先日、『十二人の怒れる男』という映画をアマプラで観ました。
書いたとおり非常に面白かったんですが、この中で「張本人」って言葉が出てきまして。
「お前が言い出した張本人だろ!」みたいなセリフだったと思うんですが(超うろ覚え)、そのときに「はて?そういえば張本人の張ってなんぞや?」とか考えだしちゃって見終わってすぐ調べたんですよ。
そしたら、まぁビックリな事実が!
張本人って何?
さて、まずはググってみましょう、張本人。ネットは便利だなぁ。というわけで『コトバンク』。
ちょうほん‐にん チャウホン‥【張本人】
〘名〙 (古くは「ちょうぼんにん」) 悪事などをくわだてて、事件を起こすもととなった者。首謀者。発頭人。張本者。張本。
※史記抄(1477)一六「渠率は張本人ぞ」
うんうんそうそう、「悪事を企てて起こすもととなった人」だね、うんうん。
「首謀者」うん、「発頭人」うん、「張本者」へー、「ちょうほんもの」とも言うんですね、「張本」……え?はりもと?はりもとって誰!?
ここで最初に戻ってみると「ちょうほん‐にん 」とか書いてある。
えええええ!!!!「張本人」って「ちょう・ほんにん」じゃなくて「ちょうほん・にん」なのおおおおお!!!
これはビックリ、知りませんでした。
張本って何?
え、じゃあ「はりもと」もとい「ちょうほん」って何なんだろう、と見てみると。
ちょう‐ほん チャウ‥【張本】
〘名〙 (古くは「ちょうぼん」)
① 文章で、後に書く事柄の伏線として前もって書いておく事柄。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※史記抄(1477)三「以前に子出子生と書たは、後に逐出たほどに其ための張本なり」 〔春秋左伝注‐隠公五年〕
② あとになって起こることに備えて、前もって準備しておくこと。あらかじめ後の素地を築いておくこと。
※本朝文粋(1060頃)一三・為仁康上人修五時講願文〈大江匡衡〉「皆以二今日之善根一、将レ為二来世之張本一」
③ 悪事のたくらみや事件を起こすなどのもとになること。また、その人。首謀。張本人。
※中右記‐天仁元年(1108)九月一九日「互召二下手人一可レ有二其誡一。又尋二張本輩一可レ被二追却一」
※天草本平家(1592)一「カイゾクノ chǒbon(チャウボン) サンジュウニンアマリ」 〔建炎以来朝野雑記甲集‐財賦・東南折帛銭〕
「張本人」の場合、やっぱり③の意味で使うんでしょうね。
ていうか「人」は付けなくていいのか。元々「張本」だったけど他の意味で捕らえられないように「人」や「者」を後ろに付けたのかしら。
少なくとも、「はりもと」は関係ないようです。
最後に
というわけで、「張本人」は「ちょう・ほんにん」じゃなくて「ちょうほん・にん」だということが分かりました。意外でした。
人生50年過ぎてもまだまだ知らないことがあるもんですね。これからもアンテナを張って好奇心を失わないように気を付けたいものです。