2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。北条義時を主人公に据えて平安末期から鎌倉時代初期を舞台に、鎌倉幕府誕生の過程で繰り広げられる権力の座をめぐる駆け引きが描かれます。三谷幸喜さんの脚本で注目され、そのキャスティングも悪くない印象ですね。
おそらくそのクライマックスは承久の乱なんじゃないかな、とぼくなんかは勝手に思ってますが、承久の乱といえば、やっぱり梅干しおにぎりなんですよね。なんたって、承久の乱のおかげで梅干しとおにぎりが全国に広まったんですから。
承久の乱
ここでみなさん、昔日本史で習ったことをおさらいしましょう。すなわち、承久の乱のことを。
承久の乱は、1221年(承久3年)に後鳥羽上皇が鎌倉幕府執権北条義時に対して討伐の兵を挙げて負けてしまった乱です。新しく興った武家政権に「ちょっと待てやお前ら勝手に偉そうにしてどないやねん!」と待ったをかけるべく朝廷が鎌倉幕府に戦争を仕掛けたわけですね。
日本史上初の朝廷対武家政権の戦いであり、これに鎌倉幕府側が勝利したことにより日本では徳川幕府が滅びるまでの武家政権が確立したわけで、そのおかげで日本は東アジアにおいて中国の影響をあまり受けない独自の発展を歩み始めることになります。
そういう意味では、承久の乱は日本史において非常に意義ある戦いなんです。重要です。
承久の乱における梅干しとおにぎり
で、冒頭に書いたとおり、この承久の乱のおかげで日本全国に梅干しとおにぎりは広まりました。それは、承久の乱の数ある意義のひとつです。だっておにぎりといえばとりあえず梅干しでしょう。
じゃあ承久の乱と梅干、そしておにぎりにはどんな関係があるんでしょうか。ここで登場するのが北条政子。
(画像掲載元:北条政子 - Wikipedia)
北条政子は、北条義時の姉にして将軍・源頼朝の妻です。『鎌倉殿の13人』では小池栄子さんが演じます。どうでもいいけど、このドラマにおいて一番絶妙なキャスティングだとぼくは思ってます。
その北条政子が、上皇挙兵の報を聞いて動揺する鎌倉武士を集めて涙ながらの演説をぶったことは学校で習ったでしょう。覚えてますか、みなさん。
政子の演説により、鎌倉武士たちは北条義時のもとに一致団結することになるんですが、そのときに政子は心情に訴えるだけでなく、実弾もちゃんと用意しました。それこそが、梅干しとおにぎり。
今も昔も「部下を食わせるのが良い大将」であり、政子もそれを重々承知してますから、「鎌倉に味方すれば食うには困りませんで!」とばかりに当時貴重だった梅干しとおにぎりを鎌倉武士たちに配ったらしいんです。お米と殺菌効果がある梅干しを与えることにより、戦場でいつでも素早く安全に栄養補給できるようにと考えたのでしょう。
鎌倉武士たちは梅干しおにぎりを片手に朝廷軍を圧倒し承久の乱に勝利したのです。乱以後、長持ちして衛生的な梅干しは鎌倉幕府の支配が広がるのと共に全国に広まっていきましたとさ。
最後に
今となっては梅干しといえばおにぎりの定番ですからね、梅干しおにぎりの歴史は長いですね。
しかし、まさか現代になってシーチキンやら鮭やらがでてきて梅干し以上の人気が出るとは北条政子も思うまい。