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『世界に一つだけの花』はめちゃくちゃエゲツない歌である。

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フルコミ営業なんて仕事をしていると、常に売上の数字だけで評価されるのでもう数字を追うのに毎日必死です。毎月毎月数字で評価されるということは、どんな手段を使ってでもナンバーワンを目指さなければならないということです。

そんな仕事をしている人は、結構『世界に一つだけの花』という歌が嫌いです。オンリーワンになってメシを食えるか、というのです。ぼくもクソフルコミ営業マンなのでその意見にはおおむね賛成なのですが、実は、そんなに嫌いではないんです。なぜなら、『世界に一つだけの花』はもっとエゲツない歌だということに気づいたからです。

『世界に一つだけの花』とは

『世界に一つだけの花』は、SMAPが35枚目のシングルとして発表した曲です。作詞作曲はあの槇原敬之さん。あの、マッキーです。

もともとはアルバムに収録されていましたが、ドラマ主題歌で要望が増えシングルカットされ大ヒットしました。

歌詞の内容は「人を蹴落としてまで1番にならなくてもみんな特別なんだよ」みたいなもので、槇原さんはこんなことを言っています。

「自分が一番になりたいということだけのために、ともすれば人を蹴落としてそれを手に入れているような時代がちょっと前まであった。『何と嘆かわしいことをしているんだ』というのがテーマ」

引用元:「世界に一つだけの花」がリリースされたのは“平成の真ん中” - Real Sound|リアルサウンド

1999年に覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され自分を見つめなおしていた槇原さんは仏教に出会い、その影響が以後の楽曲に出ていますが、なるほど『世界に一つだけの花』は要は「天上天下唯我独尊」という教えを歌にしたようでもありますよね。

みんなそのままで特別なんだそれでいいんだ、なるほど何かしら劣等感を持たずには生きられない現代人にはなんとも耳障りのいい歌詞で大ヒットしたのもうなずけます。

『世界に一つだけの花』の賛否

平成の頃から現在まで、日本はまぁギスギスしていて、一番になるため金儲けのために人を蹴落とすやつらの多いこと多いこと。ていうかみんなそれを目指しちゃったりすらしています。

そして、そこからドロップアウトした人たちは這いあがることもできずにもがき苦しんでいる。そういうもがいている人たちにとって、『世界に一つだけの花』という歌は本当に救いになったんじゃないでしょうか。生きていく希望になりうる曲です素晴らしい。

一方、金儲けできた人たち、また何としてでも大成功してやるという野心がある人たちにとっては、この歌は甘えにしか映りません。冒頭に書いたフルコミ営業のクソたちにもそうです。オンリーワンになったところでメシが食えるか1番になって稼いで使ってナンボじゃ!というわけです。だからこの歌が大嫌い。

本当の『本当の世界に一つだけの花』

しかし、甘い。読み込みが甘い。この歌はそんなことを言っているのではありません。ナンバーワンだオンリーワンだ言う前に、大前提があるのです。

そして、それはなんと歌の冒頭で歌われているのです。

「花屋の店先に並んだ いろんな花を見ていた」

ここです。

「ナンバーワンにならなくていいんだよ、オンリーワンでいいじゃないか」と言っている人も、花屋の花しか見てないのです。人が到達できない断崖絶壁に咲く美しい孤高の花なんて念頭にも置いてません。

オンリーワンでいいんだと言っている人、ナンバーワンにならなきゃだめだと息巻いてる人、その前に花屋に並ばないとそんな意見何の価値もないよ、と残酷にもこの歌は教えてくれているのです。

花屋に並ぶとは、やっぱりこの場合「世間に認められる」ということでしょうか。だとしたら、怖いですねぇ。だって、そうだとしたら、ほとんどの人は花屋に並ぶために必死になって、花屋に並んだかどうだか分からないうちに死んでしまうでしょうから。

この歌を聴いて救いだ甘えだ言っている人は、果たして花屋に並んでいる花なんでしょうか。

最後に

というわけで、『世界に一つだけの花』は「ナンバーワンとかオンリーワンとか言ってるけどもその前にやることあるんちゃうんかい」というめちゃくちゃエゲツない曲だったのでした。おっそろしいですねぇ。

もちろん、これは僕の勝手な意見ですけども、このエゲツなさは肝に銘じて生きていこうというわけです。