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吉本新喜劇の笑いは関西の人以外わからない? ~吉本新喜劇の面白さがサッパリわからない人へ~

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ぼくは大阪育ちゆえ、例に漏れず吉本新喜劇とか大好きです。ゲラゲラ笑います。

そんな新喜劇、子供のころから土曜日には必ず見てました。半ドンの学校から帰ってきてオカンが作ってくれた焼きそばを食いながら新喜劇を見る、子供ながらに幸せだなぁと思ったもんです。

最近はケーブルテレビとかで埼玉に住んでても見られるからいい時代になったもんですが、先日会社の同僚にこんなことを言われました。

「なぁなぁ、コバヤシさん大阪出身だよね?吉本新喜劇って何が面白いの?何回観てもわからない」

ええええ!?あの面白さがわからないいいい!?とか一瞬思ったんですけど、よく考えたらそれも無理はないのかもしれない、と思い始めました。

吉本新喜劇って?

吉本新喜劇(よしもとしんきげき)は、日本の芸能事務所、よしもとクリエイティブ・エージェンシー(2007年9月までは吉本興業)に所属するお笑い芸人によって舞台上で演じられる喜劇、およびそれを演じる劇団の名称である。

引用元:吉本新喜劇 - Wikipedia

吉本新喜劇は長く大阪の笑いを支えていきましたが、その演出などはなんというか旧態依然で、ぼくらが子供のころでさえ古臭さは否めないカンジでした。その後、漫才ブームを経て2丁目劇場(ぼくらはモロこの世代)などで違う笑いの波がくると吉本新喜劇は若年層には観られなくなっちゃって一気にじいちゃんばあちゃんだけのものになっちゃった印象。

その後、その状況を打破するために大ナタが振るわれ、内場勝則、辻本茂雄、石田靖の3人がニューリーダーと称され座長となり息を吹き返し今に至ります。そんでもって「いやーやっぱオモロいわ!」ってなったわけですね、大雑把にいうと。

吉本新喜劇の「笑い」

で、そんな吉本新喜劇の笑いが何で同僚にわからないのか?ってことなんですけども。考えてみるに、大阪の笑いの閉鎖性が問題なんじゃないかと。

新喜劇の笑いは安心の笑い

新喜劇の舞台は、あるストーリーが進んでいってすったもんだがありハッピーエンドに収束するというテンプレートがあり、その合間合間にギャグが入ってそこで笑うカンジです。それ以外の笑うポイントはオチくらいなもんかもしれない。

しかるべき場所でしかるべきギャグが出る、そこで観てる人は笑います。なぜ笑うかというと、笑うところだからです。

ギャグが定着してくると、観てる人は「そろそろあのギャグ来るぞ、ここで来るぞ、ホラ来た!ワハハハハハ!」となるんです。いわば、安心の笑い。

吉本新喜劇の笑いは、その繰り返しです。だから、その“伝統”が分からず、そのギャグだけ抜き取ってみたらサッパリ笑えないんだと思います。抜き取ったらサブいの多いですしね(笑)

「今日はこのくらいにしといたろ」「ごめんくさい、これまたくさい、あークサッ」「大阪名物パチパチパンチや」「ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃ」どれもこれもソレだけじゃ笑えるギャグではありませんが(失礼)、新喜劇の中で出てくると笑える。ただし、「ここで笑うんだ」という理解がないと笑えない、ということ。

それじゃあタダのマンネリじゃないか、と思わざるを得ませんが、まぁその通りですね。マンネリもやり続ければ安心の笑いになるんです。

笑う合図

もうひとつ、吉本新喜劇の笑いに重要なことがありまして、それがコケることです。新喜劇観てたらわかりますが、ギャグが出てきたら舞台上の全員が盛大にコケます。これが笑う合図にもなってるんです。

新しいギャグが出てきた場合、新喜劇を観てる人は今までの安心の笑いの中にいきなり異物が混入されたような違和感を覚えて戸惑います。「え?見たことないけど笑っていいの?」みたいな。そこで演者全員がコケると「あ、笑っていいんだ。ワハハハハ」となる。

でもこの「コケ」もそれまでの“伝統”があってこそ合図に成り得るもので、その伝統がわからない新喜劇初見の人はきっと「何でこんなしょーもないギャグでコケてるんだろう」くらいにしか思わないと思います。

伝統と安心の閉鎖的な笑い

つまり、吉本新喜劇の笑いは「笑うべきところを作って守って来た伝統」と「その伝統に基づいたレールの上で笑える安心」から発生するということ。だから、吉本新喜劇の笑いは吉本新喜劇の中でしか成立し得ない。なかなか閉鎖的です。

これじゃあ、新しいファンの獲得は難しいし、期待して観に来たひとは「ナニコレ?」ってなっちゃいますね。

新しい笑い

もちろん、このままじゃいけないと吉本新喜劇も対策を打ってきました。ニューリーダーの3人が座長になったときの改革もそうでしたし、最近ではすっちーを座長にしたこともそうでしょう。そして新喜劇の外に出しても笑えるようなギャグを打ち出し、新喜劇へお客さんを呼ぼうという意図があるような気がしますね。

代表的なのが、すっちーと吉田裕の「乳首ドリル」でしょう。

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ぼくは新喜劇よりも先に正月のネタ番組で初めて見たんですが(2年前かな)、これは笑いました。これが、辻本茂雄の「フランスパン食いながらしゃべってへんわ!」(古いなwww)だったら全く笑えなかったと思います。だってそれだけ切り取っても全然面白くないもの。いやまあ、それはいい。

ぼくは乳首ドリルを観て「へーこれ新喜劇なんか。新喜劇から出て来てそれだけで笑えるネタをやるとは、吉本も変わったな」と思ったもんです。明らかに一般層の目を意識したネタですよね、知らんけど。

最後に

そんなわけなので、吉本新喜劇を観てサッパリ面白さがわからない人は、それは仕方のないことなんです。

もし、それでも吉本新喜劇で笑いたい!という奇特な方がいるならば、もう見続けるしかありません。そしてコケの合図で隣のオッチャンとオバハンと一緒に無理矢理にでも笑ってください。そしたら段々と吉本新喜劇の“伝統”が体にしみこんでくるでしょう。そしていずれは自然に吉本新喜劇で笑えるようになるでしょう。

知らんけどな。