昔、『歴史隆々』という歴史シミュレーションゲームに夢中になったことがあります。
大小国家が架空の大陸で興亡を繰り返す様を見届けるゲームです。そう、プレイヤーは見届けるだけでプレイできないのです。プレイできないプレイヤー。
そういう意味では、歴史シミュレーションゲームというより歴史シミュレーターと呼ぶべきか。
そんな『歴史隆々』をご紹介したい。
架空歴史観戦ソフト『歴史隆々』
ゲーム概要
『歴史隆々(れきしりゅうりゅう)』は、本丸浩紀さんが開発された架空歴史観戦ソフトで、生成された架空の大陸に存在する国家が大陸の覇権をめぐって戦いを繰り広げる歴史を観戦するソフトです。
(画像掲載元:架空歴史観戦ソフト「歴史隆々」 - livedoor Blog(ブログ))
ストーリーもプロローグがあるだけで、プレイヤーは紡がれていく歴史をただただ眺めるのみ。まるで地上で自分が生み出した人間が戦争をしまくるのを眺めながら楽しんでいる神のよう。
そして、最終目的なるものもありません。ひとつの国家が大陸を統一しても帝位争いや反乱が起こって大陸はまた分裂します。そしてまた統一を目指し戦乱が始まるのです。
初期配置される武将以外の義勇軍やら地方司令官やらで途中から登場する武将はランダムに生成されるため、同じシナリオをプレイしても毎回違う歴史が楽しめるのもこの『歴史隆々』の醍醐味でしょう。
まぁ、歴史が好きな人にとってはたまらんと言えるでしょう。ぼくもたまらんかった。眺めながら年表を作ってそれをあとから眺めて楽しんでいたほどです。
特定の武将に注目
『歴史隆々』でずっと興亡を眺めていると、ひとりの武将が目に付くようになったります。「なんかこいついっつも戦いに明け暮れてしかも勝ちまくってるな」とか「コイツの親はポンコツだったのになんでこんなに優秀なんだ?」とか「こんな弱小国家で常に防衛に成功しているこいつは一体なんなんだ!」とか「こいつまた裏切った!呂布かお前は!」とか。そして武将には寿命があり成長のピークがあり、年取ってくると数値が下がっていくんですが知力だけは上がり続けたりします。
そういった経歴が、文字だけの武将を個性的にし、「気になるアイツ」がどうしても出てくるのです。そうしたらその武将の経歴を開き、登録武将に登録すればソイツが大陸のどこで何をしていてもチェックできます。
そして、家系も生成されていくので、「気になるアイツ」の子孫がどうなっていくかも追っていくことができるのです。
「天命」で自分の分身を降臨させる
先に書いたとおり、プレイヤーは歴史に触れることはできませんが、間接的にちょっとだけ影響を及ぼすことができます。
それが、「天命」のシステム。
「天命」とはプレイヤーが自由にステータスと登場年月を決めて歴史に登場させる武将のことです。1回の歴史に1人だけ登場させることができますが、どの国のどの身分で登場するかはプレイヤーは選ぶことはできません。
これがまた、プレイヤーの思い通りに活躍するとは限らないのが面白い。
すべてのステータスが最大の超人も作ることができますが、身分が低かったり君主とソリが合わなくて冷遇されたりすることも有り得ますし、知力も高いので後方支援に回らされたりすることもあります。さらに、最初の戦争で囲まれて捕らえられ、歴史から即退場なんてこともあり得るのです。
しかし、この「天命」に肩入れして歴史を鑑賞するのは非常に楽しいですよ。
『歴史隆々』の入手方法
さて、この『歴史隆々』なんですが、かつてはフリーウェア版とシェアウェア版があり、現在フリーウェア版はどうやら入手不可能のようです。公式ブログのリンクも切れてます。
架空歴史観戦ソフト「歴史隆々」 - livedoor Blog(ブログ)
フリーウェア版でも十分遊べましたが、シェアウェア版はバージョンがフリーウェア版よりも新しく、派閥システムや戦闘の簡易表示機能が搭載されています。
フリーウェア版だと大きな会戦だとヘタすりゃ1時間以上かかっても終わらなかったりするので、戦闘の簡易表示は非常にありがたいし、これだけでもシェアウェア版を遊ぶほうがいいと思います。
そのシェウェア版は、まだVectorにて入手可能のようです。Vectorってのも懐かしいですが。手数料込で1308円。
最後に
というわけでこの『歴史隆々』、かなりオリジナリティ溢れる歴史シミュレーターです。
自分で歴史を見てそれぞれの武将のドラマを脳内で作り出せる人なら絶対にハマります。ずっと見てしまいます。コーヒー片手に歴史鑑賞、なんてステキな趣味をどうぞ。