きつねうどん、好きですか。ぼくは好きですよ。あのふっくらした甘ったるい油揚げがたまりません。
ところで、大阪ではそのきつねうどんのことを「しのだ」と言ったりします。「けつねうろん」とか言ったりもしますけど。
「けつねうろん」はなんか口が回らないやつがしゃべったカンジで、まぁ「きつねうどん」のことだな、とわかるもんですが、「しのだ」って何でしょう。
(画像掲載元:きつね (麺類) - Wikipedia)
きつねうどん
きつねうどんはかけうどんに甘く煮た油揚げを乗せたものです。
「きつね」と注文すると東京の蕎麦屋さんとかでは「うどんですか?そばですか?」とか聞かれたりしますが、そんなん大阪のオッサンに聞いたら「きつねいうたらうどんに決まってるやろ!」とか言われちゃいそうです。東京で言う「きつねそば」は関西では「たぬきそば」言いますし。東京での「たぬきそば」とはまた違うわけです。
それはそうと、油揚げが乗ったうどんをなぜ「きつねうどん」というのかというと、油揚げがきつねの好物だから、というのが通説ですね。きつねは田の神であり、それを祀ったのが稲荷神社なんですが、元々は田んぼの敵であるネズミを油で揚げてお供えしてたのを「殺生はいかん」ということで豆腐から作られた油揚げをお供えするようになったとか何とか。
とにかく、油揚げが乗ったうどんが「きつねうどん」です。
なぜ「しのだ」?
で、その「きつねうどん」をなぜ「しのだ」というのか。
これは、泉州(大阪府和泉市)の信太(しのだ)の森に葛の葉というキツネが居て、その葛の葉が油揚げが大好きだったから、ということらしいです。
ちなみに、この葛の葉というきつねは、伝説では安倍晴明の母ということになっています。きつねということがバレて森に帰る、という歌舞伎の演目にもなっていますね。
油揚げ=きつね=信太の森=しのだ、ということですね。
ちなみに、油揚げに酢飯をつめた稲荷寿司も「信太寿司」と言ったりします。
まぁ、関西の若者でももはや「しのだ」って注文する人はいないでしょうけども、老舗のうどん屋さんなどのメニューには未だに「しのだ」って書いてあったりします。
最後に
というわけで、大阪では「きつねうどん」のことを「しのだ」と言います。きつねうどんを注文するときは「しのだ!」と注文するとわかってる感が出て小賢しいですね。
ところで名古屋では油揚げとネギをまぶしたうどんを「志の田うどん」って言うってホントですか?