今週のお題「私のおじいちゃん、おばあちゃん」
とかあったので、何かないかと考えてみました。母方のおじいちゃんがなかなか思い出深いので書いてみようと思います。
おじいちゃん、この記事タイトルどおり、マムシ食ってた。
優しいおじいちゃん
まぁ、大概じいちゃんばあちゃんは孫には優しいもんですけども、ウチのじいちゃんとばあちゃんもやっぱり優しかった。
母方のじいちゃんばあちゃんちは京都府の日本海側、丹後半島の久美浜町というド田舎でした。今では合併しまくって京丹後市とかなっててよくわからないけど。
小さい頃は、いっつも夏休みになると1週間くらいは行って満喫してました。なんせド田舎、ちょっと車を走らせればキレイな日本海。山に海に遊びまわって楽しめるので、じいちゃんばあちゃんちに行くのは毎年心待ちにしてたなぁ。
特にじいちゃんは行ったとたん大量のカブトムシを渡してきたり、オニヤンマを糸でくくったやつをくれたり、ぼくが行くときは色々準備してくれてたじいちゃんでした。
マムシを獲って来たおじいちゃん
そんなじいちゃんが、遊びに行ってたあるとき、ニホンマムシを獲ってきました。言わずと知れた、日本を代表する毒蛇です。
ニホンマムシ(Gloydius blomhoffii)は、有鱗目クサリヘビ科マムシ属に分類されるヘビ。「蝮」と書く。単にマムシとも呼ばれる。
じいちゃんは、マムシの首をクッと持って捧げるようにぼくに見せて「マサキ、マムシだ。食うか?」と言いました。「え?食うの?」さすがにぼくもビックリしてそう思って、ただただ「いらない」と言ったと思います。
「なんだ、いらないのか。じゃあ全部食っちゃうぞ」とか言ったじいちゃんは台所に向かいます。ぼくも食う気はないものの、どうやって調理するのか気になったので後についていきました。
マムシを食うおじいちゃん
―ここから先、マムシをどう調理したかはうろ覚えです。大体覚えてるとおりだと思うけど、特に毒の処理はどうだったかなぁ。首落としただけだったと思うんだけど。あ、あと残酷な描写アリです。あまり想像しないように(笑)―
台所に入るとじいちゃんはおもむろに包丁を取り出し、左手でマムシを押さえてスパーンと首を落としました。
咄嗟にじいちゃんの左腕に巻き付くマムシの身体。じいちゃんはそれをシュルシュルっとはがして、首側から尾側に向かって何回かにわけて皮を剥いでいきました。
あとは焼くだけ。コンロの火を付けてその上に直にマムシを置く豪快なスタイルのじいちゃん。
十分火が通ってちょっとコゲ目がつくくらいで火を止めて、マムシを皿に載せて居間に戻り、じいちゃんは日本酒のアテとしてマムシをウマそうに食いました。
食いながらもう1回ぼくに「食うか?」と聞いてくるじいちゃん。マムシも焼くとちょっと細い鶏肉みたいに見えたので食えなくはなさそうだったけど、なんとなく「いらない」と答えたぼく。やっぱりちょっと恐ろしかったもん。
最後に
おじいちゃんおばあちゃんとお題をもらって真っ先に思い出したのが“マムシを食うじいちゃん”だったのでそのまま書いてみました。本当にド田舎だったから、きっと昔っからマムシも重要なタンパク源だったんだろうなぁ、とは思いますけどね。
そんなおじいちゃんもぼくが中学2年生のときに亡くなりました。死因はマムシの毒ではないですよ、ええ。
あ、これ見てマムシ食ってみようって思った人、やめといたほうが無難です。毒の処理とかちゃんとした方がいいと思うんで、どうしてもって人は専門家に聞いて自己責任でお願いします。
え?蒸すだけで毒大丈夫なの?