どうも、大阪出身です。
しかしながら子供のころから親父の転勤で関西と関東を行ったり来たりしていたため、いわゆる標準語も普通に話せますし、今埼玉に住んでますが、仕事のときは標準語で家に帰ると関西弁みたいなカンジで生活してます。
それでも、仲がいい人と話すときなんかは関西弁出ちゃいますけどね。
「何してけつかんねん」が出た
先日、仲良くなってきた若いやつと話してるときに段々関西弁モードになっていったんですが、そのときに出ちゃったんです「何してけつかんねん」が。「え?ケツ?」とか言って相手はキョトンとしてました。
ああ、そうかわからんか。
「あんな、俺の場合、『何してんねん』をちょっと大げさにいうときに『何してけつかんねん』って言うねん。『けつかる』って言うのはな…」と説明しようとしたんですがここまでで「もういい!」とか言われちゃって消化不良。
なので、ここに書こうと思った次第。
「何してけつかんねん」の意味
「何してけつかんねん」を分解してみる
この「何してけつかんねん」は「何して」「けつかん」「ねん」に別れます。最後の「ねん」は大阪弁の「ねん」で「何してんねん」の「ねん」と一緒。
「何して」はそのまんまの意味、なので問題は「けつかん」の部分です。
当然ながらケツは関係ありません。生粋の大阪人はお尻のことを「ケツ」とは言わない。「シリ」って言うほうが多いと思います。
じゃあナンダ、「けつかん」って。
けつかる
「けつかん」の最後が「ん」になってるのは、次の「ねん」に繋がっていくためで、実は本当は「けつかる」が正解です。
じゃあ「けつかる」って何かと言うと、これは日本の古い言葉で「ある」とか「居る」とかを卑しめる言い方。
三省堂の『大辞林』には以下のようにあります。
けつか・る [1]
( 動ラ五[四] )
〔近世上方語以降の語〕
① 「ある」「いる」などの意で卑しめていう。 「やあここに-・るか,よう舟へ石打つた/浄瑠璃・今宮心中 上」
② (補助動詞) 動詞の連用形,または,それに助詞「て」を伴った形に付いて,その動詞の示す動作を卑しめていう。「なにを言って-・る」 「よろつきながらにらみ付,どうずりめ覚えて-・れ/浄瑠璃・丹波与作 中」
大阪の場合、気が置けない友人にたいしてワザと「ワシのほうが上やろ?」ってお互いに言い合ってるような関係性のときに使う場合が多い。
ウチのカミさんなんかは「大阪の人同士がしゃべってるとケンカしてるようにしか聞こえない」とよく言ってますが、それです。
気心が知れたもの同士はどうも口汚くなってしまうんですよね。その場合に「けつかんねん」は飛び出してきます。
西日本にしか残ってない?
どうもこの「けつかる」という言葉自体、東日本には残ってないみたい。西と東を小さい頃から行き来していたぼくも、関東でこの言葉を聞いたことはありません。
と思って調べてみると、群馬のあがつま語や山梨の甲州弁には残ってるみたい。あとは名古屋以西で、やっぱり日常的に使ってるのは大阪の人だけっぽいなぁ。九州にも居そうな気がするけど。
最後に
いかがだったでしょうか「何してけつかんねん」。是非使ってみてください。なに?使わない?おうワレ、何ぬかしてけつかんねんこら、おう!
失礼。
使ってみて慣れてきたら、もっと上級者用の言い方がありますのでそちらも書いときます。
「おうワレこら!何ぬかしてけつかんどんねんおう!眠たいこと抜かしとったらシリの穴から指突っ込んで奥歯ガタガタ言わしたんぞコラ!」
前後は無視していいですが「何ぬかしてけつかんどんねん」はマスターしてください。ちなみに「けつかんどんねん」には「お前の汚いケツなんか噛むかアホ」と返せばオッケーです。
あと、ホンマモンのオッチャンには言わんほうがええで。