ぼくが初めて遊んだRPGといえば、これはもう『ハイドライド』なのです。
今まであそんだことのないゲームシステムに脱帽し、本当に衝撃でした。ドハマりし、毎日毎日遊んでいました。
その辺のことは「『ハイドライドの衝撃』」という記事で以前書きましたが、今回はもうちょっと掘り下げて書いてみようと思います。
『ハイドライド』で覚えたRPG
『ハイドライド』は1984年に登場したアクションRPGです。
その『ハイドライド』を通じてぼくがいかにRPGを覚えたのか、とくとご覧あれ。
RPGというジャンル
そもそも、それまでRPGというものに触れたことがなかったのでRPGというジャンル名にまず「?」となりました。
『ハイドライド』は当時「アクティブロールプレイングゲーム」と銘打たれていましたが、公文の英語を習っていたぼくは「アクティブ」は要するに「能動的に動くこと」と直感的に理解しましたが、「はてロールプレイングゲームとは何ぞや?」となるわけです。
白状しますと、RPG(ロールプレイングゲーム)はRolePlayingGameと書くわけですが、「Role」の部分を最初「Roll」だと思ってました恥ずかしい。
『ハイドライド』のマップは上下と左右が繋がっているのですが、そうなると一番上に行ったら一番下に出ることになります。まるで地図を丸めて上下を繋げたようです。それで「ははぁなるほど。だから巻くと言う意味のRollなわけだな」と、今思えばわけわからん解釈をして自分で納得してたのです。もうひとつ言えば、Rollは「ころがる」って意味なのに!
しかし、あるとき雑誌に掲載されている『ハイドライド』の広告を見て「RolePlayingGame」という表記になっていることに気付きます。
Role?どういう意味?と辞書を引いてみると、「役割」とあります。ということは、「ロールプレイングゲーム」とは「役割を演じるゲーム」ということになります。『ハイドライド』でいうと、主人公のジムになりきってゲームをしろということです。
ぼくはこれでやっと「なるほど、最近雑誌でよく見るRPGはキャラクタになりきってゲームの世界に入り込むゲームなのだな。これは面白い」と思うようになりました。
経験値とレベルアップ
RPGというと、やっぱり「キャラクタの成長」が一番の特徴だと思います。
それまで遊んでいたアクションゲームやシューティングゲームは、敵にやられたらそこで終わり、またの挑戦をお待ちしています!というカンジだったんですが、RPGはキャラクタが成長し、強くなって攻略が進んでいくことになります。
それが理解できなかったので、最初はぼくはスライムとコボルトに何度も何度も果敢に突っ込んでいきやられて最初からやり直し、ダンジョンを発見しては突っ込んでローパーにやられて最初からやり直し、を繰り返していました。
「なにこれ何だかつまんないな…いつまでも敵がいなくならないし、これクリアってどうやるんだろう?」と思いつつも繰り返し遊ぶぼく。アクションゲームの感覚でプレイしているのでどうしてもそういう考えになっちゃうんですよね。
そうこうしているうちに、スライムの背後から攻撃するとダメージを受けないことを発見します。「おおこれは無敵!」とスライムを繰り返し倒しているとEXPのバーが徐々に伸びていくのに気付きました(このときはまだEXPが経験値だということは理解していない)。それが右端まで来たとき、EXPのバーは元に戻ったんですが、その上のLIFEとSTRのバーがひとメモリ上がったではありませんか!(この段階ではLIFEは何となくわかるけどもSTRの意味はわかっていない)
それでも「EXPを繰り返しMAXまで伸ばすと強くなる」ということは直感的にわかりましたから、それからは滅多矢鱈に突っ込まず少しずつキャラクタを成長させることを覚えたのです。
セーブとロード
そうやってキャラクタを成長させて遊ぶのですが、レベルも3になるとスライムやコボルトを倒しても倒してもEXPがちょっとずつしか上がりません。それで瞬殺されていたモンスターがいるところに行って「コイツはまだ無理だな。あ、コイツは何とかいける」とRPGの醍醐味を味わいながら遊んでいくわけです。
そして「いつまでゲームやってんねん!」と怒られて渋々終了し、次の日にまた遊ぶのですが、そのときにまた最初から遊んでました。「いやしかし、これ1日のプレイじゃ最後までやるの無理じゃないの?」と思いつつ。
そうです、セーブとロードを繰り返して続きから遊ぶなんて知らなかったのです!
しかし、クリアできないなんてそんなワケわからんことあるわけない、と思いマニュアルを開くと保存と再開するセーブとロードという概念を知ります。
「なるほどそういうことね」と思ったものの、親父がパソコンを買うときにデータレコーダも買っていて、これはカセットテープにデータを保存するものですが、どうも操作するのが怖くて仕方なく毎回最初から超序盤のみを遊んでいました。
ぼくの『ハイドライド』はフロッピーディスク版だったのでボタンひとつでセーブロードできたんですけどね。それに気付くのは友人に教えられてからになります。
ええ、マニュアルよく読めって話です。
ファンタジー世界のモンスターたち
ついにセーブとロードを覚えたぼくは、『ハイドライド』の世界フェアリーランドを楽しみました。
そこでRPGの定番であるファンタジーの世界観の基礎を叩きこまれましたね。
スライムやドラゴンは『ドルアーガの塔』でなんとなく知ってましたが、コボルトやローパーは初めてみましたし、ヴァンパイアが敵モンスターとしてぼくの前に立ちはだかったのは初めてだったと思います。
ちなみに、水路にいるイールがウナギという意味だということも『ハイドライド』で覚えましたね。
とにかく「モンスターが徘徊する美しい世界で戦い成長するゲームは面白い」とぼくに擦り込んだのは間違いなく『ハイドライド』ですし、『ハイドライド』以降ぼくはファンタジーRPGを漁っては遊ぶようになりました。
最後に
ぼくは『ハイドライド』でRPGを学び、覚えました。
「こんなゲームで遊べるなんてパソコンてすごい!」となりファミコンを見下すようになったのは弊害ですが(しかしパソコンゲーマーはそういうやつ多かった)、それはとても幸せな時間でした。
さて、みなさんにRPGを教えたゲームは何でしょうか。『ドラゴンクエスト』だという声が多そうですけど。