昔、『霊幻道士』という映画がありまして、それに出てくるキョンシーというゾンビのマネをよくやってました。手を前に出してピョーンピョーンって。
そのキョンシー、恐ろしいヤツなんですが、額にお札を貼るとピタっと止まるんです。
それがキョンシー攻略のカギなんですが、このお札って一体なんだ?と気になりまして調べてみました。
勅令陏身保命
このお札に書かれている文字は「勅令陏身保命」ということで定着しています。
意味は「勅令」は天子や神の命令、「陏身」は付き従うこと、「保命」は生命を与える、つまり「ありがたい命令により生命を与えるから付き従え」みたいなカンジの意味になります。
なるほどなるほど……ん?だとしたら、そのお札があれば逆にキョンシーは動くんじゃないの?止まっている屍にお札を貼ったら復活!のほうが意味として通ると思うんですけど…。
お札を貼る道士が勅令を出すまで待つスイッチになってる…と考えたら自然かな。苦しいな。
実は「勅令大将軍到此」
しかし!「定着しています」と書いたのにはわけがあって、実はキョンシーのお札には「勅令陏身保命」とは書いていません。
映画を見るとわかりますが、見ると「勅令大将軍到此」と書いてあるのです。
大将軍というのは道教の偉い神様的なものです。そして「到此」とは「ここに到着」みたいな意味。となると、「勅命により、大将軍ここに参上!」みたいなもんでしょうか。
「大将軍が来るまでここでジッとしとけ!」とお札をパーン!と額に貼る。これなら「勅令陏身保命」よりキョンシーが止まる意味はわかりますね。
「勅令陏身保命」が定着したわけ
ではなぜ、違う文字が定着しちゃったのか。劇中に「勅令陏身保命」というお札は全然出てこないのに。
これにはわけがありまして、確かにお札は違うんですが、劇中に「勅令陏身保命」という文字列が登場しないわけではありません。霊を祓うために取り憑かれたやつの腹に道士が書いた文字こそ「勅令陏身保命」ですから。
なぜそれがお札に書いてあることになったのかというと、映画のポスターやグッズなどでは全て「勅令陏身保命」と書いてあったからです。ということらしい。
これなんかもそう。
映画本編以外では目にするお札にはすべて「勅令陏身保命」と書いてあったのでそれが刷り込まれてしまったんじゃないでしょうか。
なんというか、アバウトだなぁ。
アグネスデジタルがキョンシー
さて、なんでキョンシーのお札を思い出したかと言うと、『ウマ娘 プリティーダービー』の新しいピックアップガチャで登場したアグネスデジタルがキョンシーだったからです。
しかしこのお札にはなんて書いてあるんだろう…。
「求命随身護ウマ娘」????
ウマ娘を守るために従うよう命令が欲しい?みたいな?
なかなか面白いので欲しくなってジュエル突っ込みましたがまったく出ませんでした。
最後に
最後のアグネスデジタルは余計でしたが、キョンシーのお札のこと、理解いただけましたでしょうか。
できれば映画を見て欲しいですね。お札の違いを見てほしいのもありますが、単純に面白いコメディなので。