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『浮浪雲』とぼく

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漫画家のジョージ秋山さんが亡くなったそうです。

その訃報に触れたとき、ぼくは妙に脱力しました。

その理由はジョージ秋山さんの漫画『浮浪雲(はぐれぐも)』にあります。というのは、ぼくは『浮浪雲』の主人公である雲の生き方を理想としているからで、何となく人生の目標を失ったような感覚になってしまったからです。

人の訃報を前にして言い方はちょっと良くないけれど、ちょうどいい機会なので、ぼくと『浮浪雲』について書いておこうと思います。

『浮浪雲』とは

浮浪雲
(画像掲載元:https://amzn.to/2TYLrzo

『浮浪雲』は、ジョージ秋山先生がビッグコミックオリジナルに連載していた漫画ですが、その連載期間は実に長く、1973年から2017年まで長期連載されました。コミックスは112巻まで刊行され、テレビドラマ化も2回されました。

幕末時代の江戸・東海道の宿場町『品川宿』で問屋を営む「夢屋」の主人・雲(くも)は妻・かめ、11歳の長男・新之助(しんのすけ)、8歳の長女・お花(おはな)の4人暮らし。雲は仕事そっちのけでいつも遊んでばかりで、無類の酒好き女好きである。動乱の世ではあるが、ささやかな庶民の家族や人間模様をコミカルかつシリアスに描いている。

また、勝海舟、沖田総司、近藤勇、土方歳三、清水次郎長、森の石松、坂本龍馬、楠本イネなど歴史上実在する人物も多数登場する。

引用元:浮浪雲 - Wikipedia

主人公の雲は、毎回ちょっとしか出てこなかったり全く出てこなかったりするのが面白いんですが、その回ごとの登場人物たちのストーリーはどれもジーンときちゃいますし、人間とは何か、生きるとはどういうことか、考えるには格好の“資料”になりそうな漫画です、本気で。

『浮浪雲』とぼく

ぼくは、この『浮浪雲』の主人公・雲を本当に尊敬していて、なんというか「あんな生き方をしたい」と常々思っているんですよね。

グータラしてヘラヘラして、髷も結わずに女物の着物を着流し、女性と見るや老若美醜に構わず「おねえちゃん、あちきと遊ばない?」と声をかける。…と書くと「なんてどうしようもないヤツだ」と思うでしょう。しかし、「雲が一声掛ければ、東海道中の雲助が集まる」と言われるほどのカリスマ性を持ち、仕込み杖を使った剣術では薩摩の中村半次郎(桐野利秋)や新撰組の沖田総司を打ち負かすほど強い。

ぼくが惹かれるのはそういう二面性で、普段はボンヤリしてるけどイザとなったら頼りになる、そんなのものすごいカッコええじゃないですか。自分の実力は必要なければ表に出さず、ヘンテコなカッコをして飄々とする。こんな生き様が羨ましい。

とはいえ、こんなの実践できる男なんてそうはいないでしょう。高田純次さんくらいじゃないでしょうか。だからこそ理想であり、漫画のキャラクタであるのに尊敬できちゃうんですよね。

そしてその他の登場人物の人生にホロっとしたり爆笑したり、そこにあるのは人間の人生の喜怒哀楽。喜びの裏にある悲しみ、悲しみの裏にある楽しみなどもズバっと書かれてたりして『浮浪雲』すべてが“人生訓”だといっても過言ではないでしょう。

そして何といっても雲の奥さんのかめさん。こんなデキてる女性見たことない。仕事をしないヘンテコな亭主を、ありのままで受け入れる。もう聖母でしかない。そんな女性どこかにいませんか、といつも思ってました。

登場人物すべてが実に人間臭い、その中にいるカッコええ雲、彼らの人生に触れるためにぼくはいつも『浮浪雲』を読み、そしてフワっとした雲に救われて、また頑張るのです。

最後に

そんな“バイブル”のような『浮浪雲』という作品をこの世に生み出してくれたジョージ秋山先生にはもう感謝しかありません。

面白い作品をありがとうございました。

疾風のようにジャンプで始まり終わっていった『海人ゴンズイ』も好きです。