日本を代表するRPGとも言われる『ファイナルファンタジー』のことをFFって言うらしいですね。エフエフ。
でもね、FFって略称はもう「ファイティング・ファンタジー」シリーズがすでに使ってたんでね、『ファイナルファンタジー』はファイファンにしといてもらっていいですかね。
え?出鱈目いうな?ファイティング・ファンタジーとか聞いたことない?
喝。喝ですよ。
「ファイティング・ファンタジー」シリーズはゲームブック。
え?ゲームブックってなんだって?あぁ、そこからですか。
ゲームブックについて
ゲームブックとは読んで字のごとくゲームが遊べる本なのです。本文は数百個の段落で分けられていて番号が付いています。
段落を読むとAをするなら○番を、Bをするなら□番を読めと選択肢が出るので、自分が選んだ段落へ飛んで読む、ということを繰り返してグッドエンディングを目指します。良く分からないでしょうから、例を書いときます。今ぼくが考えました。
1.あなたはもう漏らしそうだ。どうする?
我慢するなら2へ
ここでしちゃうなら13へ
ここで、「我慢する」を選択するなら2の段落を次に読み、「ここでしちゃう」を選択するなら13の段落を読むわけですね。こういったことを繰り返してグッドエンディングを目指すわけです。だから、ゲームを進めるにはあっちこっちにページをめくることになるので、本は大概ボロボロになっちゃいます。
ファンタジー世界を冒険するゲームブックは世界中でブームになり、日本でもかなり刊行されていました。
様々なシリーズが生まれましたが、その中で最も成功し、長く続いたのが「ファイティング・ファンタジー」シリーズです。
「ファイティング・ファンタジー」シリーズ
元々はテーブルトークRPGのマニュアルを作っていたスティーブ・ジャクソンとイアン・リビングストンがそのマニュアルを作成しているうちにRPGの世界を入れ込んでそれだけで遊べるようにしちゃったことから生まれたシリーズです。
その記念すべき第1作が『火吹き山の魔法使い』。
懐かしい!これが日本で発売されて日本でもゲームブックブームが起こったんですよ!
しかし、テーブルトークRPGをひとりで遊べることがウリだったゲームブックも、コンピュータRPGの登場でその役割をほぼ終え、多数あったシリーズはどんどん終了していきました。
しかし、「ファイティング・ファンタジー」シリーズは頑張った!
1982年に刊行された第1作のこの『火吹き山の魔法使い』から1995年の『Curse of the Mummy』(日本語訳ナシ)まで、第59作まで続きました。スゴイ!
ここで一旦終わったと思ったらさらに2005年にイアン・リビングストンが『Eye of the Dragon』を発表してビックリしましたね。これも日本語では出てません。残念。
「ファイティング・ファンタジー」シリーズについて、おわかりいただけましたでしょうか。
第6作『死のワナの地下迷宮』についての逸話
「ファイティング・ファンタジー」シリーズ第6作の『死のワナの地下迷宮』はシリーズの中でも評価の高い名作と言っていい作品です。
これが何と2008年にホビージャパンより新訳として出版されたのですが、タイトルも『デストラップダンジョン』に変わり、大胆なリメイク作品となりました。これです。
ヒ、ヒデェ!なんだよこれ!
しかも、これ、2015年になってイアン・リビングストンにバレちゃった!リビングストンはTwitterに嘆きのツイートを投下しました。
Foreign publishers mostly used the original UK covers....until the infamous Japanese Deathtrap Dungeon cover. Huh??? pic.twitter.com/6Sa8ln6m04
— Ian Livingstone (@ian_livingstone) 2015年6月14日
「日本の『死のワナの迷宮』のカバーがこの忌まわしいものになるまでは、ほとんどの出版社がオリジナルのカバー絵を使ってくれてたのになぁ(ここから先も思いやられる)…ハァ」といったニュアンスでしょうかね。
つまり、嘆いておられる。ぼくが謝っとく。ごめんなさい。
これは非常に恥ずかしい。
衝撃の『ファイナルファンタジー』の坂口博信の講演内容
ここで、2015年に立命館大学で『ファイナルファンタジー』の生みの親、坂口博信さんが講演で『ファイナルファンタジー』の名前について言及しているという記事を見ていただきましょう。
坂口さん、はじめに“FF”という略称ありきで『ファイティングファタジー』と名付けようとしていたらしいじゃないの。パクるわけにはいかんので『ファイナルファンタジー』に変更したんだって。
まとめ
どうだ!これでFFとは「ファイティング・ファンタジー」だとわかったか!と思ったら別に「ファイティング・ファンタジー」シリーズをFFって呼んでなかった気がする。
じゃあFFは『ファイナルファンタジー』でいいや、という衝撃のラストで終わりとしたい。
いや、怒らないで石投げないで!
みんな機会があったらゲームブックで遊んでね!ということが言いたかったんだよう。