2020年7月15日、SNSなどで「ファミコンの日」ということで話題になっています。1983年7月15日に任天堂のファミリーコンピュータが発売され、37周年ですからね。
ファミコンは世界的に大ヒットしましたし、家庭で遊ぶゲームにとっては正にエポックメイキングな日であり、さもありなん、というところ。
しかし忘れてやいませんかい?
セガのゲーム機、SG-1000とSC-3000だって同年同月同日に発売されたんですよ。
セガのゲームハード
そんなこと言ったって、「そんなゲーム機知らん」という人も多いわけですから、この機会に書いておきましょう。セガが任天堂のライバルとなり、のちにメガドライブ、セガサターン、そしてドリームキャストが登場するには、このSG-1000とSC-3000がなければあり得なかったわけですから。
SC-3000
(画像掲載元:SC-3000 - Wikipedia)
まず、SC-3000ですが、これはセガ・エンタープライゼスにより1983年7月15日に発売されたゲームパソコンです。ちなみに、SCは「Sega Computer」の略。
当時は「子供もコンピュータを学べる」というトイパソコンが各メーカーから登場する時期だったんですが、SC-3000はROMとRAMを本体から切り離すことによりMSXと同等の性能でありながら29800円という低価格を実現しています。
ROMを切り離したということで、ROMカートリッジによりプログラム言語を選択でき、仕様やメモリ容量を変更できました。そして、ゲームプログラムが入ったROMカートリッジを挿すとゲームができるというわけで、SC-3000は立派なゲーム機というわけです。
ちなみにぼくにとっては親父とファミコンを買いに行ったときに「こっちがいい」と無理矢理買わせたハードであり、初のゲーム機ということになりました(キーボードがかっこ良く見えた)。
SG-1000
(画像掲載元:SG-1000 - Wikipedia)
セガ・エンタープライゼスにより市場に投入されたSG-1000。SGは「Sega Game」の略。
任天堂がゲーム専用機を開発していると聞きつけたセガの社長が、SC-3000からキーボードやプリンタ端子を廃してできたゲーム専用ハードです。当初はSG-2000という名前で19800円で発売予定でしたが、ファミコンが14800円だというので価格を下げて15000円とし、名称もSG-1000となったようです。
1983年7月15日前後のビデオゲーム
これらのゲームハードが発売された1983年ごろは、ゲームセンターは小中学生は入場禁止なんてところも多くて、子供たちはビデオゲームに飢えていました。ていうか、『スペースインベーダー』を知ってはいてもゲームについては触ったこともない知らない、と言ったほうがいいかもしれない。
そんな中、トイパソコンが登場してデジタルゲームが身近になりつつあり、トミーの『ぴゅう太Jr.』やエポック社の『カセットビジョンJr.』なども登場し、鎬を削ることになります。
そんな中、ファミコンに大きく水を開けられたとは言え、セガが常に2番手になれたのはSC-3000とSG-1000が素晴らしかったからと言っていいと思います。言ってあげて。
最後に
というわけで、セガだって頑張ってたんだよってことで。
7月15日はファミコンだけの日じゃないってことだけは覚えておいてください。