに中国政権くさい。ぼくが「相変わらずだなぁ」と思ったのはそこです。

政権を獲った始皇帝や劉邦や趙匡胤や朱元璋がそう願ったように、習近平も永久政権を願い、その結果が今回の全人代の憲法改正承認です。

おそらく今後、習近平国家主席は自らの権力の維持と増強のためにあらゆる手を打ってくると思います。どんな手かは、たとえば劉邦が韓信に何をしたかを考えれば見えてくるかもしれません。

もうひとつの中国人らしさ

しかし、今までの歴史が示したように中国国内での権力者の権力への固執が、中国国内だけで完結するわけにはいきません。

今日では、どの地域のどの国家も地球の国際社会の一員であるというのが大前提で、それが中国らしいからと言って中国国内でひとりの権力者が好き勝手することはなかなか出来ません。周辺諸国が警戒し、ひどいときは干渉するからです。

しかし、もしかしたら習近平国家主席とその他の取り巻き、あるいは一般庶民までそんなこと考えてないかもしれない。考えてたら今回の全人代での承認はきっと無いですもん。

それでも承認はあったのは何故か。

その理由は、いかにも中国人らしい彼らの“中華思想”にあるような気がします。

「我らの民族のみが優れていて、周りは野蛮でバカなヤツら」そんな中華思想を、彼らはまだ伝統的意識の中に持ってるんじゃないでしょうか。

だから、国家主席任期制限撤廃なんていう時代錯誤なことがまかり通る。周りの野蛮人にどう思われても平気だから当然です。

これも「中国相変わらずだなぁ」と思った理由のひとつです。

最後に

つまり、今回の国家主席任期制限撤廃の背景には、ふたつの中国の伝統的歴史的性質があります。

・政権は腐るまで続く
・周りは眼中にない

この2つの中国らしい思想があってこそ今回の話があったわけです。そしてそれは、中国の長い歴史どおりで、何の変化もない。

もんのすげぇ中国らしすぎるものが、それゆえに今まで化石にもならずにまだ生き残っていて、それが政権が安定してきたからにじみ出てきたってのが今回のハナシなんです。

中国相変わらずだなぁ!